いわさきあきらの音人的生活

京都のキーボーディスト岩崎明のブログです。音楽の知識、機材の紹介、日記など。

☆シンセ・キーボード講座 009「キーボードの選び方 その 9」☆

2013年05月29日 | シンセ・キーボード講座

 

ここで、ちょっと注目されている海外ものも見ておこう。

 

軽量化、高音質、ハイ・デザイン性という点では、

Nord(ノード)が先駆けと言えるだろう。

 

プロ、アマチュア問わず、テレビ、ステージなどでよく見られる

例の赤いキーボード、なんといってもそのデザインがいい。

写真は、Nord Electro 4D  (61鍵)、約7.7kg。

 

Nord のもうひとつの魅力は重量。ただ海外製品なので価格は高め。

KORGが日本での販売を手がけるようになってから価格は下がった。

それでも、Nord Electro 4D で、19万円前後と価格帯は高級機だ。

 

 

海外製品は、やはり日本製品とは発想が違う。

音色セレクト エディット、ディスプレイ にしても、けっこうとまどうことが多い。

音色に関しても、クセがある感じだ(それが魅力ともいえる)。

 

Nord系はオルガン、シンセ系の音に魅力がある。ピアノは個人的にちょっと使いにくい音。

音色のバリエーションは少ない。

フラッシュメモリーに波形を読み込んで、音色を増やすこともできるようだが、

初心者にはむずかしいかもしれない。

 

ディスプレイも数字のみのLEDで、ある意味直感的に使える方に重点がおかれている。

 

このデザインが気に入って、ピアノ、オルガン中心で使うのなら、Nord はありだろう。

(Nordでシンセ音を巧みに使っている強者もいる)

 

これから日本のシンセメーカーに求めるのは、やはりデザイン性 だ。

それと、高音質のシンセ・キーボードはどうしても重くなってしまうので、

高音質でありながら軽い(できれば5kg台) ものがほしい。

 

それらのものがクリアされるなら、シンセ・キーボードはもっと盛り上がるに違いない。

 

 

   HP. http://noanoaai.com/        by  NOANOA AIR / Akira Iwasaki




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☆シンセ・キーボード講座 008「キーボードの選び方 その8」☆

2013年05月25日 | シンセ・キーボード講座

 前回まで、最新の中堅機種、入門用機種をレビューしてきたが、今回は、ひとつ前ぐらいの機種について見てみよう。

 

 最近のシンセ・キーボードは、どちらかといえば、パソコンや携帯電話などに近い。

 だから、最新の機種であるほど、メモリーや機能などもアップしている。

 

 ただ、やはり楽器的な側面もある。

 

 カタログ上のスペックだけを見ると上でも、実際に弾いてみると、以前の方が「音が好み」ということもある。

 

 ただ、あまり古い機種だと、部品の製造が終了していて、修理ができないものも多いので、キーボードに精通している人でないかぎり、なるべく新しいものを選ぶ方がいいだろう。

 

 

 知人からもらう、あるいは、安くゆずってもらう、ヤフオクなどで手に入れる、あるいは、在庫処分品などを買う場合の参考にしてほしい。

 

 ちょっと前といえば、KORGX50が、とにかく軽くて(4.3Kg)、値段も安く、それでいて普通に使えるという意味では、よかった。鍵盤タッチが悪い、という評価もあるが、私はそれほど気にはならなかった。

 

 KORGM50は、値段のわりに音質もよくて、音にこだわる人にはいいと思う。

 

 YAMAHAなら、MM6だが、個人的には、デザインが好みではない。シーケンサーもついているが、あまり使いものにはならない感じだ。

 

 Rolandは、JUNO以前だと、XPシリーズになるが、これもかなり前になるので、ちょっと今買うには、スペックや音質などで物足りないと思う。

 

 

                                       by  NOANOA AIR



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☆シンセ・キーボード講座 007「キーボードの選び方 その7」☆

2013年05月23日 | シンセ・キーボード講座

今まで、

 

中堅機種(MOX、JUNO-G、KROME) 10万円前後/61鍵~

入門用機種(MX、JUNO-D、KROSS)~7万円前後/61鍵盤~


をいろいろ見てきたが、このあたりでまとめてみよう。

やはり、可搬性とクオリティのバランスで、中堅機種がオススメだ。

 

ピアノ、エレビ系中心なら、YAMAHA MOX6

オルガン、シンセ系中心なら、KORG KROME61

 

 

 

見た目で、Roland JUNO-Gi、だろうか。

 

綜合的には、やはり最も新しい、KORG KROMEが、

メモリー容量、カラーディスプレイ、タッチパネルなどで、

ちょっと有利な気がする。

 

