泥岩というと黒系や灰色系の単色で、地味なザラついたイメージがある。
しかし下の石笛をご覧あれ。
黒地に赤、白、ブルーグレーの斑模様が入っていて、まるで抽象画の夜桜を観るようで風流ではないか。
姫川で拾った時は泥岩にしては色艶もよく緻密で色合いが派手であったので、石の名前の判断が付きかねた。
こんな時は市内のフォッサマグナミュージアムで鑑定して貰うに限る。
やっぱり泥岩とのことであった。
泥岩といっても多種多様で、硬いのも柔らかいのもある。
そこで縄文時代の御物石器をイメージした石笛に仕立ててみたのだ。
御物石器とは実用の生活用品とは思えない用途不明の石器で、主に祭りごとに使う祭器や威信財であったろうと推測されている出土品である。
生活用品を第一の道具とし、これらを「第二の道具」と考古学界の御意見番、小林達雄先生が分類している。
通常は加工しやすい砂岩や凝灰岩製が多いようだが、糸魚川の縄文人は蛇紋岩を使ったりしている。
裏は渋いブルーグレーの霞模様。
縄文スタイルも最近はこんなアイデアが溢れてきて、作る時間が足りなくて嬉しい悲鳴を上げている。
糸魚川の河原や海岸は、鉱物に興味を持てば宝の山だ。
ヒスイだけが糸魚川の石じゃないぜ!