ずっと気になっていた作品、それは連続テレビ小説『純情きらり』です。
DVD-boxを思いっ切って購入し、この1か月間かけてようやく全話観終えました。
もともと小説や映画などに感情移入しやすい人間なので、案の定、感傷的な気分になりました。
それも、あまりにも意外な悲しい幕切れだったので、より一層深い余韻を与えられた気がします。
涙する場面も何度あったことか・・・タオルが手放せない状態でした。
宮崎あおいさんって、本当に上手な演者やなあと改めて思いました。
初めのうちは朝ドラの主人公にありがちなステレオタイプの元気娘なのかと思いきや、
回を追うごとにこの桜子という人物は、落ち込んだり苛立ったりしている人たちの心にそっと寄り添い、背中を後押ししたり落ち着かせたりすることのできる思慮深い女性なんだということが分かりました。
真っ直ぐなのに繊細で、華奢に見えて説得力があり…
この稀有な存在感は宮崎あおいさんだからこそ表現できたものなのかもしれません。
彼女の他の作品もいろいろと観たくなりました。
あと、忘れてならないのはこの物語の軸となっている「芸術の大切さ」。
音楽奏者や絵描きがそれぞれに夢を抱いて懸命にその道に励もうとする姿に胸が熱くなりました。
戦争という過酷な時代背景が尚更、好きなことを強く思い実践し続けることの困難さと崇高さを浮き彫りにしていました。
夢中になって好きなものを好きなだけ描いていたあの頃の自分はどこに逝ってしまったんだろう…と、ふと思いました。
今は考え過ぎたりこだわり過ぎたりして…それに嫌気がさして遠ざかっているところが多分にあります。
それでも、せっかく「できること」の選択肢がこんなにも広がっている時代なんだから、消費者として甘んじて生きていくだけではもったいない…
これからの自分に何ができるかなんて全然分からないけれど、時間が許す限り「ものづくり」をして生きていきたいなあと思いました。