縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

文化財指定してほしい軟玉ヒスイのナツメ・・・糸魚川にも凄い職人がいる

2023年01月08日 08時27分25秒 | ヒスイ
ヒスイ加工の大先輩が若い頃につくったネフライト(軟玉ヒスイ)のお茶道具を見せてもらったが、文化財級の姿に感動。
厚みが1㎜ほどの極薄のナツメの蓋がフワッとゆっくり入るのだけど、原石の節理を完璧に読めることと、成形から研磨までの工程で寸法がちいさくなっていくことが計算できていればこその超絶技法。
 
茶道をかじった程度の男私がいうのもなんだが、お茶道具として姿もいいし、軽さもほどがいいように思う。
 
姿のみならずナツメとして肝心な密閉性がいいので、お茶人から抹茶が湿気ないと評判もいいそうだが、試作の段階では何度も重すぎると駄目だしされて完成度を高めていったそうだ。
 
登り窯で焼いた壺が県展あたりで入賞したアマチュア陶芸家が、地元の茶道愛好家から「これはお茶には使えない」と抹茶茶碗を買ってもらえなかったとかで「素人のクセに!」と憤っていたが、お茶道具には相応しい姿や品格というものがあり、黙っていたけど確かに彼の作品はお茶道具に特有な凛としたたたずまいが感じられず、只でもらったのに申し訳ないが仕舞いこまれたままだ。
 
それだけお茶道具は特異な世界なのに、大先輩はよくもお茶人が納得するモノを作ったものだと尊敬する。
こちらは玉露用の急須と湯冷ましのセット。いい姿だし、光沢の具合もいい。
 
いまは歳をとったのでこんな仕事は無理だし、生涯の最高傑作だと仰っていたが、これは私蔵しておくより市の文化財としてフォッサマグナミュージアムあたりで展示して、これほどの作品が糸魚川で作られたことを誇りにしないと勿体ない話し。
硬玉ヒスイ製の玉露用急須と茶碗のセット。技術のことは抜きにして、お茶道具としては深緑のネフライトの方が落ち着きがよく、「なんだ軟玉ヒスイなの!硬玉ヒスイより安いんでしょ?」とバカにしてはいけないという教訓。
 
 
大先輩は非常に謙虚な方だから自分から宣伝したりはしないが、多くの人に観て、手にとってもらいたい作品ですなぁ。
 
 
 

わたしは面倒くさいガイド・・・糸魚川駅北大火で黒焦げになったヒスイ

2023年01月05日 07時03分47秒 | ヒスイ
6年前は大晦日まで、開けた正月は3日から、糸魚川駅北大火の被災者支援ボランティアをしていた。
焼け跡から貴重品や思い出の品を掘り出すボランティアである。
重機の解体工事が始まるまでに、人力で瓦礫をどかし、証券、仏具、貴重品などを探し出す。
黒焦げの結婚指輪に「よかったぁ!」と涙ぐむ、被災した老婦人。
それが床の間に飾られたヒスイ原石であったりしても、被災者にとっては家族の記憶を宿す記念の品。
亡くなったご主人が若い頃に拾ったヒスイは変色しているので、むろん市場価値はないが・・・。
 
モノの価値は市場価値にだけあるのではない。
 
ヒスイ拾いのガイドで「これは幾らくらいの価値がありますか?」と聞いてくる人に、大火で黒焦げになった結婚指輪やヒスイの物語りをする、わたしは面倒くさいガイドだ。
 
ヒスイが拾えなくても、一喜一憂しながらヒスイ拾いに興じたこと自体が旅の思い出。
 
現在のヒスイ人気に「ヒスイ海岸で一攫千金お宝ゲット!」といったノリを感じているが、ヒスイがかわいそうで情けなくなる。
 
この場合のヒスイとは金の価値で評価される希少鉱物としてではなく、万葉歌人が「拾いて得し玉かも」と詠み、縄文から古墳時代まで装身具が作られていた「ヒトとヒスイの物語」のことだ。
 
上杉謙信が甲斐におくった「義の塩」は、この海岸で作られた!この辺りが私の先祖の塩田だった!「けんか祭り」の朝に禊をする海!蛇紋岩は石斧の素材!と、ヒスイを抜きにしてもヒスイ海岸の物語はたくさんある。
 