私の個人的な見解なら、YAMAHA MOX76鍵がほしいところだ。

逆に、KORG KROMEには73鍵がある。

 

ピアノ系で左手もオクターブでガンガン使うけれど、

ピアノタッチでは運ぶのがつらいという人には、

KORG KROME73は、いいかもしれない。

 

音はもちろん「好み」なので、結局のところ実際に試奏してみるのが一番だ。

その際、注意するのは、つないであるアンプ、スピーカーなど。

アンプ、スピーカーなどの大きさ、質によっても音は変わるので、

いくつかのお店で、アンプ、スピーカーを一応チェックしながら試奏するのがいい。

ヘッドフォーンで試奏させてもらうのいいだろう。

 

メーカーホームページなどの写真と実際に見るのとでは、

違いを感じることもあるので、

できれば、実際に見て、さわってみることをオススメする。

 

 

ただ、中堅機種は軽いと言っても、女性にはちょっとつらいかも。

さらに、予算などの問題もある場合は、YAMAHA MX61だろう。

 

ただ、KORG KROSSがもうすぐ発売されるので、

 

できれば、それも確認してから決めるのがいいだろう。

 

 

 

                           by  NOANOA AIR


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☆シンセ・キーボード講座 006「キーボードの選び方 その6」☆

2013年05月20日 | シンセ・キーボード講座

今日は、「波形メモリー」 について、です。

 

 

 

355MB相当(16bitリニア換算)、2670ウェーブフォーム


という呪文のような言葉が並んでいます。



355MB(メガバイト)はなんとなくわかりますね、メモリーの量です。

 

16bit(ビット)デジタルの音の質のことで、リニアとは「圧縮していない」ということ。

(通常のCDは16bit、44.1kHで記録されています)

 

ウェーブフォーム「波形」。つまり、サンプリング(デジタル録音)された音の数です。

 

 

ちなみに、YAMAHAMX61では、 166MB となっています。

やはり、上位機種MOX6の方がメモリー量が多いですね。



KORGKROME(クローム)を見てみましょう。

 

KORGのホームページからKROMEのページへ行きます。

 

KORGでは「仕様」ではなく、「SPECIFICATIONS」となっています。

 


YAMAHAでは「波形メモリー」でしたが、KORGでは「PCMメモリー」になっています。

 

メモリー量は、3.8GB(ギガバイト)

 

これは大きいですね。YAMAHAのMOX6の10倍以上あります。

KORGは、サンプルに相当力を入れているようです。


マルチサンプル、ドラムサンプルは、YAMAHAで言うウェーブフォームのこと。

あわせて、2663サンプルです。

 

 

ちなみに、新機種KROSSは、112MBです。

 

 

Rolandでは「仕様」は「スペック」

 

JUNOのページを見てみると、


128MB(JUNO Gi)


64MB(JUNO Di)

 

この中では、比較的前に発売された機種だけにメモリー量だけ見ると少なく感じます。

 

 

ただメモリー量で音の善し悪しがすべて決まるわけではありません

 

あくまで参考程度にして、実際に自分で音を聴いてみて、判断するのがいいでしょう。

 

今回も数字がたくさん並んで、頭からケムリが出かけてる人がいるかもしれませんが、

こういう数字に慣れていくとカタログを見るのも楽しくなりますよ。

 

 

                              by  NOANOA AIR



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☆シンセ・キーボード講座 005「キーボードの選び方 その5」☆

2013年05月17日 | シンセ・キーボード講座

 

それでは、それぞれの機種を比べていってみましょう。

その時に、参考にするのが、製品のスペック(仕様)です。

 

実際に、YAMAHAのMOX6を例にとって見ていきましょう。

 

YAMAHAホームページら、

 

製品情報 → 音楽製作機器 → シンセサイザー → MOXシリーズ → MOX6


とたどって行き、「仕様」をクリックします。

  → YAMAHA MOX6のページ(ここから直接行けます)

 

※実際の仕様のページ。クリックして拡大してください。

 

 

「サイズ/重量」は、わかりますね?

