中国不滞在記 in 神戸

行って見て聞いて考えた中国のこと

抗日神劇とコンバット、空の神兵。。。

2015年06月21日 | 内側から見た中国社会
さて、2年生のお誘いで、横店(héngdiàn)に行ってきた。

「先生、どこへ行きたいですか。」と聞かれて迷わず横店影視城と答えた。
聞かれたのは5月だったが、のびのびになって端午節に行くことになった。
期末試験目前、7月には初めての日本語能力試験もあるのに大丈夫なのか。

横店影視城は、中国で有名な映画撮影所。中国のハリウッドと呼ばれ(ほんまか)中国人なら誰でも知っている(と思う)。

とくにここで抗日戦争の映画やドラマが大量に作られている。
ウソかホントか知らないが、ここで主に作られた映画やドラマでこれまでに殺された日本兵は何と1億人を優に超えるそうであります。

中国に住んでおられる方ならご存知のようにマンガチックなのが多く、もはや厳粛で襟を正すべき愛国映画としてではなく、B級娯楽ドラマとして中国人民にこよなく愛好されておる。


まるで烏賊を裂くみたいに手刀で日本鬼子(日本兵)を真っ二つ。。。
あまりの残酷さに縮小しましたが、ここまでくると笑えます。
ご覧になりたい方はクリックされたし。


手榴弾を日本の戦闘機(陸軍戦闘機隼?)に投げつけて見事命中、撃墜。。
100m上空にどうやって? オリンピックに出ろ。

ところでワシが子供の頃、テレビでアメリカドラマが大流行り。


同世代の方なら誰でも知ってる『コンバット』
サンダース軍曹の率いるコマンド分隊の活躍。部隊はフランス戦線。軍曹の個性が光った。
音楽もリズムがよかった。


『ギャラントメン』こちらはあまり人気が出なかった。イタリア戦線だからか、色っぽいイタリア娘との恋物語が多かったな。

両方とも、ドイツ軍は抗日映画の日本軍と同じくまぬけ、正面ばかり見張っていて、いつも側面攻撃でやられる。少数の米軍が多数の優勢なドイツ軍と渡り合う。逆だろが!
ヒューマンなシーンが多かった。ワシは戦争シーンが大好きなので、恋愛なんかに興味はなく早く戦争初めてくれよと思った。

そういえば、『空の神兵』なんていう日本の戦争テレビドラマもあった。
スマトラ島のパレンバン油田に日本の落下傘部隊が降下し、オランダ軍と戦う物語。


今やったらどれだけ批判を浴びるか。
でもちょっと懐かしい。

抗日映画と状況が違うので比較してもしょうがないが、抗日神劇みたいな、あほらしい場面はない。

あまりのひどさに人民日報が批判。
以下「レコードチャイナ」の記事。(2015年5月26日)から引用。

中国共産党の機関紙・人民日報が、「歴史を侮辱してはならない」と抗日神ドラマを批判し た。

近年の抗日ドラマは、手で日本兵を引き裂いたり、女性の股の間から手りゅう弾を取り出し たりするなど、その荒唐無稽な内容に視聴者から批判が集まっている。人民日報は、「一部 のドラマは商業主義に走り、間違った歴史観、論理的におかしな描写、荒唐無稽なストーリー、大げさな人物設定と常軌を逸したセリフの“抗日神ドラマ”を次々と制作している」と指摘。「軽く受け取れば愚かで無知、重く受け取れば英霊に対する侮辱だ」としている。

これに対し、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)には多数のコメントが寄せられている。

「今じゃ抗日ドラマと聞いただけで吐き気がする」
「これと日本が歴史教科書を改ざんするのと、どこが違うんだ?」
「歴史は尊重しないとな」

「ではお聞きしますが、誰が放送を許可してるんでしょうか?」
「人民日報も見ていられなくなったか。でも、問題はこういうドラマを広電総局が許可しているってことじゃないか?」

「また身内同士でやってるよ」
「まったく、誰が歴史を無視してるか分かったもんじゃない」

「米国のドラマは放送許可しないくせに、こういうのは許可するんだから。無能さの表れだな」

社会主義国家でもこの程度の自由はある。
それに中国流ユーモアはけっこうおもしろいのです。

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