 
 
 

 


ヒスイの記念切手・・・新潟県の石はヒスイ

2022年12月28日 08時51分02秒 | ヒスイ
ヒスイが新潟県の石に選定された記念切手が即日完売と報道されていたが、あるところにはまだあるようで3シート購入。
一枚は額装してギャラリーに飾るとして、一枚は新潟市出身のベストセター作家ひすいこたろう氏に進呈。熱烈なファンが多いひすい氏は名前でヒスイを宣伝してくれているばかりか、毎年、仲間を大勢ひき連れて糸魚川ツアーをしてくれている大事なお客様でもある。
 
SNSにアップしたら、個展をプロデュースしてくれた天川彩さんをはじめ、県外の友人たちが反応したので追加購入。そういえば天川さんもベストセラー作家でしたナ。
 
まだ糸魚川市内の郵便局に若干は残っているようですヨ。
 
 
 

謎の黒曜石・・・黒曜石を産出しない糸魚川

2022年12月26日 07時20分44秒 | ヒスイ
なんと黒曜石が産出しないはずの糸魚川で、黒曜石を拾った人がいる!
貝殻状の断口面と光沢から、珪質化した頁岩や安山岩ではないと思う。
 
採取地は小滝川の西側500mの高台に位置する、小滝区の諏訪神社の階段の法面。
 
奥の一個の表面は海で擦れたような様相だが、手前の二個の表面には擦れがなく、地表採取品か地下からの採掘品の様相で、これも謎。
 
縄文~弥生時代前半くらいに信州から持ち込まれた出土品の可能性もあるが、市内の遺跡マップを確認してもノーマーク。
 
誰かが捨てた?愉快犯の仕業?それとも未知の遺跡発見の序章?
 
1個もらったので、とりあえずフォッサマグナミュージアムと教育委員会の学芸員に報告!
 
追記
文化財保護課の見解は、すぐ近くに縄文時代と思われる「岡遺跡」があるが、表土採取の報告だけで発掘調査されておらず遺跡範囲外でもあるので、拾得物は個人の所有でよしとのこと。
 
 
 

「大勾玉展」の図録本がスバラシイ!・・・ヒスイ職人必須の参考書

2022年12月22日 07時34分09秒 | ヒスイ
大田区立郷土博物館の「大勾玉展」の図録がスバラシイ!
素人でも解りやすい文章で、時系列で勾玉の変遷が収録されているし、文献も網羅されているので、貸出し不可の座右の書に決定。
また若手の瀧音先生から大御所の河村先生など、勾玉研究者たちのコラムも読みごたえがある。
糸魚川の大角口遺跡・長者ヶ原遺跡・後生山遺跡の勾玉の他、拙宅地下の笛吹田遺跡出土のヒスイ原石が紹介されているので、模造品シリーズでも作ろうか?と目論んでいる。
笛吹田遺跡出土の原石に似た原石を購入した。ご先祖はどんな勾玉を作ろうとしたのか?じっくり取り組みたい課題
 
ヒスイ加工の先達に見せたら所望されたので、在庫を問い合わせたら、予約だけで売切れ仕舞いで重販予定もないとのこと。
 
大変な労力で作られた図録なのに1,500円という安さも信じられないが、大手出版社発行なら倍以上の値段でもベストセラーになりそうな内容なのに・・・まったく欲がない。
著作権問題もあって重版できないのかも知れないが、書き込み用と保存用に二冊は欲しい本で、おそらく古本市場ではかなり高額になるだろうから、予約しておいてよかった!
 
 
 

 


糸魚川ヒスイ商組合がひっそりと解散・・・関係者は検証する必要があるのでは?

