中国不滞在記 in 神戸

行って見て聞いて考えた中国のこと

中国の過酷な団体旅行-横店影視城-

2015年06月22日 | 内側から見た中国社会
あと2週間あまりでこの国ともおさらばであります。

というわけで、学生たちとのお別れイベントが立て続けに入る。

金曜日は2年生と食事会、土曜日は2年生2人と映画村、今日は私学3年生とのホームパーティー。明後日は本部3年との食事会。そのほかにも何回かありそうです。

旅順のことも書きたいけど、とりあえず横店映画村。




ワシの住んでいる浙江省の地方都市のすぐ隣にある横店という町、と思ったらバスで2時間以上、中国は広い。

昨日書いたように全国に名だたる抗日映画の生産地。

なぜ行きたかったかというと、抗日ドラマの撮影現場が見たかったからである。
しかしこの映画村のことを何も調べなかったのが間違いのもと。

映画村は一つではなく、時代ごとにいくつかの地区に分かれていたのだった。
しかも抗日映画は、郊外の野外で撮影されることがほとんど。。

行く前に団体旅行のパンフレットを見せられ、どの地区に行きたいかと聞かれて、しまったと思ったが後の祭り。
しかたなく秦王宮(映画「始皇帝暗殺」のために作られたセットらしい)と香港・広州街を指さしたのだが、学生は、これだけは外せないというのを見たら、なんと遊園地ではないか。

朝7時半に集合し団体バスにのって2時間かけて到着したと思ったら、東陽という町の中国木彫城というものすごく巨大な家具センターに連れて行かれ、そこで1時間半買い物タイム。いろんな家具があって楽しいけど、目的じゃないし。つまらんわ。。



昼ごろ、やっと映画村(影視城)に到着したが、そこはなぜかワシの指定した「秦王宮」ではなく、「清明上河図」という北宋の首都、開封を模した一角。清明上河図は、北宋時代の画家・張択端の素晴らしい名画で、細密な開封の街の描写で知られているが、まあ安手のセットであります。これなら3年前の反日デモの直後に行った開封のフェイクな町並みの方がよほど楽しい。といって不機嫌な顔を見せるわけにもいかず。。。

しかも、時代ごとに分かれたセットはそれぞれ別料金。
あこぎじゃありませんか。

一昨年の2月訪れた河南省の焦作の映画村は、すべての時代が一つセットになっているのでここよりおすすめです。


焦作影視城の巨大なセット。
真冬の映画村はほとんど人がおらずスモッグで覆われていたが、

古代衣装コスプレも楽しかった。
当時まだ2年生だった学生たちも6月に卒業した。

横店では、くっそ暑い中、3時間も過ごし。。

でも学生たちは楽しそう。

それから連れて行かれたのは、遊園地だった。



ウオーターワールドみたいな色々なプールと遊園地の併設。
いい年こいてメリーゴーランドや観覧車に乗る。

怖い〜、と2人とも目をつむっておりました。
観覧車で怖いって、、、

遊園地では学生たち2人は大はしゃぎであります。
自分たちが遊びたかったのね。

聞くと、子供の時にはまだこのような遊び場はなかったそうで、
「今の若い子たちがうらやましい」と。

そういうことでしたか。
まあその気持ちもわかる。
何せ、この国は10年であっという間に豊かになったのである。
親の世代は、貧しく働きづめで、ろくに遊びに連れて行ってもらえなかった。遊園地なんかほどんどなかった。そして中学校に入ってからというもの勉強ばかりで、ろくに遊んでいない。
だからアニメがお友達だったのであろう。

南海電車沿線のみさき公園や近鉄のドリームランドや京阪の枚方パークに連れて行ってもらっていたお坊っちゃまくんのオイラとは大違い。それが分ってからは、楽しむことに気持ちを切り替えた。

夕方からは、これでもかと言わんばかりのド派手なショー。
火と大音響とレーザー光線と派手なダンスが1時間。



それはそれでおもしろいのだが、北京オリンピックの開幕式が不評をかった理由が分かった気がした。



大学に帰着したのは深夜11時をかなり回っていて、
学生たちは寮の閉門に間に合わないと走って帰って行きました。

実に疲れた。

だが学生たちとの思い出が出来たからよしとしよう。

しかし、にほんじんのみなさんに言っておく。
横店に行くくらいなら、人の行かない古鎮を散策した方がずっとよい。

このチープなフェイクと遊園地とプールが、なぜ国家5星級景区とされているのか、
全く理解不能であります。

それに中国の団体旅行はもうこりごり。



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