レアアース出し惜しみ? 中国が環境基準を強化
中国・新華社通信は、中国工業情報化省がレアアース(希土類)の環境汚染基準を強化する規制案を検討していると伝えた。レアアースの生産の過程で有害化学物質などが発生し、土壌にしみこむなどの汚染が発生している。環境問題対策として、生産者に生産技術の刷新をうながす規制案が同省に提出されているという。
レアアースは採掘した土砂を大量の水を使って分離し、その後、化学薬品を使って酸化物などに反応させる。
その過程で有害ガスも発生するが、作業員は保護服や防護メガネなどを装着していないほか、素手で作業することがほとんどだという。さらに、有害物質を含んだ水をそのまま河川に流すなどして、大規模な環境汚染が起きている。
中国はこれまで、環境基準に合わない小規模の鉱山や生産者を廃業させており、それに伴ってレアアースの生産・輸出も減っていると説明。今回の環境規制強化が実施に移されれば、ますます中国のレアアースの輸出が滞るとみられている。
レアアースは、ハイブリッド車やハイテク製品に使われており、中国の世界シェアは実に97%。中国に偏っているリスクを減らすため、日本政府や民間企業では、ベトナムとレアアースの共同開発で合意するなど新たな調達先の確保に向けて動いている。
2010.11.08 ZAKZAK