中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

登山姿で物乞い

2012年04月27日 | 中国事情

最近、雲南省や貴州省で割合よく目にするのは登山姿をした物乞いです。旅行用の大きなリックサックを背負い、防寒用の上下そろいの登山用の服を着込み、登山する時によくかぶる帽子をかぶり、腰には金属製の立派な水筒を提げ、杖も持って物乞いをしている人を最近良く見かけます。

「私は、旅行中にスリに遭い現金や銀行カード、携帯電話も取られたので一銭のお金もない。ろくに食事もしていないので、お金を恵んでください」というような内容の事を書いた紙を前に置いて通りで物乞いをしています。

今年、2月頃に雲南省の昆明市に行った時にも登山姿をして街頭に立ち物乞いをしている人を見ました。つい先日には、私が現在住んでいる花渓でも同じような人を見かけました。地元の新聞などによると最近では、貴陽市内の各地でも同じように登山姿をして物乞いをしている人が特に増えているそうです。

雲南省昆明で見たこの人は、服装も完璧でした。少しの間眺めていたらお金を渡す人もいました。前に見えるのが困っている理由を書いた紙。




今から4年前に貴州省を訪れた際に、私は登山姿をして街頭で物乞いをしている人を初めて見ました。その頃は、登山姿をして旅行している中国人は、今ほどは多くなかったので、結構目立ちました。また、着ている服や靴、帽子なども中国のブランド物を身に着けていました。

最近は、大きなリックを背負い、防寒用の登山服を着て、登山靴を履いた中国人旅行者は中国の何処でも見かけますし、たくさんいますので珍しくありませんが、その頃は登山姿をした人はそれほど多くはありませんでしたので、特に目に付きました。

こちらは私が今住んでいる花渓で見た人ですが、履いている靴といえ、着ている服といえ、外見から見ても到底、旅行者には見えませんでしたが。



私が、4年前に会った人は貴陽市内にあるファストフード店の前で、やはり「旅行中にスリに遭い、有り金全部をとられました。お金がなく困っています。お金を恵んでください」と道路にチョークで書いて座っていました。それで、私はその若い人に興味を持ち、その人を誘いその店で食事をしたことがあります。暇だった事もありますし、貴陽滞在中はその店でよくコーヒーを飲んでいましたし、丁度その時もその店に入ろうとしていたので。

私が、その人に興味を持ったのは、本当に旅行中にお金を取られたのか、それとも、そういう格好をして人の同情を引き、人を騙し物乞いをしているのか、どちらか外見からは見極めがつかなかったから確かめて見ようと思ったのです。

食事をご馳走しながら、その人にいろいろ話を聞くと、浙江省から貴州省に来て旅行している間にスリに遭い、有り金を取られたような話をしていました。これから、どうすると聞いたら、家族に連絡した
ので、家族がお金をもって貴州に来ることになったというような話しでした。まだ高校生だが、学校をサボり旅行に来たと話していたような記憶があります。その人に幾ばくかのお金を渡したら、連絡先というのも教えてくれました。その頃は、未だ携帯電話も今ほどは普及してなかったので、その若い人も携帯は持ってませんでした。

中国はスリなども多いので、旅行中に現金はもちろん携帯電話、銀行カードなど貴重品を残らず取られ、旅先で困り果てる人も多いのは事実で、実際そのようなハメに遭った私の知人もいます。

ただ、最近はこのように登山姿をして人の同情をかい、人を騙して、物乞いをする人が大変多いそうです。私が4年前会って話した若い人も、どうも同じような人だったようですが、実入りはいいようで、私が話した人も、その日に40元ほど集まったと話していた記憶があります。



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