 

 

「操作子」「セミウェイテッド」「イニシャルタッチ」が、

なじみのない言葉かもしれませんね。

 

「セミウェイテッド」は、

「シンセなどに使われるオルガンタッチの鍵盤に少し手応えをつけた鍵盤」

 といえるでしょうか。61鍵のシンセの中ぐらいのレベルと言えます。

 ※この他に、ピアノ・タッチ(MOX8ではGHS鍵盤)があり、これは普通のピアノに近い重さの鍵盤です。

 

「イニシャル・タッチ」というのは、

「弾く強さによって、音の大きさが変えられる鍵盤であるかどうか」

ということです。「Yes」とありますから、音の強弱をつけることができます。

 

 

 

そして、いよいよ音源部」。これがシンセのスペックの中心になります。

 

 この中で、注目するのが、「最大同時発音数」「波形メモリー」です。

 

 

「最大同時発音数」は、その名前の通り

「一度に鳴らすことができる音の数」です。

 

「64音」というと、かなり多いように思えますが、

ひとつの音色(YAMAHAの場合、ボイス)は、

いくつかのエレメント(ボイスを構成する音)を重ねて作っている場合も多く、

例えば、2つのエレメントでできていれば、

半分の32音が実際の同時に鳴らせる音になります。

 

それでも、普通の演奏の場合はほぼ問題はないのですが、

シーケンサーを使った音楽制作をこれ一台でするとなると、

曲によっては、ちょっと苦しいかもしれません。

 

よほど音を重ねないかぎり、問題はない音数ですが、

「64音」というのが、どの音でも出るのではない、

ということはおぼえておいてください。

 

あくまで「最大」ということです。

 

 

次回は、「波形メモリー」について、です。

 

                           by  NOANOA AIR


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☆シンセ・キーボード講座 004「キーボードの選び方 その4」☆

2013年05月15日 | シンセ・キーボード講座

 この講座のために各メーカーのホームページを見てみると、

 なんだか、盛り上がってきてますね。

  61鍵のライブ用軽量シンセ

 シンセ・キーボードブームがきつつある予感がしますね。


まずはYAMAHA から。

ピアノ、エレビ系がナチュラルなスタンダードな音の印象のメーカーです。


 MOX6 (重量7.0kg) 9万円台

 その下位機種の最近発売されたMX61(重量4.8kg) 7万円前後

   

 

そして、Roland

見た目もサウンドもきらびやかなシンセという印象のメーカー。

アマチュアの定番といっていいかもしれません。JUNOシリーズ。


JUNO-Gi(重量5.7kg) 9万円前後

   

JUNO-Di(重量5.2kg) 7万円前後

 

 

そして、KORG

個性的で面白いシンセを色々出しているメーカーです。

しっかりした音でオルガン系が私は好みです。

 

KROME(重量7.2kg) 10万円前後 

 

KROSS(重量4.3kg) 7万円前後  ※2013年6月下旬発売予定

 

と、いったところでしょうか? 

それぞれの画像リンクは楽天の参考価格です。

メーカーのシンセ・キーボード・ページにもリンクしてあるので、参考にしてください(メーカー名をクリックしてください)。


注目は、KORGの新製品、KROSS。

X50の後継機種でしょう。X50もとにかく軽くて値段のわりに音も良く、オススメだったのですが、これはどうなんでしょうか? 流行の赤もデザインに加えられていて実物をさわるのが楽しみです。

 

京都近辺の方は、私のお世話になっている、

京都のJEUGIA楽器店で、購入いただけるとうれしいです。


ただ、これだけでは、まだよくわからないと思います。

次回は、それぞれの機種について、違いなどをもう少しくわしく見ていきましょう。


                           by  NOANOA AIR


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☆シンセ・キーボード講座 003「キーボードの選び方 その3」☆

2013年05月13日 | シンセ・キーボード講座

「キーボードは何を買えばいいでしょうか?」

 という質問は、キーボード初級者で、

 バンドをこれからやる(最近やり出した)という人が多い。

 

 基本的には、61鍵のライブ用軽量シンセ(10万円以内)を選ぶのがいいだろう。

 

 もちろん、本格的なシンセ・ワークステーション系(2~30万円)から選ぶのもアリだ。

 ただ、これらは機能、音はいいのだが、重く、最近のものは起動時間がやたらと長いモノが多いので、対バンなど、早い転換を求められるアマチュアにはちょっとツラいかもしれない。

 

※写真は、5月5日の京橋ベロニカ、ロレックスバンドでのセッティング。下は、デジタル・ピアノ、Roland RD700EX(88鍵)、上はMOX6(61鍵)。MOXは、オルガン、ブラス、ストリングス、SE、シンセリードなどの音を、RDはピアノ、エレキ・ピアノ(Hit Rhodes)を使う。RDは、ライブハウスやスタジオにある定番のピアノタッチの専用キーボード。

 

 日本の代表的なシンセ・キーボードのメーカーは、

 

 YAMAHA(ヤマハ)

 Roland(ローランド)

 KORG(コルグ)

 

 の3社。とりあえず、この中から、選ぶのが無難。

 

 CASIOもあるが、ちょっとマニアックかな。

 海外メーカーは個性が強いので、最初は避けた方がいいかも。

 

 ただ、音楽はセンス、なので、

 

 見た目が好き!

