釋守成の転居物語(旧タイトル・GONTAの東京散歩)

またまた転居を目論んでいます。
5年間で5回の転居。
6回目の転居の経緯を書いていきます。

秋の七草

2008年09月30日 21時37分03秒 | 四季の花
秋の七草は、万葉集の山上憶良の歌に

 秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花(万葉集・巻八 1537)

萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花 女郎花 また藤袴 朝貌(あさがお)の花(万葉集・巻八 1538)

が、出典だといわれています。

朝貌の花についてはいろいろな説がありますが、今ではキキョウ(桔梗)のことだろうといわれています。

春の七草(正式には七種と書くそうです。)が七草粥を目的とするのに対して、秋の七草(こちらは七草だそうです。)は鑑賞を目的としたもので、なにも行事らしいものはしません。
その上に不思議なのは、この七種類を自然で同時に見ることはまず不可能なのです。
それは開花の時期が微妙にずれるからです。

最初に咲き出すのは、撫子です。



これは六月初旬に旧芝離宮庭園で撮影したものです。
秋の七草ながら、梅雨の時期には咲き出します。
そのころ桔梗も花をつけだします。

撫子と桔梗は八月ごろまで花を咲かせます。



これは七月中旬の向島百花園の桔梗の花です。
七月の向島百花園には、桔梗のほかに撫子、葛、女郎花の花が見られます。早咲きの萩の花も見られますが、まだ本格的には咲いていません。

八月になると、桔梗の花が一度咲かなくなります。
咲いているのは、女郎花と葛です。



これは八月中旬の百花園の女郎花です。



同属の男郎花(オトコエシ・皇居東御苑二の丸)も咲いています。

九月になると、葛の花が終わりに近づき、萩が盛りを迎えます。
桔梗が二度目の開花時期を迎え、七草のしんがり藤袴が咲き出します。



葛の花(向島百花園・九月二十日)



藤袴(向島百花園・九月二十日)少し開きすぎで美しくありません。藤袴は開花前の淡い藤色が美しいです。



藤袴(萩寺・九月二十九日)、この薄紫がなんともいえない色合いです。



そしてなんといっても美しいのは萩の花です。枝垂れて咲く様は野の花の女王という貫禄です。


この画像は、亀戸にある龍眼寺、通称「萩寺」の萩です。萩の花が散ることをこぼれるといいますが、まさにこぼれていました。花が終わるころの萩の美しさは譬えようもありません。



白い萩も美しいものです。



向島百花園の萩のトンネルです。萩のシャワーを浴びながら、一時の風情を楽しめます。

向島百花園や皇居東御苑、本牧三渓園、市川市万葉植物園には秋の七草がまとめて植えられています。でも今お話したように、一度に楽しむことはできません。
でもしばし万葉の昔を思い起こすにはうってつけの楚々とした花々のどれかには巡り合えます。


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