いわさきあきらの音人的生活

京都のキーボーディスト岩崎明のブログです。音楽の知識、機材の紹介、日記など。

「東京大学のアルバート・アイラー ~キーワード編~」

2009年08月28日 | 音楽記事


東京大学のアルバート・アイラー(東大ジャズ講義録・キーワード編) 菊池成孔+大谷能生著(文庫版)


 前回、とりあげた、

「東京大学のアルバート・アイラー」

 その後編は、「キーワード編」です。


 20世紀以降、最も、音楽というものに影響を与えた、
 黒人音楽、そして、その中心であった「ブルース」、

 そして、リズムの本質を考える「ダンス」、

 ジャズの真髄ともいえる「即興」

 そういった、キーワードをテーマにして、
 この本は、ジャズを、いや、音楽そのものを深く掘り下げて行きます。


 当然、理論だったものがはっきりしていると思っていたブルースが、
 実は、バークリーメソッドでは、解析しきれていない、
 という事実には驚かされたり、

 バークリーメソッドに対抗(?)する、
 リディアンクロマティックコンセプトという理論の存在や、

 ブルースを下方倍音という概念で説明しようとする
 日本人ミュージシャンの存在など、

 今まで、当たり前だと思っていた音楽の常識が、
 かなり揺さぶられる話が満載です。


「キーワード編」の方が、難易度もかなり高くなっているように思いますが、
 とりあえず、上下そろえておいて、
 自分の音楽的成長とともに、読み進めて行くのが、
 いいんじゃないでしょうか?
 

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「東京大学のアルバート・アイラー ~歴史編~」

2009年08月26日 | 音楽記事


東京大学のアルバート・アイラー(東大ジャズ講義録・歴史編)菊池成孔+大谷能生著(文庫版)


 ジャズ・ミュージシャン、菊池成孔と大谷能生が、
 東京大学の一般教養の講座で、
 ジャズを歴史的な視点から解説した講義を
 まとめた名著(だと思います)の文庫化されたものです。


 ジャズが中心ですが、
 正確に言えば、バッハ以来の「平均律」から「バークリーメソッド」
 そして「MIDI」へと至る、
 音楽の記号化の歴史です。

 と言っても、一体なんのことかわからないと思いますが、
 これは、この本を読んでもらえば、
 わかると思います(たぶん・・)。


 けれど、東大生に向けての講義ですから、
 やはり、難しい。

 菊池成孔氏が、主に講義を展開していきますが、
 この人の使うことばが、難しい、けれど、カッコいいんですが、
 ジャズのビバップを言葉でやっている、
 と言っても、やっぱり何を言ってるかわからないかもしれませんが、
 この本を、読んでもらえば、
 わかると思います(たぶん・・)。


 ある程度、ジャズを聴いていて、
 音楽の理論的な知識があれば、
 ムチャクチャ、面白い本なんですが、
 人によっては、さっぱりわからないかもしれません。

 けれど、あえて言います。

 これは、音楽をやっている人は、
 読んでおくべき本である、と。


 私は、人に借りてこの本を読んだのですが、
 今回、文庫化されているのを発見して、すぐ買いました。

 

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思い出のシンセ・機材「YAMAHA SY99」

2009年08月24日 | 思い出のシンセ・機材 ~シンセ編~
 SY99は、自分では持っていたことはないんですが、
 教えに行っている会場の備品で、今でも、使っています。

 前回の「SY77」の記事でも書きましたが、
 SY99は、名機だと思います。

 今のシンセに比べれば、音の高音部の伸びがありませんが、
 言い方を変えれば、
 中域がしっかりして、ドッシリした音です。

 ピアノ、エレビ、オルガン、シンセリード(SAW LEAD系)などの
 基本音色は、個人的にかなり好きです。

 ただ、サンプリング系のストリングス、ブラスは弱い。

 DX7IIであった、音がむちゃくちゃ太くなる
 ユニゾン・ポリ・モードがなくなっているのは(SY77も)残念ですが、
 バンヘイレンの「ジャンプ」で有名なオーバーハイムのシンセブラスは、
 かなり、近い感じで(名前も「Pumped」)仕上がっています。


