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坂本勇人~その驚くべき成長。

2012-12-20 01:09:33 | シーズンオフ。

今季の坂本のバッティングの幅の広さを象徴する打席をクライマックスシリーズの中で見た。

3連敗して後がなくなった第4戦目。
相手は左投手の小林正人だった。
追い込まれてからの外角へのキレのあるストレート。
坂本はボールをいっぱいまで引き付けると、刀でボールを切るようなスイングでコンパクトに振り抜いた。
右中間への鋭い当たりは、今シーズンの坂本のバッティングで目を引いた右への打球。
最初から右を狙ったおっつけるバッティングではなく、来たボールに反応しての右打ちだ。
内角に来た球を懐の深いバッティングフォームで左へ引っ張る技術の高さは、
昨年までと同様に今季も健在だった。
反面、昨年まで圧倒的に少なかった右へのヒット性の当たり。
それが今シーズンから急に目立ち始めた。
1年でこんなに急に打てるようになるものなのかと、
シーズン後半、観ていて唸るような場面が度々あった。
それを象徴するようなヒットが、このクライマックスでのヒットだった。

そんな成長の手がかりを窺い知ることが出来たのが、
このオフに坂本が出演した報道ステーションでの長嶋一茂によるインタビューからだった。

シーズン当初、1番を任されていた坂本はなかなか結果が出せずにいた。
同じくシーズンはじめ3番を打っていた長野もなかなか成績が上がってこない。
見かねた原監督はこの1番3番を入れ替える。
そこから坂本はバッティングの調子を取り戻すのだが、
くしくもそのキッカケを長野のバッティングスタイルから見出す。

それは追い込まれるまでと追い込まれてからのボールの待ち方。
坂本いわく、通常、打者は追い込まれるとストレートに狙いをあわせながら変化球に対応する待ち方をする。
変化球待ちのタイミングで直球が来ると振り遅れて詰まらされる可能性が高くなるからだ。
それゆえに直球のタイミングで待って変化球に対応する。

しかし、長野は逆だと言う。
追い込まれると変化球にあわせてボールを待ち、速球に対応する。
それを以前から見ていて今季の中盤あたりから試してみたという。
変化球待ちのタイミングで速球に振り遅れないバットスイング。
それを坂本はシーズン中にモノにした。

今季、最後の最後で最多安打に並んだ坂本。
長野の最多安打に並んだ3本の固め打ちは、
原監督が彼を見込んで2年目から使い続けた根拠を見た気がした。
成長を信じた監督とそれに応え続ける選手。
シーズン前、ヤクルトの宮本との自主トレで、捕球、スローイングの精度に磨きをかけた。
そのかいあってか、昨年よりもエラーの数は減った。

毎年、目に見えて成長している坂本。
よくよく考えれば、今シーズンのセリーグ打率部門1位の阿部に続き2位は坂本だった。
昨年1位だった長野の打率よりも確か今季の坂本の打率のほうが高いはずである。