中国不滞在記 in 神戸

行って見て聞いて考えた中国のこと

ゴーストマンション

2014年12月05日 | 内側から見た中国社会

大学の正門近くに、立派なマンションが立っています。

神戸の東灘にあるバブルのころに建設された豪華億ションに似ています。野茂選手もそこに住んでいたという話でした。今も住んでいらっしゃるのかもしれません。このマンションは御園という、まるで有馬温泉のホテルみたいな名前です。

この大学に赴任した昨年にはすでに完成していたようですが、いまだに人が住んでいる気配がありません。一階にはスターバックス、ワトソンズなどの外資系の店が軒を連ねていますが看板だけで中はガランドウです。

先日、たまたま前を通りかかると、巨大なワゴンに乗ったいかにも成金風のチャラチャラ一家が車から降りて門に入るところでした。いつもは誰もいないのですが、制服を来た係員がうやうやしくお迎えです。オーナーなのか、投資目的で見に来たのか、ともかくこのマンションは、誰も住まないまま朽ち果てるのではないでしょうか。

授業で、日本のバブルを説明して、中国のマンション価格は必ず暴落すると予言しても、学生は誰も信じてくれません。口々に「毎年毎年、値上がりしています。みんな早く住宅がほしいですから、下がるはずがありません。だから早く買わないとダメです。」とバブルの頃の日本のデジャブのようです。

都市部では、すでに一般庶民にはとても手が届かないレベルにあるマンション価格、それでも結婚のときには男親はお金をかき集め、マンションを買い与えるのであります。そうしなければ結婚できないのだそうです。ある学生の親は、息子が結婚したら、自分たちのマンションの名義を息子の彼女にゆずるという契約書にサインして相手の親に結婚を納得してもらったそうであります。もし離婚したら・・・自分たちの住む場所さえなくなるかもしれません。それほどマイホームをもつことは大事なので、住宅の値段が下がるはずがないのです。

しか~し

現実にマンションは余っている。上がったものは必ず下がる。そう中国人が思い始めたら、マンションは暴落するに違いありません。が、そのときは、世界経済が一挙にシュリンクするでありましょう。それを見越して賢明なワタクシは先月、中国から操作して株を全部売り払いました。リーマンショックの痛手が取り戻せたので、もう十分と思ったからであります。ところがそのあと上がるわ上がるわ・・・精神衛生にわるいので株式相場は見ないようにしています。

日銀が異次元の金融緩和で垂れ流したお金は、投資に回らず株式市場に流れ込み、サラリーマンや年金生活者の実質収入は減っているのに、株式市場だけが上がっています。こうなることはハナから分かりきった話であります。これは人為的に作り出されたミニバブルでありますから、ちょっとしたきっかけで一挙に凋むのは間違いありません。中国のバブル崩壊でもっとも打撃を受けるのは日本でありましょう。しかし・・・それはいつなのか・・・


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