長者ヶ原遺跡で石皿でコーヒー豆を擂り潰してもらう「縄文コーヒー」は、木の実をコーヒー豆に置き換えた縄文体験。
出土品の石皿は縦長の溝状にすり減らしてあるので手の運動方向は縦方向と思われ、わたしは摺り石を前後動に転がしてコーヒー豆粗く潰してから、前後方向に動かして粉砕している。
ところが体験者の多くは石皿の溝の方向とは無関係に、手にもった摺り石をこねくりまわす回転運動で粉砕するではないか・・・ムムム。
正解は縄文人しか知らないので好きにさせているが、個人的に回転方向は作業効率は悪いとは思うけどw。
2年ほど前に体験学習棟と向い合せの木陰に高床式のテラスができて以来、みなさんここで寛ぎたがるようになった。
本当は近代建築の黄色い体験学習棟のほうが風通しがよくて涼しいのだが、木陰と高床のテラスの方が魅力的なようだ。
確かにここで車座になって食事したりコーヒーを飲んだりすると、東南アジアの民家に招かれた時の感覚が蘇る。
最近は竪穴住居の屋根は茅葺ではなく、壁と屋根は土で覆っていたとする説が有力になってきた。しかしそれでは風通しが悪すぎるから、夏はツリーハウスに住んでいたのでは?という説も昔からあった。もちろん地域性や時代によっても多様性はあったと思う。
ちなみに戦前の樺太アイヌには、冬は土で覆われたトイチセ(土の家)で過ごし、夏は樹皮で壁と屋根を葺いたサㇵチセ(夏の家)で過ごす民俗例はある。
これも正解は縄文人しか知らない。だから高床式のテラスで過ごしてもらって、各自が感じてもらう。
わたしは何か質問されても「です・ます」と断言することに慎重ないのはこのためで、考古学の知見と民俗例、それに自分の体験談を紹介して、「であるからして、わたしはこう思う」と答えるにとどめている。
あなたはどう感じますか?そうです、答えはあなたの中にあるのです!これはブルース・リー先生から学んだわたしの流儀w
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます