中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

11月11日は光棍節(独身の日)

2015年11月11日 | 中国事情

11月11日は中国では、俗に「双十一」或は「光棍節」と呼ばれている様です。「光棍」を辞書で引くと「妻子の無い独り者」とか「ならず者」「ごろつき」等を意味するとの事。(注:現代漢語大辞典)。今では「光棍」は意味が少し変わり、「独身者」「単身者」を広く指すようで、必ずしも男性の独り者を指すのでは無く、女性の未婚者も指す言葉になっている様です。また、中国では単身者を「単身狗」と表現する場合もあり、中国語では、「狗」とは、一般に悪い人を意味する、又は、人を罵る際に使う様ですが、この「単身狗」と云う言葉にも、やはり単身者を蔑む、或は揶揄する様な響きもある様です。

中国では、2009年頃から、「双十一」は盛んになり、近年では、11月11日には「陶宝」「天猫」等のネットショップで多くの独身者が、様々な商品を「爆買」をする事でも有名で、最近はテレビ、新聞等のメディアでも、このニュースが良く取り上げられます。去年は、この日中国のネットショップ最大手アリババが一日で約一兆円を超える売り上げを記録して大きなニュースになりました。

「新週刊」と云う週刊雑誌がありますが、454号(2015年11月1日発売)では、「単身狗也有春天」と題して、中国で年々増え続けている「独身者」の問題を取り上げています。(注:春の意味には希望、穏やかと云う意味もあるので、独身者にも希望や心穏やかな日はあるかと訳すのが適当かと思いますが。)この雑誌を読むと改めて中国でも結婚しない人或は、結婚できない人が増え続け、大きな社会問題化しているかが分かります。

この特集記事に拠れば、中国でも独身者が増え続けている理由としては、他の西欧諸国やアメリカ、日本等と同じで都市化、価値観の多様化、伝統的な家族観が変容した事等が原因として挙げられている様です。

但し、中国でも年々単身者が増え続ける理由の一つには、中国独特の理由もある様ですが、それは一人っ子政策が強制された結果、男女比のバランスが大きく崩れ、特に中国では男性の側に、顕著に未婚者が増えて居ると云う事です。中国国家統計局の発表に拠れば2014年度末時点で、中国の総人口に占める男性の人口は、約7億人との事ですが、これは女性と比べると約3376万人も男性の数が多いとの事です。

2004年の場合は、男女の性別の割合は121:100との事ですが、この様に男女比の割合のバランスを欠くと云う背景が、「乗男」(注:結婚出来ない男性を指す。因みに結婚出来ない女性は剰女と云う。)を生み出す主要な原因の一つとしています。昨年は、この比率が116:100迄に下がったとは云え、中国は依然として、世界で最も男女のバランスが欠いた国の一つだと云えます。

 また、中国では農村部では、特に男性の未婚者が増えて居るとの事ですが、これは、元々存在している男女の不均衡に加え、農村に住む若い女性が都市部に出稼ぎに行き、都会の生活に慣れた事もあり、再び農村に戻らないので、特に農村では結婚出来ない男性が増えて居るとの事です。

以前、私は貴州省に住んでいたのですが、その時にも貴州省の某村では、適齢期の男性のほとんどが結婚出来ないとの報道が地元新聞でなされた事がありました。また、このブログでも触れた事もあるのですが、中国の一部の農村では、嫁不足解消の為に、ベトナム等の国からの花嫁も最近増えて居るとの事です。

10月に開催された、中国共産党第18期中央委員会第5回全体会議で、中国は長く続けた一人っ子政策を放棄し、全ての夫婦に子供を二人まで産む事を認めたので、早ければ来年早々にも、この政策が実施される事が決定したので、今後は以前の様に男女比が大きく崩れると云う現象は消えて、他の国と同様になると推測されますが、今後も中国では単身者が増え続けると云う現象は減る事は無く深刻化していく様です。



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