【時事(爺)放論】岳道茶房

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牛丼 大手の値下げ競争過熱

2010年04月10日 | ニュース一般
牛丼:大手の値下げ競争過熱 勝者なき最終消耗戦に

 牛丼大手3チェーンによる値下げ競争が過熱している。節約に走る消費者をつなぎ留めようと、期間限定ながら250~270円の安さを打ち出し顧客を奪い合う。しかし、かつて低価格バーガーで世間を驚かせたマクドナルドが最近では高価格商品で支持を集めるなど、外食産業で価格頼みの戦略は限界を見せ始めている。牛丼戦争は、勝者なき最終消耗戦に入るリスクと背中合わせだ。【浜中慎哉】

 吉野家がキャンペーンを始めて3日目の9日正午過ぎ。チェーン一の売り上げを誇る東京都千代田区の有楽町店前を訪ねた。普段より110円安い牛丼を求め、サラリーマンら約50人が店外に列を作っていた。同店をよく利用する警備会社勤務の大塚誠之助さん(72)は「昼は毎日外食なのでうれしい。浮いた110円は小遣いの足しにします」と話す。

 吉野家が期間限定で大幅に価格を引き下げたのは、ライバル2社の値下げ攻勢に苦戦しているためだ。すき家と松屋は昨年12月、並盛りの通常価格を、それぞれ280円、320円に値下げした。しかし、吉野家は「高価な米国産牛を100%使っている」ため追随しなかった。その結果、3月の既存店客数が前年比22.3%減と顧客離れが加速した。

 今月6日には、他業態の不振もあって10年2月期の連結業績予想を下方修正し、89億円の最終(当期)赤字を見込む。業績悪化の責任を明確にするため、安部修仁・吉野家ホールディングス社長らの役員報酬を減額する事態となっている。

 反転攻勢のための期間限定値下げだが、吉野家のキャンペーン発表後、すき家と松屋が吉野家より安くする期間限定販売を発表。吉野家の「最安期間」は2日間だけになってしまった。吉野家は「競合するのは、コンビニエンスストアやマクドナルド。(値下げ競争の)影響はゼロではないが小さい」(広報)と冷静さを強調するが、キャンペーン終了後の反動など懸念材料には事欠かない。

 牛丼チェーンはスーパーの格安弁当などの新たなライバルも出現しており、生き残り競争が激しくなっている。「作りたて」にこだわる中華料理チェーンの「餃子の王将」など、低価格だけに頼らない戦略の成功例も出始めており、戦略の練り直しを迫られる可能性もある。

 日本マクドナルドホールディングスの3月の全店売上高は前年同月比0.2%増の497億2800万円と過去最高だった前年を上回った。「テキサスバーガー」(400~420円)などのボリュームのある高価格商品のヒットなどが貢献したという。かつては「59円バーガー」などで集客を狙った時代もあったが、近年は戦略を修正。長引く景気低迷で「節約疲れ」気味の客が買い求めるケースも多いと見られている。

 餃子の王将を展開する王将フードサービスは、10年3月期連結決算で売上高は7期連続、経常利益は9期連続で過去最高を更新する見込み。割安感のある価格設定に加え、店舗ごとに地域に合わせた独自メニューを設定するなどの工夫により、リピーターを増やす。レストランチェーンのサイゼリヤも低価格メニューの品質向上などで、10年8月期連結決算で最終(当期)利益が過去最高を更新する見込みだ。

 国内証券系のアナリストは「並盛りの期間限定サービスは、話題になることで客足が一時戻る効果もあるが、限定的。これ以上値段を下げても仕方なく、持ち味のスピードや味で勝負するしかないのではないか」と指摘している。

2010年4月9日 毎日新聞


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