のぶひさの日記

生きていくのはいろいろあるね。出会いを大切に。また会えるといいね。

小津先生を観て

2004年11月28日 | 日記
ビデオにとっておいたドラマ「さよなら、小津先生」を観た。

いまの時代の空気を反映してるなあ、と感じた点が二つあった。
きっと、うちらの業界でも今後話題になると思う。

ひとつは、両親に「無視」という虐待を受け続けて、ついには自殺未遂をしてしまった女子高生がいて、学校が警察に届けるかどうかという場面。
現場の先生たちは、警察に届けるべきだと強く主張し、それが「普通」だろうという感覚。それに対して高校の理事長は、学校が責任をもって家庭内にまで入るのは不可能だし限界がある、だから児童相談所に報告するだけでとどめよう、と両者が激しく議論する。

いまを反映してるなと思うのは、「虐待が分かったから警察に届けよう」という行動が当然「普通」のこととして描かれ、児童相談所に通告することがあまり好ましくないと描かれている点だ。
なぜか「警察」が子ども関係の「専門」機関になってしまっている。
警察は犯罪を捜査する機関であって、虐待(犯罪を構成することもあるが、それはここではさておき)の専門機関ではない。「子ども」の専門機関は児童福祉の理念をもつ児童相談所のはず。
通常、子どもが虐待にあっていると判断されれば、教員には児童相談所に通告する義務がある。そして、児童相談所がその子の成長発達を積極的にサポートするという流れをとる。警察という発想は児童福祉にはない(はずだとわたしは強く思っている)。

もうひとつは、最後に母親が虐待を認め娘に謝罪するのだが、「お母さんもわたし以上につらかったんだよね、わたしが弱いのがいけなかったんだ」という台詞。
虐待の理由があきらかになったのはよかったのだが、結局は虐待される側も強くならなきゃというメッセージが読み取れてしまう。
虐待もいじめも、本人が悪いわけでは決して無い、ということがまだ社会に浸透していないんだなと感じた。

でもちょっとずつでも、社会が動いていることは確かだ。児童虐待に関しては。