Life in Tokuyo 59 面会

　お正月、私たちの施設では普段と比べて入所者に面会にいらっしゃるご家族が多いようです。入所者のお子さん、お孫さんたちがお正月に集まる機会が多いからでしょうが、複数でお越しになるご家族もいらっしゃいます。
　普段から頻繁にお越しになる方もいらっしゃいますが、中にはほとんどお顔を存じ上げないご家族もいらっしゃいます。ご家庭の事情は様々でしょうから、面会にお越しになる回数というのもご家族それぞれです。

　入所者のご家族の皆さんには、できるだけ面会にお越しいただく機会を増やしていただければと思いますが、私たちからは強制的なことはできません。
　面会にお越しになったご家族と短い会話を交わすことも多いのですが、Ｔさん（女性）のお孫さんが大晦日から２日まで３日続けて面会にお越しになった際、少し気になることをおっしゃっていました。
　そのお孫さんは女子大生で、お住まいから私たちの施設までは２時間くらい掛けてお越しになります。月に１度くらいはお越しになっていらっしゃるので、私たちもそのお顔はよく存じ上げています。そんな彼女が「もっと来なきゃいけないんでしょうか？」と私に尋ねてきました。彼女は他のご家族の中にはもっと頻繁に面会に訪れる方がいらっしゃることを知り得た様子でした。

　他のご家族と比較する必要も無いし、彼女の学業が疎かになってしまってはＴさんにとっても喜ばしいことにはなりません。「孫」という関係で頻繁にお越しになることは珍しいことだと思いますし、面会が重荷になってしまっては本末転倒です。私からは可能なときに無理せずお越しになれば良いことをやんわりとお話ししました。

　私の退勤後にもまだいらした彼女に、今月末に行う「誕生日会ライブ」にお誘いしてみました。
　Ｔさんは以前の稿にも書きましたが、"The Beatles"の来日公演をご覧になった方、そして'60年代の音楽をある程度ご存じで、"Cream"などもご存じな様です。
　Ｔさんに気づいていただければ嬉しいと思い、私が曲の構成を考えている「東京キッド」のイントロに'60年代の楽曲、"The Yardbirds"の"Shapes of Things"のイントロを入れてみました。ちょっとマイナーな選曲かもしれませんが、相当激しいドラム、それにギターとベースがユニゾンで絡むイントロで、できるだけ印象に残るような感じにしたつもりです。
　もしＴさんが喜んで、その姿をお孫さんにもご覧いただければ私たちの狙いは成功です。そして、彼女にも重荷に感じない面会になるようにしたいとも思っています。

　画像は昨日のリハーサル時のものです。新しいベースを初めて大きな音で鳴らしてみました

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