中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

雲南省大理白族の月餅

2013年09月18日 | 少数民族の食べ物

中国では、明日から中秋節の休みとなり、三日間の連休となります。今私が滞在中の大理鎮でも、中秋節を前にして街中のいたるところで月餅を売っています。スーパー、小売店は無論ですが、パン屋、お菓子屋、ケーキ屋等でもこの時期は、大量に月餅を仕入れて店頭に並べ、売り出します。また、この時期には、中国の都市部では、街頭や道路、広場等にも月餅を専門に売る店が一時的に現れます。そのような光景を見ると中国では中秋節には、月餅は欠くことの出来ない物だという事をつくづく感じます。

大理古城は大理白族自治州大理市に属しますので、当然白族が多く住む所です。それだけにここ大理古城には、白族の月餅、白族独特の月餅があります。主に地元の人が利用するレストランややはり地元白族が主な顧客のパン屋では、その白族の人が食べる月餅を手作りして売っています。

これが大理白族の昔ながらの月餅。そば粉、小麦粉を使っているとの事。中身はやはり火腿やあんこ等が多い。このような色になるのは「そば粉」を使っているからだそうです。

 

焼きあがった月餅。このような丸くて大きな形の月餅は珍しく、私も初めて見ました。この様な月餅は、他所から来た中国人にも珍しいようで、たまたま、私もこの月餅を見ていたら、「これは何?」と中国人が尋ねていました。直径は約30cm程の大きさ。

 

切り売りもしています。四つに切った物は、一個約8元から10元位。

 

このように包装して売っており、普通は当然箱で買う。バラで買う人は殆ど居ないようで、中には二箱、三箱と買う人も珍しくないようです。一箱30元から40元位で,値段も手ごろな感じです。

 

街頭に出来たテント小屋で月餅を売る人達。この時期には、このように路上や街頭で月餅を専門に売る店が並びます。このような光景は中国の何処の都市でも、この時期には見かける光景です。普通の中国の何処でも見かける月餅も売っていますが、化粧箱入りの物は、ここ大理古城ではやはり白族の月餅が人気があるようです。月餅はバラ売りもしています。

 

白族の月餅を手に。最初に、この光景を大理古城で見た時には箱の中身はケーキかと思いました。

9月5日付の環球網(電子版)に拠れば、党中央規律検査部が、公費を使って月餅を送るのを禁止する様に、下部機関に対して通達をしたそうです。9月18日付の新京報(電子版)等に拠れば北京では一箱1000元もするような高級品、贈答用の月餅は姿を消して、一箱200元程度の物が店頭には多く並んでいるそうです。また、禁止令が出された事もあり、月餅の売れ行きは例年に比べ2,3割減るとの予測もあるようです。

9月5日付の環球網等に拠れば、中秋節の月餅は郵便などで送っても相手には失礼にならないそうで、それで包装され送られる月餅の箱の中には、月餅と共に高級なお茶、酒、場合により現金、買い物カード等が入っている事も多いそうです。月餅を送るという名目で高級品が送られるケースが多いとの事で、そのような背景もあり公費を使って月餅を送る事を禁じたそうです。

1989年雲南省昆明の民族学院に在籍していた時、大学から月餅を頂いた思い出があります。その月餅は大きな丸い月餅で、その頃は大学側が、先生などにも月餅を贈っていたようです。私が、2010年に凱里学院にいた時も大学側が留学生始め関係者には、やはり月餅を配っていました。今年はどうなんでしょうか、少し気になります。

ネット上には、沢山貰い食べきれない月餅の新しい食べ方が載っています。その一つは、火腿月餅(ハム入り月餅)を細かく細切りし、ねぎ、しょうが等と炒めるというものです。また、あのスターバックスでも月餅を売っているとの事。残念ながら大理古城にはスターバックスがないのでその月餅は食べる事が出来ません。(注:因みに北京のスターバックスでは化粧箱の物は、6個入りで298元との事)

雲南省で人気の月餅は、やはり火腿(ハム)入り月餅です。その昔昆明に住んでいる人が、雲南省特産の「宣威ハム」を餡にした月餅を考案した人がいて、その月餅を売り出した所大変好評で、良く売れたそうです。その後、その火腿入り月餅は今では「雲腿月餅」として雲南省ばかりでなく中国でも名が知られるようになったそうです。(注:これも諸説あり)

中国にも、各地方により様々な種類、味の月餅があるようで、北京では、伝統的な、五仁月餅(餡にゴマ、クルミ、麻の実、花生等5種類の餡が入った物)や中身がアンコ(豆沙)の月餅、中に卵の黄身が入った月餅が人気のベスト3との事。広式月餅というのもあり、雲腿月餅も含め中国には実に沢山の種類の月餅があるものだと感じる次第です。

 

 



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