●甲子園は、今まさに準決勝の真っ最中。4,000校以上の学校の頂点に立つチームが明日決まります。
●北海道からは、北海と岩駒の2校が出場。北海は初戦敗退。岩駒は2勝してベスト16まで勝ち上がり、国体出場までゲット。
●自分なりに今年の北海道の高校野球を勝手に総括すると、力的には北海の方が岩駒より若干上と見ていましたが、北海は東邦に力負け。岩駒は対戦相手に恵まれた面もありました(1回戦は初出場、2回戦は甲子園未勝利)が、3回戦まで勝ち上がりました。
●北海は、南北海道大会では、実質は本命視され順調に甲子園出場を決めました。道内ではまず打たれない鍵谷の高めに抜ける速球が甲子園での東邦戦ではことごとくフルスイングで打ち抜かれ北海道の野球とのレベルの差を見せつけられました。朝日新聞にも載っていましたが、得意のバントも東邦の守備フォーメーションに完璧に封じられ点差以上の完敗と言ってもいいでしょうね。今年の大会は打撃優位がまた鮮明になってきています。木製バットに戻さない限り、今後もこの傾向は変わらないでしょうね。投手がいくら145キロの速球を投げても制球力や球をもっと速く見せるコンビネーションがなければ棒球となって痛打を浴びるという構図です。しかも2番手にそれなりの力があり経験のある投手がいなければ試合自体を持ちこたえられない状態です。
●岩駒は、北北海道大会で予想外の大苦戦続きだったのがチーム力を引き上げる要因になったのではないかと思います。実質的には、南北海道のチームである岩駒を倒すという気持が北北海道の各チームには強かったのではないかと思います。ここ一番の守備や打撃はやはりプレッシャーのかかった実戦の厳しい場面でのみ向上するもので北北海道大会の戦いが結果的にプラスに働いたのではないかと感じました。戦力的には、投手を右、左と2枚、用意しておりどんな場面にもある程度対応可能な体制はできていましたし、それが1回戦では生きたと思います。そして2試合を経てチームが更に育っていくというのを実感したのではないでしょうか。それが智弁和歌山戦の7回までのリードにつながったと思います。しかし、最後は捕まってしまいました。あの8回のビックイニングを作らせないベンチワークや粘り強さが少し足りなかったのかもしれませんが、大健闘と言ってよいと思います。
●駒苫の3年間の戦いと今年の結果をみると、全国で勝ち上がるチームは、スタメン9人に走攻守の穴がなく守備が固い(できれば控えも同じレベル。スター選手は不要)。打撃はコンパクトで力強いスイングができる(東邦の選手は構えは大きかったですがスイングはおそろしくコンパクトでしたね。)こと。投手は高いレベルで最低2枚、できれば3枚以上はほしいとところです。しかもそれぞれの投手に経験を積ませながら北海道の大会を勝ち上がっていく(これが難しい!この辺が香田監督はうまかった。)。これができれば全国のどんなタイプのチームとでもロースコア、ハイスコアどんなタイプの試合でも接戦ができると思います。
●駒苫が連覇+準優勝という結果を残した香田野球は、北海道の他チームに「やればできる!」という気持と「全国制覇」という目標設定を残したと思います。目標だけ高くてチーム力が伴わなければ単なるスローガンです。その目標を実現するためにはどんな戦力が必要でそれを当てはめたとき、自分たちのチームにはなにが足りないか、分析して計画的にチームを補強するなり、強化して埋めていく作業が必要でしょうね。今年のチームでは札幌第一がそれに一番近かったと思いましたが、やはり南北海道大会を勝ち抜けなかったという結果です。
●北海道の大会を勝ち上がるチームづくりと全国で勝ち上がるチームづくり。同じように見えてイコールではないチームづくりですが、第2の「駒苫」が出現することを期待したいですね。