 幅が広い、ピッチベンド・ホイールと、
 同じく幅の広い、アサイン可能な
 二つのモジュレーション・ホイールがある76鍵のこのキーボードは、
 大きさにしても、まさに、「王者の風格」をかもし出していました。

 けれど、「王者」っていうのが、
 また、扱いづらいっていうのは、機械も人も一緒でしょうか・・


 発売当時は、定価42万円。
 メモリーなどを増設すれば、50万円を越えていたと思います。

 SY77、そしてTG77の不満点が解消されたSY99でしたが、
 SY77でも、すでに約30万円ほど使っていたので、
 SY99が出た頃には、
 気力、財力とも、残っていなかったキーボード弾きは
 多かったのではないかと、思います。

 完成度の割には、(値段設定もあったのでしょうが)
 それほど、評価が得られなかったイメージがあります。

 それと、約20Kg、ハードケースに入れれば約30Kgという重さと、
 普通の車のバックシートでは乗らない横幅のために、
 ライブでは、使いづらい機材だったことは確かです。

 SY99の音源モジュールが出ることを期待していたんですが、
 結局、出なかったのが、残念です。


 王者は今も、レッスン会場のモチーフの横で、
 その風格を出し続けています。



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思い出のシンセ・機材「YAMAHA SY77」

2009年08月21日 | 思い出のシンセ・機材 ~シンセ編~
 80年代の半ば頃からだったでしょうか?
 
 一世を風靡していた、DXのきらびやかなFM音源サウンドにも
 陰りが見え始めました。

 それは、生楽器をデジタルで録音、再生する、サンプラーの登場です。

 そして、サンプリング音源、シーケンサー、エフェクターなどが、
 ひとつになった、オールインワン・シンセ、
 KORG M1 の大ヒットで、
 シンセは、新たな時代へと入って行きます。


 そんな中、1990年に、YAMAHA 起死回生の一打、
 SY77 が発売になりました。


 FM音源を進化させた、AFM音源と、
 ヤマハのサンプリング音源方式のAWM音源を合体、
 大容量のシーケンサーや、
(KORG M1では、1曲入れるのも大変だった)
 音色やシーケンスデータを保存できるフロッピードライブ、
 などを一台にまとめたオールインワン・シンセ、
 それが、SY77でした。

 
 けれど、このSY77、
 どうもかなり急いで仕上げたような気がします。

 ヤマハの最も売りである、ピアノの音がもうひとつで、
(サンプルのつながりが悪く、鍵盤の途中で急に音が変わる所がある)
 プリセット音も、不満の残る出来具合だったような記憶があります。

 プリセット音は、SY77の音源モジュールTG77で、ずいぶん良くなり、
 ピアノ音は、後に発売のSY99で、バツグンによくなりました。

 SY77とSY99、
 このふたつのシンセは、61鍵と76鍵という
 鍵盤数の違いは、あるんですが、
 全く、別物と言っていいぐらいの完成度の違いがあります。

 今、中古で買うなら、
 ちょっと高くても、SY99を買うべきだと思います。

 SY99は名機です。
 ピアノ、オルガン、シンセリードの音などは、
 今でも充分使えます。
(エフェクトでは、ロータリーエフェクトが良い)


 SY77は、ヤマハに裏切られた感、が強かったですね。
 
 それでも、シーケンサーの使いやすさはバツグンで、
 これをメインのシーケンサーにして、
 音源をつないで、鳴らしたりしていました。

 もちろん、本物のFMエレピも魅力的です。
 FMだけにしぼるなら、
 SY77は、良い機材だと思います(エフェクターもありますし)。


 ただ、SY77、SY99ともに、エディットが、かなり複雑なので、
 一般的には、(特に初心者などには)
 とっつきにくいシンセだったと思います。

 そういうわけもあったのでしょうか、
 FM音源は、SYシリーズを最後に一旦、消え去ります。

 そして、時代は、サンプリング音源、
 そして、オールインワン・シンセ中心に移って行きました。



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デジタルとアナログ 最終回

2009年08月19日 | シンセことば
(写真は、YAMAHA EOS B2000。1998年発売。小室哲哉プロデュースのシンセで、鍵盤のすぐ上にある8つのパッドにサンプリングして、効果音的に音を出すことができた。私の教えているレッスン会場では今も現役で、音、使い勝手両方にすぐれたキーボードだ。スピーカー搭載で重いのが難点)


