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郡山に文化はないという自嘲・・・足元のスゴイ文化

2021年05月16日 09時47分58秒 | 縄文

土器つくり経験者アルアルなのは、好きな土器の良いとこどりをすると、造形に齟齬が生まれてヘンテコな土器になってしまうこと。

現在人が作ったオリジナル縄文土器にも上手にまとめたものもあるが、お上手ですねとは思っても眼にゴツゴツと当たって写り、何かが違うと感じる。
 
つまりは実物の縄文土器は、足し算も引き算も許さない完璧なデザイン。
 
この違いは、生活実感が産み出した造形か否かなのだろうか?
 
その点、福島の大木式土器は一味違う。
福島は火焔型土器の北限だが、鶏頭冠突起(けいとうかんとっき)の上部に渦巻が施文されている大木式土器。
越後、北陸、関東の土器様式に影響を受けながら、例えば火焔型でも越後は同じ形の四つの鶏頭冠突起(けいとうかんとっき)を持つに対して、こちらでは異なる二組の突起を組み合わせたり、二つしかなかったりするので、スッキリした印象を受ける。二つの鶏頭冠突起を持つこちらは郡山市の「大安場古墳」の博物館収蔵品。
使いやすい口縁部が平ら土器でも、S字と逆S字を組合せた心憎い造形
実に見事な再構成で、これぞ造化というもの。
左の鶏頭冠を持つ土器などは一見して火焔型だが、施文は北陸系土器の影響が見て取れ、中央の紡錘形の文様は八ヶ岳周辺の「出産文土器」の雛形を彷彿させるではないか。
 
神像こそ施文されていないが、信州南部の藤内遺跡出土の「神像筒形土器」に似た雰囲気の深鉢もあった。
 
どこかオリエンタルチックな大木式土器。
 
福島の内陸部の磐梯山と猪苗代湖は、八ヶ岳と諏訪湖に対応する、見通しのいい緩やかな傾斜面を持つ地形であることに気が付いた。
 
石皿も信州に似ており、「火山の周辺に栄えた縄文文化」を濃厚に感じる。
 
尾根筋や川筋といった山岳ルートが予想外に発達していたことを知ったが、浜通りからは太平洋側の文化も入っているので、新潟には少ない古墳も豊富で装飾古墳まである。
 
郡山の人は「郡山には文化がない」と自嘲していたが、凄い文化があることを知って欲しい。
 
 
 


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