 

 というものを選ぶのが、一番いい。

 

 ただし、専用機(アナログシンセの音しか出ない)ということもあるので、自分の用途に合ったものか、確かめること。

 その際、この講座が役に立ってくれると、うれしく思う。

 

 次回から、実際の機種を見ていこう。

 

 


☆シンセ・キーボード講座 002「キーボードの選び方 その2」☆

2013年05月12日 | シンセ・キーボード講座

実際の機種を見ていく前に、

チェックしておきたいことがあります。

 

1. 鍵盤の大きさ

2. 鍵盤数

3. 重量

 

の、三つです。

 

鍵盤の大きさには、標準鍵盤ミニ鍵盤があります。

ミニ鍵盤は、安価なキーボードによくあります。

なるべく、標準鍵盤をオススメします。

※この講座では、標準鍵盤を扱います。

 

 

※KORG SV-1は、ピアノタッチで73鍵というあまりない鍵盤数。私、イワサキはこれの赤を使っている。

 

 

鍵盤数とそれぞれの特徴は、

 

61鍵 シンセの中では標準的。ピアノ曲などでは鍵盤が足りない場合がある。

76鍵 ピアノ曲にも対応できる、鍵盤数が多いキーボード。ハイエンドな機種に多い。

88鍵 ピアノと同じ鍵盤数。ピアノタッチがほとんどオルガン音色などには不向き。


その他に、特殊なものとして、

 

49鍵 コンピュータの入力用や専門的なシンセに特化した機種にある。

 

などがあります。

 

鍵盤数が多くなるほど、重量も増えます。

ライブなど使う場合、76鍵の場合、車などがないときびしいですし、

88鍵では、一人で持つのも大変な機種が多くあります。

 

ライブでも使いたいけれど、重いものが苦手な人には61鍵。

見栄えや本格的なことにこだわる人は、76鍵。

ピアノタッチがほしくて、家でのみ弾くなら、88鍵を選ぶといいでしょう。

 


☆シンセ・キーボード講座 001「キーボードの選び方 その1」☆

2013年05月11日 | シンセ・キーボード講座

最近、よく

「キーボード」は何を買えばいいでしょうか?」

という質問を受けます。


確かに、初心者にとっては、ちょっと未知の世界のキーボード。


何回かに分けて、「キーボードの選び方」を書いていきますので、

購入の際の参考にしてもらえれば、幸いです。

 

私がライブ用に使っているのは、YAMAHA MOX6、

重量約7kgで、音源部はひとつ昔の上位機種 MOTIF XSと同じ。

背中にかつげるソフトケースで電車移動も可能です(女性にはちょっと重いかも)。

さて、キーボードには大きく分けて、

 

1. シンセ・ワークステーション

2. ライブ用軽量シンセ

3. ポータブル・キーボード

4. 機能特化型キーボード

5.マスター専用キーボード

 

などの種類があります。

※注)イワサキアキラの個人的な分け方であり、一般的なものではありません。

 

この中で「シンセ」あるいはバンドの「キーボード」と呼ばれるのは、

1. シンセ・ワークステーションと 2. ライブ用軽量シンセです。

 

1. シンセ・ワークステーションは、

シンセ・キーボード機能の他に、音楽制作のための

「MIDIシーケンサー」「リズムマシン」などが一体となったもので、

(最近は、歌などオーディオ録音ができるものもあります)

一般的にプロや高度なアマチュアが使うことが多い。

 

2.ライブ用軽量シンセは、

シンセ・ワークステーションほどの機能はないですが、

重量は軽いので、女性や車のないアマチュア学生などにはいいと思います。

最近は、音源の質も上がっているので、ライブ、録音に充分使えます。

 

その他のキーボードもざっと説明しておきましょう。

 

3.ポータブル・キーボードは、

スピーカーがついた家電量販店などでも売っているタイプです。

これは主に家庭用で、ライブなどで使うには出力や音質の問題でちょっとキビしい。

(機種によって使えないことはないですが)

 

4.機能特化型キーボードは、

ピアノ、オルガン、アナログ・シンセサイザーなど

その音色専用に、機能をしぼった機種です。

デジタル・ピアノなどが代表的です。 

 

5.マスター専用キーボードは、

鍵盤のみのキーボードで、これだけでは音が出ません。

主にパソコンなどでの音楽制作用です。

ライブ用にも使えなくはないですが、初心者は避けた方がいいでしょう。

 

次回は、さらにキーボードを選ぶ時に知っておいた方がいい、

ということを書いていきたいと思います。