夏も終わりに近づくと、各地でお祭が開かれます。上の画像は近所の神社の宵宮のときに撮ったものです。この神社は敷地が広く、いろいろなお店が出ますが、ずっと変わらず『お化け屋敷』が出ています。昔ながらのお化け屋敷、仕掛けも大変だから、広い場所でないと、なかなか出せない種類のお店かもしれません。
阿部サダヲさんや宮藤官九郎さん達のバンド“グループ魂”がネタにしているコントに、-中村屋華左衛門-さんというキャラクターが登場しましたが、それが今さらながらに可笑しくて、この夏は何度も見返してしまいました。
今、私は職場でこの中村屋華左衛門さんのお名前をちょっと拝借しています。
11月に行われる施設でのライブのプロモーションの様なつもりなのですが、私の『芸名』にしてしまおうとしています。
入所者の方々に、
『今度、芸名をつけることにしたんだ』
『名前はねぇ~...ナカムラヤ ハナザエモン!!』
『ハナザエモンの「ハナ」は顔についてるこの「鼻」だよっ!!』
などと話して回っています。
入所者の方々の反応はマチマチで面白いです。
『嫌だぁー、「鼻」じゃ間抜けな感じがするよー』
『じゃぁ、「中村屋!!」って呼べば来てくれるの?』
『ぁんだよ?素っ頓狂な名前だぁなぁ』
などと呆れたりする方もいらっしゃいますが、概ね女性の方々からは「中村屋」がウケているような感じがします。
その中で、今年になって入所された歌好きのSさん(70代・女性)は、私のことを『ハナちゃん』と呼び始めています。
脳梗塞による後遺症から半身の麻痺はあるものの、上衣の着替えや洗顔などを自力で行われ、できるだけ自立して生きていきたいという意欲がある方とお見受けしています。
そのSさんが、
『ねぇねぇ、ハナちゃんっ!!今度、歌ってくれるんでしょう?』
『歌ってほしい歌があるんだけど、やってくれる?』
『昔、“銀座カンカン娘”って歌があったでしょう?』
『あれなら皆で歌えると思って...皆で歌えるのが良いでしょう?』
“銀座カンカン娘”なら私も知っていますし、昭和24年の楽曲ですから、今の私たちの施設に入所されている方々の平均年齢(80代半ばくらい)を考えると、ご存知な方も多そうです。
[みんなで楽しく歌う会]という文句を私たちのライブの副題にしており、選曲は、できるだけたくさんの人が知っていそうな曲を選んでいます。その方針に合っていますから候補曲にピッタリでしょう。
“銀座カンカン娘”はたくさんの人たちにカバーされていますが、今回は井上陽水さんのカバーを参考にしてみようかと思っています。原曲をだいぶ崩した歌い方なので、このままではなく、原曲の歌い回しに近い感じに仕上げてみたいと思います。
60年以上も歌い継がれる歌には、ミュージシャンが挑戦したくなる何かの力があるように思えます。井上陽水さんの他にもゴスペラーズなど、まるで自分の楽曲のようにアレンジされています。
ところで、[カンカン娘]のカンカンの意味を知らなかったのですが、wikipediaを読んだら、
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カンカンとは、(映画“銀座カンカン娘”を監督された)山本嘉次郎の造語であり、
当時の売春婦の別称「パンパンガール」に対して「カンカンに怒っている」という意味が込められている。
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と、ありました。そして、作詞の佐伯孝夫さん、作曲の服部良一さん共に、その意味を知らないでこの歌を作ったそうです。
歌詞からは、明るく颯爽と銀座の街を歩く女性をイメージしますが、山本監督の怒りを込めた題名というのが意外に思えました。
おしゃれなアレンジは求めらていないでしょ?
確かに、井上陽水さんバージョンの様な感じだと、歌ってもらいづらいかもしれません。
他の候補曲が、いずれもドラムマシンでしっかり太鼓の感じを出しているのに対して、この曲ならリズム・キープのためのパーカッション類だけ、なんて考えてみてたんですが...
原曲と分からなくなるほど変えないようにしてみます。