今日は、外教公寓の玄関でクリスマスツリーの飾りつけ。
左の黄色のコートの方はお世話になっている外事処職員のFさん。いつも感謝である。
外事処の担当のF老師とM老師が来てくれて、子供たちと大きなツリーにオーナメントを飾っていた。ぼくは同僚のM先生と世話係の中国人老師の3人で食事会で参加しなかったが、
公寓に帰ってきたら、もうほとんど出来上がっていた。
子供がいる外教はきっと嬉しいことだろう。
ありがたいこってす。余り比較はしたくないけど、前任校とえらい違いだ。
異国で安い給料で働いている外教に、気を配ってくれる姿勢があるのとないのとでは
働く意欲も違ってくるやんか。
一昨日の3年写作(作文)の授業は、初めてディスカッションをした。
テーマは事実婚。第一週目は事実婚についての日本語の記事を紹介し、賛成、反対の意見文を
宿題にしておいた。第二週目はそれを添削して返却してから、優れたものを何篇か読ませて
意見を出させた。第三週目に賛成と反対に分かれて、討論開始。
司会は4年生と3年生の男子学生にしてもらった。討論参加者は13人全員女子学生ばかり。
意見がちょうど賛成と反対のほぼ半々に分かれていたので、みんなそれぞれ自分の意見を
素直に言うことができる。ディベートはあまり好きではない。論理的な立論の訓練にはなるのだろうが。。。
議論は白熱した、というか、もう喧嘩寸前といった状態。。。。
司会を抜きにして勝手に発言するは、途中でときどき中国語に切り替わるは、
司会は「先生、ケンカしています」と呆然と立ち尽くしている。
司会にアドバイスしている間も、猛烈なスピードと大声で意見が飛び交う。
ただし中国語だが。。。
何とか日本語にひき戻して意見が出なくなったところで終了。
反対:「中国人は保守派ですから、事実婚は受け入れられません」
賛成:「君たちは封建的です」
反対:「事実婚で生まれた未婚っ子(婚外子のことらしい)は法律の保護がありません」
賛成:「法律で認められています。知らないのですか」
反対:「未婚っ子は社会で認められません」
賛成:「この頃、たくさん未婚っ子が生まれているからみんな認めています」
反対:「事実婚はかんたんに別れてしまいます」
賛成:「きらいなら別れて新しい彼氏と結婚すればいいです」
反対:「じゃ、みんなは事実婚しますか」
賛成:「します」と数人が大きな声。。。(ほんまかいな)
ざっとこんな具合でその他、いろいろな意見が出たが、
司会の判定は事実婚賛成派に軍配が上がった。聞いていてもそう思えた。
もちろん論理は未熟だし、大体興奮しすぎだ。
日本の大学でこれをやったらどうなるだろうか。
もじもじして意見が出ないのではないかな。
そもそも白熱しないでしらける可能性大だ。
中国人学生はストレートで打てば響くところがあるから面白い。
日本の学生のように、響いているか響いていないかわからないより
教師としてはずっと楽しい。
後から学生に聞いてみると、ディスカッションを一回もしたことがないそうだ。
子供のころから詰め込み一辺倒の教育ばかりだし、自分で考えたりする時間も余裕も
なかった。今日、一緒に食事した中国人の先生は、
「学生は自分で情報を集めたり考えたりすることができません」
と仰っていた。
だから響く音は単純で、複雑な和音は出にくいだろう。
白熱教室になるのは当たり前かもしれない。
ぼくの学生時代は授業そっちのけでイデオロギー的なディスカッションばかりだったよな~
毎日が白熱教室だった。
もちろんぼくはだんまりだったけど。
討論授業は、中国の学生に切り込むカギの一つだと思います。これからの人材として必要な資質の一つ、一斉授業に慣れきっている、自分の意見を発表しようとしない、すぐ模範解答を借りようとする、等々、さまざまな理由からです。そういう意味で、この授業実践は、興味深いです。
これからもこのブログで発信されることを期待しています。