中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

2011年の農民工の数について

2012年05月05日 | 農村

先月4月27日に国家統計局が、2011年の農民工について調査した結果を発表しました。そのサンプル調査結果について、新京報、鳳凰網などの各メディアの電子版で記事を載せています。

新京報の電子版(2012年4月28日付け)によれば、サンプル調査したところ、2011年の農民工(出稼ぎ労働者)の数は25278万人で、前年度より1055万人増加、率にして4.4%増。農民工が就業している主な省は広東、江蘇、浙江、山東など沿海部の4省で、農民工の約半分が就業しているが、昨年は特に中西部地区で就業した者が増えたとのこと。逆に珠江デルタ地帯や長江デルタ地帯では農民工の就業者数が減少したとの事です。

2011年度の農民工の平均月額収入は2049元で、昨年比で359元増加し、率にして21.2%増加したそうです。これを地区別に見ると東部地区は2053元、中部地区は2006元、西部地区はやや低く1990元。月額収入が5000元以上の人も5.7%いるとの事ですが2011年の場合、農民の平均収入の50%が出稼ぎ収入によるそうです。

ただ、農民工の中で雇用契約を締結している者は、昨年より1.8%増加したものの、2011年度でも雇用契約を交わしている農民工は43.8%しかいないそうで、特に建築業では雇用契約をしている率が依然低いとのこと。

新京報の電子版(2012年4月14日版)では、2004年と2011年で農民工の生活がどのように変化したかを比較した記事を掲載していますが、それによれば農民工の生活は7年前に比べ、その生活環境や労働環境が改善されたとはいえ、基本的には7年前とは大きな変化はなく依然として「温飽」線上にあるとしています。(注:温飽とは、衣食が満ち足りている状態)

2004年の場合は大部分の農民工の平均月額収入は1000元以下(67.5%)、で、2004年は出稼ぎによる収入は農民の全収入の34%を占めていた。2004年の場合、農民工はその収入の41.5%を日常の支出に充て、22.1%を貯蓄にまわし、22.9%を家へ仕送りしたとの事。2011年では、47.4%を貯蓄、21.2%を故郷への仕送りにあて、残りの20.1%を日常の生活費に使っているとの事です。

2004年では農民工の70.6%が、現在の自分の仕事に比較的に満足している或は非常に満足していると答えたが、2011年には、同じ問いに対して、比較的満足、非常に満足などと回答した者はわずか40%にとどまったとの事です。

農民工が仕事を見つけるきっかけは、2004年には同郷の人の紹介や、親戚などを通して仕事を見つけることが多かったが(80%)、2011年ではその比率は66.6%まで下がり、現在では、ネットや新聞などの広告欄などを通して仕事を見つける人が増えているそうです。

祭りが行われる際には、貴州省内の農村に行くことも多いのですが、農村に行くと、本当に多くの村で、多くの人が出稼ぎに行っていることを実感します。祭りの時などにも、若い人はほとんど見かけないで、祭りの主役が中学生や高校生というような村も、大変多く見かけ、年配者が多く若い人たちが少ないのを感じます。ある村では、祭りの際には、若い人は、必ず村に帰郷して祭りに参加しないと罰金が科せられると聞きました。

省内の市はもちろん、県の中心地のバスターミナルからは、毎日広東、福建方面の長距離バスが出でおり、大きな荷物抱えて大型バスに乗り込む人をよく見ます。そういう光景を見ると如何に、貴州省から沿海部に出稼ぎに行く人が多いかを実感します。



黎平県のバスターミナルで見た北京方面行きの長距離バス。この方面のバスの便は県レベルでは少なく黎平県でしか見かけませんでした。



从江県のバスターミナルで見かけた福建行きのバス、从江県にはこれ以外に広東省行きの便も毎日あり。料金は広東省まで450元から500元。最近の長距離バスは全席寝台で、車内は二段になっている。



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