「デジタルとアナログ」も今回で、終わりですが、
 書き出すと、いろんなことが、思い浮かんで、
 結局、全6回になってしまいました。


 デジタル・オーディオの特徴としては、

「リミットがある」

 というのもあげられるでしょうか。


 なるべく大きな音で入力する方が音がいい、
 というデジタルの特徴があるんですが、
(極小音量では歪んでいるという説もあります)
 音の容量と言いますか、大きさには、
 リミットがあります。

 なので、ピーク成分(急に音が大きくなる部分)を
 コンプレッサー、リミッターなどで押さえて、
 なるべく大きな音になるように音を入れます。

 マスタリング、という言葉を聞いたことがありますか?

 CDを作る時の最終段階なんですが、
 ここでも、そういう処理が行われます。

 最近は、マスタリング技術が発達してきているので、
 CDの音量がどんどん大きくなっています。

 2000年以前に発売されたCDと
 最近のCDを聞き比べてみると、
 あきらかに、音量が大きくなっているのがわかると思います。

 ただ、こういう処理(トータル・コンプと言います)を
 しすぎると、音が平坦で、聴いていて疲れることになります。


 では、アナログはどうだったかというと、
(もちろん、コンプレッサー処理もあったのですが
 ピークを完全に押さえるのは難しかったようです)
 レコードなどでは、溝を掘っていく時に、

 大きな音の時には、溝が大きくなるので、幅をとって、
 小さな音の時には、溝が細くなるので、つめて掘る

 みたいな職人技で、作られていたんですね。


 テープなどでは、過大入力があると、 
 自然にコンプレッサー的に音を抑える効果があって、
(これをテープ・コンプと言います)
 それが、自然な歪みと相まって、
 音楽にパワー感を与えていました。

 そして、デジタルになって、気づいたことは、
 
「ノイズと歪みが大事」

 ということです。

 アナログ時代は、なんとか避けよう、避けようとされていた
 この二つの問題児が、
 実は、音楽にパワーを与えていた、というのが、
 そういうものがほとんどないデジタルを通って、
 わかってきたわけです。


 アナログ時代は、
 デジタル、というハイファイを目指していたのですが、
 今は、
 アナログの風味をデジタルが真似しようとがんばっている。

 そんな、皮肉なことになっています。


 ありきたりな言葉で終わりますが、

 音楽は、音は、深いです。



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デジタルとアナログ その5

2009年08月17日 | シンセことば
(写真は、AKAIのサンプラー、S1000。ようやく手の届く、と言っても数十万、特に、メモリーがやたら高かった。フロッピーが標準なので、ロードに時間がかかった。)


 アナログとデジタル、
 どちらが音がいいかと言われれば、
 これも難しい問題で、
 けれど、同じ値段なら、
 デジタルの方がよく聴こえるんじゃないかと思います。


 それよりも、大きな違いは、

「質感」

 です。


 私もデジタルレコーダー以前は、
 マルチトラックのオープンテープを使って、
 音楽制作をしていましたが、
 例えば、ギターなどは、
 テープで録った方が、音が深くて良い音になります。

「味わいある音」

 とでも言うのでしょうか、
 これは、アナログシンセとデジタルシンセの違いでもあると思うのですが、

「なんだか、味わいのある音」

 になるんですね、アナログは。


 アナログしかなかった頃は、
 その音の変化がイヤで、
 デジタルがでてきて、
 最初に、DAT(デジタルオーディオテープレコーダ)を使った時は、
 感激したものです。

 けれど、その音の変化する良さというものが、
 デジタルが一般的になると、またほしくなるわけです。


 それで、ハイ・ファイ(高音質)に対する、
 ロー・ファイ(低音質)の音楽がでてきたりします。

 つまり、ロー・ファイ音楽は、音のスペックよりも、
 音の「質」、「雰囲気」にこだわった音楽と言えると思います。


 クインシー・ジョーンズのエンジニアは、
 一度、テープに入れていから、その後、デジタルにして編集する、
 というやりかたをしているらしいです。
(これは、ハイファイの中での、「質感」の取り入れですね)