2022年05月07日 07時11分58秒 | ヒスイ
「糸魚川ヒスイ商組合」が、プレスリリースもなしにひっそりと解散したようだ。
https://itoigawa-hisuisyou.com/2022/04/07/%e7%b3%b8%e9%ad%9a%e5%b7%9d%e3%83%92%e3%82%b9%e3%82%a4%e5%95%86%e7%b5%84%e5%90%88%e3%80%80%e8%a7%a3%e6%95%a3%e3%81%ae%e3%81%8a%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%9b/
 
なんどか入会を誘われたことがあるが、「ヒスイ文化研究会」なら私も入会を検討するのだが、ホームページに「世界最古のヒスイ文明発祥の地、糸魚川」とあり、「神代の時代から糸魚川の人々は日本中にヒスイを配っていた」などと、かなり恥ずかしい文言が書かれていたので入会を断っていた。
 
糸魚川のヒスイ加工は世界最古ではないし、ヒスイ文化ならともかくヒスイ文明となると如何なものか?文化と文明は明らかに次元が違うことを知るべきだし、いたずらにキャッチーな文言で宣伝すべきではないだろう。
 
後に続く文言も、神代の昔とするところを「神代の時代」となると「馬から落ちて落馬した」の類いの重ね言葉になっているし、宣伝用のテッシュペーパーじゃあるまいに「日本中にヒスイを配っていた」となると考古学的な意味どころか日本語としてあまりにも不適切。
 
せめて「世界最古級のヒスイ文化のまち糸魚川」「縄文の昔からヒスイ交易をしていた」ではないか?入会したら私も宣伝文句に賛同したことになるからと、お誘いしてくれた関係者にお断りの理由を説明しておいた。
 
しかし原石の保護の観点からの競売や公定化、加工機械や消耗品の共同購入や斡旋、技術の研鑽会もしないヒスイ商組合とはなんであったのか?
 
信用金庫や商工会が音頭をとって華々しく設立したヒスイ商組合が、人知れず解体した理由を関係者は検証する必要はあるのではないか?
 
商工会や行政が主導して、組織をつくりさえずれば産業・観光の育成になるという安易な考え方は見直した方がいい。
 
それは「ヌナカワ姫のラブロマンス」も同様で、一時は注目を集めても内実がないとやがては尻すぼみに衰退していくだろう。
 
 
 
#糸魚川ヒスイ  #翡翠  #糸魚川ヒスイ商組合解散 #ぬなかわヒスイ工房
 
 
 
 

子供の好奇心を導く・・・ヒスイ海岸で石拾い

2022年05月05日 07時28分47秒 | ヒスイ
石拾いイベントのフロントから、不法乱入・場外乱闘の仕込み要請があり、オラはタイガージェット・シンのサーベルの代わりに、火打石セットを持って行った。凶器攻撃は3秒以内なら大丈夫と確認済みである(=^・^=)
時間いっぱいまで石探しする参加者がいれば、穴を掘って遊ぶ人もいる。小粒のヒスイを拾った少年もいた。
フォッサマグナミュージアムの小河原学芸員は、「この石な~に?」と聞かれたら、オラのように「しましま石」とか「白粒黒石」と見たまんまの説明をせず、正しい鉱物名と生成過程を子供にもわかりやしく説明していて、オラも勉強になった。
オラも質問した。「え~っと、チャートは放散虫が堆積して硬い石になったと聞きましたが、人間も地面に埋まっていればチャートみたいな硬い石になるのですか?」
 
小河原さんの答えは「放散虫にはケイ酸が含まれているので珪質化で硬くなるが、人間だと硬くならない」とのこと。まるでリアルな「ブラタモリ」「こどもでんわ相談室」のようではないか。
子供の知的好奇心を満たすには、ヒスイが拾える海岸だけでなく、きちんと説明できる人材は必要だ。ただの石ころが、名前と生まれた過程を知ると友だちのように思えて、ただの石ころではなくなる。
 
そこにヒトとの関わり合い「石と人の物語」が加わると、お宝に思えてくる。石斧が作られた石・装身具に使われた石・温石になる石・墓石に使われる石・・・etc。
 
興味を持った子供は自分で調べて、石博士、恐竜博士、縄文博士と呼ばれるようになる。佳きかな佳きかな。
 
 
上越市の石好きな人が、無料鑑定や石の説明のテントを出していて盛況だった。糸魚川のジオパーク友の会はやらないのだろうか?
 
