Life in Tokuyo 64_世渡り上手?なAさん

2007-06-01 | Care Work


 今回は私たちの施設の入所者のお一人、Aさんのことを書きます。
 Aさんは女性、1年ほど私たちの施設で暮らしていらっしゃいます。入浴時や車椅子からベッドへの移乗時、排泄時などに職員の介助が必要ですが、認知症の程度は軽く、簡単な日常会話なら充分に交わすことができます。

 Aさんは私が出勤して初めて顔を合わせると、
 「今日はずっと居るんですか?
 とよく尋ねてこられます。いつも私は、
 「うん。今日は(日勤だから)夕方まで居ますよ
 というように答えるのですが、その次の言葉が困ってしまいます。
 「まぁまぁ...それじゃぁ今夜は帰っちゃうんでしょ?居ないと困るんですよぉ

 Aさんにとって何が困るのかというと、トイレを利用される際の介助や就寝中のオムツ交換などご自分の身の回りのことを世話してくれる人が居なくなることです。
 当然、私以外の職員も24時間の体制で介護業務に就いていますから、Aさんの介護が疎かになることはありません。ですからAさんのご心配は無用のものなのですが、Aさんはお気に入りの職員が何人か居るようで、私以外にAさん、Ⅰさん、Nさん達がその対象です。そのお気に入りの職員の介護を受けたいという強い希望から、お気に入りの職員が居なくなることに不安を訴えていらっしゃるようです。
 そうは言っても、私だって退勤時間が来たら帰らせてもらわないと困ります

 日勤の日はまだ良いほうで、夜勤で出勤した夕刻など、
 「今夜は夜勤でしょ?じゃぁ、明日の朝には帰っちゃうんでしょ?
 などとおっしゃいます。夜勤は約18時間の勤務です。それ以上居て欲しいと言われても...夜勤業務に就き始めた時間帯にそれを言われると、ただでさえ長い勤務時間が果てしないものに感じてしまい、正直勘弁してほしくなります

 昨日はついに
 「ずっとずっと帰らないで居てくださいよぉ...(帰らないで、誰かに)怒られたら私が言うから...

 日勤業務に就いていたある日、食事のために入所者の皆さんに離床していただく介助を複数の職員であたっていたとき、Aさんの部屋で、職員ⅠさんがAさんの介助を、私が違う方の介助にあたっていました。そのときAさんはⅠさんに向かって、
 「Ⅰさんがイチバン!!、いつもいつも親切にしてくれて、大好き!!」
 などとおっしゃっています。Aさんは私が同じ部屋に居ることに気づいていらっしゃらないのか、意に介さないのか、それは分かりませんが...
 そのⅠさんや、他のAさんのお気に入りの職員と思われる人たちと情報交換したところ、皆、同じように「あなたがイチバン!!」と言われていました
 Aさん、なかなか世渡り上手なのかな?と思ってしまいました。介護職員だって、介護を受ける方から好かれたら嫌な気がしません。それを「一番好き」などと言われたら尚更です。もしかしたらAさんは全てを計算ずくで何人かの職員を上手にノセているのかもしれません

 画像は本文とは関係ありません。東京・福生にある"Demode Heaven"というレストランの店内風景です。場所も米軍・横田基地のすぐ近くですし、アメリカの田舎のモーテルを意識したような店内と料理で、ちょっぴり異国の雰囲気を味わえます。
 雨が降る平日の夜に行ったのですが、他にはお客さんが誰もいませんでした。土日はお客さんで賑わうお店のようです。

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