中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

今回の雲南省・貴州省地震で亡くなった児童は3名

2012年09月10日 | 中国の農村教育事情

今回の地震では81名の犠牲者が出たようですが、その中には3名の小学生が含まれていたようです。(9月9日10時現在)

今回の地震で教室の壁などが倒壊し、子供3名が亡くなった彝良県角奎鎮雲洛小には、1年生が7名、学前班の児童15名、合計21名の児童が在籍していたようですが、たまたま、この日は通常より早めに、昼休みにしたため、多くの子供達は幸いにも被害を免れたそうです。何時もより早く昼休みになった為に、学校の近くから学校へ通っている児童は、家で食事をするために帰宅したので災難に遭わずに済んだそうです。しかし、遠くからから学校へ通っていた7名の子供達は、校舎内で弁当を食べている最中に不運にも地震に遭い、教室の壁などが崩れ下敷きとなり、不運にも、その内の3名が亡くなり、2名が重症を負い入院し、残り2人は怪我をしたそうです。

この小学校は1957年に建てられ、その後3度にわたり修繕が行われていたそうです。以前は児童も多かったようですが、この小学校は中国では所謂「教学点」と呼ばれる小学校で、今年の新学期は、1年生が7名と学前班が15名で、先生も1人だけ勤務している学校のようです。学校とは言うものの、教室は1教室のみ、これ以外は先生の事務室兼休憩室だけで、雲洛小学校で今年7月迄働いていた前任者の代用教員(代課老師)は、給料が月額たった500元では家族も養うことが出来ないと前年度で辞めたそうで、今年9月の新学期から赴任した新任の教師(地元村の出身)は、教師となって3日目にこの災難に遭ったそうです。

彝良県には全部で357所の小・中学校があるそうですが、9日午前の時点では、児童3名が死亡、20名が負傷し、教師2名が重症を負ったそうです。そのうち教学点が何校かについては、触れていませんので判りません。

今回の地震で児童生徒の被害が比較的少なかったのは、2008年の四川大地震後、中国の多くの地域では、地震に備え常日頃避難訓練が行われ、その成果による点も大きいとの事です。

今回の地震の震源地に近い彝良県洛澤河畔鎮発達中心完小は、前学班の68名を入れると児童数約700名の大規模な小学校だったが、校舎は2010年に完成した新しい校舎だったので、校舎の壁などに亀裂などが入ったものの、児童のケガ人は一人も無かったそうです。また地震に備え訓練も行われていたそうで、その成果も大きいとの事です。
(注:完小とは1年生から6年生まで各学年のクラスがある小学校のことを言う)

貴州省威宇県では15の郷・鎮で37の学校が、延べ面積14692平方メートルに及ぶ被害を受けたそうですが、児童の負傷者などはいなかったそうです。しかし、校舎の破損などにより6186名の児童が正常な授業をうけることが出来ない状況にあるそうです。

今回の地震で雲南側と貴州省側では何故、被害状況が大きく違うかについて、一つは人口密度が大きく違った事が、原因の一つ上げられているようです。今回の地震の被災地区は、1平方キロ約205人で、雲南省の中でも人口密度が高い地域で、雲南省の平均人口密度と比べて約2倍ほど高いそうで、この様な人口密集地で今回の地震が起きたので被害が大きかったのではないかと述べています。また、貴州省側は山間部で、雲南省側と比べ人口密度が低いうえ、農村部だったので、丁度地震が起きた時は昼間だったので多くの人が、外で農作業などで働いていた事もあり、ケガ人等の被害が少なかったのではないかとも話しています。また、建物は耐震性の点でも弱かったと思えること、地震が起きた地域は山が険しく、がけ崩れ等も起き易い地域だった事もあり被害が大きくなったとの事です。

今夜被災地では大雨も予想されるとの事です。また、今後も余震も起きる可能性もあるのことです。



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