 デジタルが発達してきても、
 アナログの雰囲気を出すのは難しいようですね。


 それでも、デジタルの中で、
 アナログのシュミレーションもどんどん発達していますし、

 最近、真空管という、昔のアンプ方式がヒットしているのも、
 そういう、質感を求めているのだと思います。

 単純に、音を記録するだけ、と言っても、深いものがあります。


 次回は、デジタルとアナログの最終回です。


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デジタルとアナログ その4

2009年08月14日 | シンセことば
(写真 Emulator イーミュレーターは、バンドで使える元祖サンプラーと言えるキーボード、それでも、価格は、約300万円、細野晴臣が持っていた)


デジタルとアナログについて、書いてきましたが、
実は、最終的に聞こえる音は
すべて、アナログです。

当然、デジタル、つまり数字のままでは、
それを保存することはできても、
音として、聞くことはできないわけです。


デジタル・データをアナログの電気信号にして、
音として聴こえるようにするには、

D/Aコンバータ

というものが必要になります。


つまり、

D(デジタル)をA(アナログ)にコンバート(変換)

する装置です。


このD/Aコンバータ、値段もピンからキリまであって、
出てくる音のクオリティも、もちろん違ってくるわけです。


これとは逆に、アナログをデジタルに変える装置もあります。

A/Dコンバータ

です。


パソコンに音を取り込む時に使う、
オーディオ・インターフェイスというものが、
この機能を持っているわけです。


アナログ電気信号をデジタル情報に変えることを

サンプリング(標本化)

と言います。


サンプリング機能を持った、キーボードを
サンプラーと言います。


前回、お話しした、44,1kHz(サンプリング周波数)というのは、
このデジタルに変換することを
どれぐらいの細かさでやるか、ということを表しています。


44,1kHzは、kが1,000なので、言い直せば、441,00Hz です。
1秒間に、441,00回の細かさで、
デジタル変換をしているということになります。


前に、周波数(フリーケンシー)の話をしましたが、
この場合は、音の周波数とは、また違います。

けれど、無関係ではなく、44,1kHz の約半分の音の周波数、
20kHz(人が聴こえると言われる最高の音の高さ)まで、
記録することができると言われています。


けれど、実は人は、20kHz以上の音が聞こえるということがわかっていて、
最近では、98kHz や196kHz のサンプリング周波数を見るようになってきました。

なので、CDのサンプリング周波数も上がるという話もありますが、
(実際に、98kHzで録音したCDも発売されているようです)
ほとんどの人にとっては、そこまでのクオリティは求められていないように思います。

そのあたりに関しては、また次回に。



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デジタルとアナログ その3

2009年08月12日 | シンセことば
(写真は、元祖サンプラーのフェアライトCMI 当時の価格は約1200万円
 アート・オブ・ノイズが使ったオーケストラ・ヒットの音色が有名)


 今回は、デジタル(DIGITAL)です。


 デジタルは「数(DIGIT)」である、と言いましたが、
 電気を数で数えるって、どういうことでしょう?

 ちょっと、難しそうですが、
 いっしょに考えてみましょう。


 電気で信号を送ろうとする時、
 電気のオンとオフという2つの状態があります。

 例えば、2つの電球をイメージしてください。
 これで、いくつの情報を送れるかと言えば、
 ○→点いている(オン) ●→消えている(オフ)として、

 ○○  ○●  ●○  ●● 

 と、4種類の情報が送れます。



 では、3つの電球ではどうでしょう?