 
 
 

 

 


「いづもまがたまの里伝承館」閉鎖におもうこと・・・大量生産・大量販売の行く末を危惧

2022年02月07日 18時12分42秒 | ヒスイ
出雲の観光施設、「いづもまがたまの里伝承館」が閉鎖したそうだ。
写真は「島根観光ナビ」の関連記事より https://www.kankou-shimane.com/destination/20558
 
ヤフーニュースには、天然石ブームの下火とコロナ禍で来館者が激減しての閉鎖と出ていたが、ブームに乗ったりや観光土産としての大量生産・大量販売の玉造りから、小規模な加工販売で生計をたて、もって玉造りの研究と文化の情報発信への転換へと考える私にとって(関係者には気の毒だが)、その転換への嚆矢となってくれたらと切に思う。
 
糸魚川ヒスイが国石に認定されて以来、原石が年々と入手困難になってきているのは何故だろうか?
 
「糸魚川に遊びに来て一攫千金お宝ゲット!」「レッツ、ヒスイハンティング!」と言った類いの商業ベース寄りの情報発信を見るにつけ、情けなくなるのは私だけだろうか?
 
投機目的でヒスイを買い漁る業者は昔からいるが、観光客が拾ったヒスイを見せて「これ幾らで売れますか?!」とも聞かれる。以前は簡単に拾えたネフライト(軟玉ヒスイ)も、いまでは根こそぎ持っていかれて拾えなくなっている。
 
その一方で、糸魚川で買ったヒスイ原石を買い取って欲しいと持ち込まれる岩石がヒスイであった試しはない。
 
来客から以前に買ったものだと、桐箱に恭しく収められた加工傷だらけの勾玉や、着色加工した色鮮やかな加工品を「どうでしょうか?」と見せられると、返事のしようがない。
 
また縄文遺跡から出土したという石笛や勾玉を入手したと鑑定を頼まれれば、一目で現代の加工品とわかるようなものばかりだ。
 
つまりは多くの人にとって、ヒスイ=換金鉱物、または現世利益の得られるパワーストーンと認識されているのだ。そこに文化はあると言えるのか?
 
出雲で売られている勾玉は外国産の「青碧玉もどき」が大半であると聞くが、甲府の水晶に至っては随分と前から外国産。糸魚川ヒスイも何時かはミャンマーヒスイやインド翡翠(グリーン・アベンチュリン)にとってかわられる日が来るのかも知れない。
 
この4月で創立10周年を迎える「ぬなかわヒスイ工房」は6畳しかなく、4人以上の来客では手狭だし、多い時には30人のバスツアー客が訪ねてくるまでになったので、来客にゆったり寛いでもらえるように拡張工事を考えてはいる。が、これから10年、20年先を考えると躊躇してしまう。
 
 

誰でもできるヒスイの簡易鑑定法・・・ヒスイの比重の測り方

2021年12月27日 08時20分16秒 | ヒスイ

誰でもできるヒスイの簡易鑑定法をご紹介。

個展に考古学者が訪ねてきてくれてヒスイ談義を楽しんだが、他県の学芸員さんからもよく質問される「出土品がヒスイかどうかの見分け法」を聞かれた。
糸魚川に来るヒスイ好きなら誰でも寄ったことがあるだろう姫川沿いの「坪井ヒスイ加工販売」さんは、硬玉ヒスイとして流通しそうな綺麗な原石をアルビタイトとして売っていた。
 
縄文~古墳時代までの装身具に使用された石材で、比重が3を超えるものはヒスイ以外には見当たらないので、比重測定をして3・2~3・4の範囲であれば「硬玉ヒスイ」に間違いない、が私の見解。
 
専門機関に鑑定を頼むとお金がかかるし、都道府県の埋蔵文化財センターで蛍光エックス線分析できるにしても硬玉ヒスイのチャート(成分表)を持っていないと比較できす、ガラスとあまり違わない成分結果しか出てこないらしいから、デジタル精密はかりさえあれば誰でもできる比重測定がおススメ。
 
しかし比重が3・2未満の近実値であればどうなのか?その判断基準は明確ではないので、比重が3をきるロディン岩やアルビタイトも「ヒスイ輝石岩の端っこの部分」として流通したりするし、いちいち比重を測って売っている訳でもなく、判断基準は目視鑑定が普通なのですね。
 
私の場合はヒスイかどうか疑わしい石材は、ホームセンター購入の0.1g単位で測定できる安いデジタルはかりで比重を測定して、比重が3.2未満の場合はヒスイではない可能性がある旨を明記しているが、年末に自分へのご褒美として0.01g単位で600gまで測定できる精密デジタルはかりを購入した。価格はホームセンター品の10倍以上もする32,000円!それでも専門機関が使っているデジタル精密はかりよりは精度も価格も低いヨ。
 
折よく「坪井ヒスイ加工販売」さんを訪ねたら、白地に鮮やかな黄緑がはいった綺麗な原石をアルビタイトとして売っていた。ヒスイとして売る人もいるだろうに、「これをヒスイとして売ったら信用問題になる」という正直者!
 
