私が運営するぬなかわヒスイ工房では石笛(イワブエ)を作っていて、プロ演奏家からの注文も多くて色んな要望や意見が寄せられる。
市販されている石笛の多くは、意匠やヒスイの品質に重点が置かれていて、楽器としては使い物にならない・・・事が多い(笑)。
だからプロ演奏家からは楽器扱いされていなかったし、民族楽器作りが趣味の私としては、楽器としてのクオリティーを追い求めてきた。
そんな中で京都の老舗民族楽器店「民族楽器コイズミ」http://www.koizumigakki.com/さんでも取り扱って貰えるようになった。
楽器としての価値が認められたのだ。
石笛の可能性を探っている時に、原石にそのまま精度の良い孔を沢山開けたら?というアイデアが閃いたのが、下の多孔タイプ石笛。
三つの異なるサイズの孔を開けたら、まるで「もののけ姫」に出てくるコダマになった。
石笛仙人の守山鷲声さんから褒められたのが嬉しい。
二個の孔では安定しない・・・三個ならデザインとして安定する・・・面白い。
三権分立、三羽カラス、古代中国の青銅の鍋である三つ脚の鼎(カナエ)、色の三原色・・・三は安定や定着を意味する数字らしい。
整体にも三点法という定着化の基本技がある。
平面図形なら二点なら線にしかならず、図形として完結するには三点以上が必要なので、原初の図形という意味も読み取れる。
三点あると、どの角度から見ても顔に見えるのが面白い。
中国語の影響下にある数字の読みは、イチ・ニイ・サンだが、やまと言葉ではヒトツ・フタツ・ミッツとなる。
沖縄方言ではヒトチ、フタチ、ミッチだが、これはより古語に近い読み方であるらしい。
古語で「チ」とは、ヤマタノオロチ・イノチ(命)・チ(血)に代表されるように、生命を意味するとも聞く。
奈良時代の発音なら、ピトウティ・フタアティ・ミッティになるだろう。
三がミッティなら、ミ(身)にイノチ(命)が宿るという意味にならないか?
即ち生命の誕生!
整体の稽古会ネタになりそう(笑)