 ○○○  ○○●  ○●○  ●○○
 ●●○  ○●●  ●○●  ●●●

 と、8つの情報が送れます。
 電球2つの時の倍になっていますね。



 4つになると、16種類。
 5つになると、32種類。
 6つになると、64種類。
 7つになると、128種類。
 8つになると、256種類。

 と、電球が1個増えるたびに、倍の情報が送れるようになります。


 シンセなどの音色数が、16→32→64→128 という数で増えてきたのも、
 MIDIデータが、例えばボリューム最高の値が
 127というなんだか中途半端な数になるのも、
(0が入るので、127が最高になって、全部で128段階)
 こういう電気の数え方(2進法といいます)のせいだったんですね。


 この電球1個が、コンピュータでは、1ビットになります。
 8ビットでは、256の数が扱えるわけですね。


 デジタル・オーディオ(サンプリング)で、
 音質の決め手となるのが、このビット数です。

 サンプラーなどは、
 8ビット → 12ビット →16ビット

 と進化してきました。

 8ビットと16ビットは、単なる倍ではなく、
 ものすごい数の違いになることがわかりますか?


 ちなみに、CDの規格は、

 16ビット 44.1kHz(サンプリング周波数)

 となっています。


 次回は、デジタル録音のもう一つの決めての
 サンプリング周波数について、説明してみたいと思います。



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デジタルとアナログ その2

2009年08月10日 | シンセことば
(写真は、テクノ系に今でも人気の高い
 ローランド JUNO106、DCOタイプのデジアナシンセ)


 アナログとデジタル、
 わかっていそうで、いざ説明するとなると、むつかしい言葉です。


 大きな意味で言えば、

 アナログは「量」、デジタルは「数」、です。


 電気は普通、「電力量」のように「量」で表します。

 これはつまりアナログです。
 
 そして、電気を「数」として、処理するのが、デジタルなのです。

 つまり、電気をいったん数字にして、
 処理したり、記録したりするのが、デジタルです。



 まず、アナログ・シンセから説明します。

 オーソドックスなアナログ・シンセは、
 基本的には、次の3つのパートからできています。


 VCO(ボルテージ・コントロールド・オシレータ)
 →発振器、つまり、音を出すところ

 VCF(ボルテージ・コントロールド・フィルター)
 →フィルター、音色を加工するところ

 VCA(ボルテージ・コントロールド・アンプ)
 →アンプ、音量を加工するところ


 アナログ・シンセは、電圧(ボルテージ)でコントロールするために、
 VCという文字が入っています。


 コンセントの電気は、かならずしも一定ではないために、
 ピッチ(音程)が揺れたり、
 また、シンセ本体があたたまってきたら、
 ピッチが高くなったりしました。

 それを解決したのが、オシレータの部分だけをデジタルにした、
 いわゆる、デジアナ・シンセです。

 このシンセの場合、オシレータ、つまり、発振器は、

 DCO(デジタル・コントロールド・オシレータ)

 と呼びます。


 けれど、音程の不安定さは、アナログ・シンセの
「揺れ」や音の分厚さといった長所にもなっていたわけです。

 ただ、アナログの発振器より、デジタルの発振器の方が、
 安く作ることができたみたいで、
 このあたりから、シンセというものが、
 身近なものになってきました。

 次回は、デジタルについてです。



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デジタルとアナログ その1

2009年08月07日 | シンセことば
(写真は、その後のシンセの規範となったアナログシンセ、ミニ・モーグ。
 その音の太さで、現在でも中古市場で高い人気を誇る)


 最近は、デジタル・シンセという言葉は
 聞かれなくなりました。
 なぜなら、最近のシンセは、
 ほとんどデジタルだからです。


 バーチャル・アナログシンセ
 というものが最近出てきました。

 アナログシンセをデジタルで再現した、というシンセです。


 デジタルシンセというのは、
 例えば、初期のデジタルシンセのDX7では、
 全部のパラメーターを数値化して入力するので、
 シンセの音作りの構造がわかっていないと、
 音作りが難しかったのです。


 その点、昔のアナログ・シンセは、
 つまみをクルクルと動かすことにより、
 直感的に音作りができたわけです。

 なので、バーチャル・アナログ・シンセというのは、
 そういう、直感的に動かせる
 ツマミなどをつけて、
 さらに、音もアナログシンセっぽく、したシンセ
 という風に言えると思います。
 

 ところで、アナログとデジタルって、
 今さらなんですが、違いがわかりますか?

 
 これから何回かに渡って、
 基本知識として、

 デジタル
 と
 アナログ、について

 自分で頭を整理する意味も含めて、
 書いていきたいと思います。



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