そこでさっそくアルビタイトを借りて、新兵器のデジタル精密はかりで比重を計測させてもらった。以下がその方法。
①細い針金で巻いた重量が112.7g。針金は②の工程で水中に吊るした重量を測るために必要になる。
②水を容れた容器の重量を風袋0gとして、原石を針金で吊るして水に浮かべた状態の重量が38.38g
 
③112.77g÷38.38g=2.94が比重だから、硬玉ヒスイの比重3.2~3.4より足りず、坪井さんの硬玉ヒスイか否かの「自主基準」は厳しいのだが、計測したアルビタイト原石の中にヒスイの結晶が目視できるので、ヒスイとして扱うかアルビタイトとして扱うかは、人によるということですネ。
 
ちなみにアルビタイトを研磨すると、白い部分がアルミのような金属っぽい光沢になり、ロディン岩は碁石のようなマットな光沢、ヒスイだとしっとりした上品な光沢となるし、それ以前に切断時のブレードの刃当たり具合がまるで違う。
 
比重測定をしたい方は、0.1g単位で測定できる2,000円代のデジタルはかりで遊んでみてちょうだい。ヒスイを水中に吊るすのは軽くて水を吸わない素材ならなんでもよく、細い針金の他にテグスでも可。
 
 

麻生太郎氏の発言に思う・・・バラバラでいいのだ

2020年01月15日 18時15分11秒 | ヒスイ

毎日新聞1月13日の記事

「麻生太郎副総理兼財務相は13日、地元・福岡県飯塚市で開いた国政報告会で、「2000年にわたって同じ民族が、同じ言語で、同じ一つの王朝を保ち続けている国など世界中に日本しかない」と述べた、とある。

写真は朝日新聞電子版より・・・グーブログでは記事のURLを張り付けても文章や写真が表示できないので、申し訳ないけど写真転用。

中曾根康弘氏が総理の時に「日本は単一民族」と発言して炎上した時のことをよく覚えている。

学習しない人なのか、毎度の失言の度に撤回謝罪はしても確信しているのかのどちらですな。

アイヌだけでなく、沖縄は琉球民族だし、在日と呼ばれる朝鮮系日本人はどうなる?

私にしてもヌナカワ系日本人というアイデンティティを持つ男。

私は日本人の定義を文化や言語、出自に関係なく、単に日本国籍を持つ人と認識しているので、「日本人は大和民族・単一民族」と均質に塗り潰して欲しくない。

この考えは、作家の島尾敏夫さんの「日本列島に住む人々」という意味合いの「ヤポネシア」という造語を自分なりに解釈したもの。

ここ数年、一般人が気軽に江戸時代に算定され、明治以降の皇国史観、そして軍国主義のプロパガンダに利用された「神武皇紀」を使ったり、「統合」という言葉を使うことに、きな臭さを感じる。

統合なんかしないでバラバラでいいのだ。多種多様の共存が健全なのだと思う。

私が縄文文化を好きなのは「多様な共存」を感じるからだし、ヒスイも然り。

単結晶鉱物のダイヤモンドは最高の硬度を誇るが、結晶が均質ゆえにハンマーで叩くと簡単に砕け散ってしまう。

ところが多結晶鉱物の硬玉ヒスイは硬度こそダイヤモンドに劣るが、様々な鉱物ががっちりスクラムを組んでハンマーを跳ね返す。

あたかもラクビー日本代表、かって活躍していた時代のなでしこジャパンのようではないか。

硬玉ヒスイは日本列島に住む人々のアイデンティティを表すに相応しく、鉱物学会はよくぞ国石に選んでくれたものだと思う。

凸凹していていい。不均一なのがチカラになる。