中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

酥油茶とイ族のほうじ茶

2013年05月30日 | 少数民族の食べ物

 チベット族はヤクの乳から作った酥油とお茶とで、酥油茶(バター茶)を作り飲むとの事ですが私は、この酥油茶を未だ飲んだ事はありません。チベット族の酥油茶は、酥油とお茶の葉だけで作るようで、酥油とお茶以外は一切使わないようです。

今私が滞在中の「大理古城」にはチベット族が経営する喫茶店やレストランもあり、そこでは酥油茶も飲めるようですが、未だこの酥油茶を飲んでいません。飲んでないのでなんとも云えないのですが、喫茶店等で出される酥油茶は、作り方も含めどれだけ本物の酥油茶と同じなのか少し疑問がありますので、出来れば最初は一般の家庭で作られる酥油茶を飲んでみたいと思います。それから喫茶店等で酥油茶を飲んで見たいと思っています。

「舌尖上的中国」の第三集で取り上げられた内モンゴルのモンゴル族が作る奶茶は、お茶の葉、黄油(バター)、炒米(炒ったお米)、それに新鮮な牛乳とで作るそうです。このモンゴル族やチベット族が奶茶や酥油茶を作る際に用いるお茶は「砖茶」と云われるお茶との事です。

イ族にもトン族の油茶のような飲み方があるようです。イ族は一般には、ほうじ茶を飲むようですが、そのほうじ茶に、炒米、クルミ、蜂蜜または紅糖等を入れて飲むのが普通のようですが、場合により、サツマイモや生姜等も加えて飲むそうです。トン族の油茶には落花生が入ることが多いのですがここ雲南省ではクルミのようです。

雲南省は場所によってはクルミの特産地でたくさんの胡桃が取れます。それでクルミを原料としたクルミジュースやクルミから作る油もあります。また、冷米麺等を食べる時にも、米麺にクルミを粗くつぶした物をふりかけたりもします。また胡桃をすりつぶして、ペースト状にして、トーストにバターを付けるように、「焼き饵快」等に付けて食べる食べ方もあります。

イ族や白族が普通良く飲むお茶は焙じ茶のようです。また、そのほうじ茶に、炒米(炒ったお米)を加えて飲む事も多いようです。大理市魏山県等に住むイ族は炒米茶を飲む事も多いようです。また、楚雄市の黒井鎮等では、ほうじ茶に塩を加えて飲むそうです。この「塩茶」というほうじ茶に塩を加えて飲む飲み方は、唐宋の時代に中国の中原地区で広く普及したお茶の飲み方で、その後中国の西南地区の少数民族の間に広まった(注:「永恒的黒井白塩」 雲南教育出版社)との事です。

実は私も田舎で番茶やほうじ茶に塩を入れて飲んだ記憶がありますが、ほうじ茶等に塩を入れて飲むという習慣は私の田舎でも結構一般的だったようにも思います。

これは大理市魏山県城で見かけたほうじ茶。雲南省に住むイ族や白族は、ほうじ茶を飲む習慣があるようです。


魏山県城には地元の人々が通うお茶屋が今もたくさんあります。以前は一杯1元でしたが今年から値上がりして一杯1.5元。店により2元。魏山県城のお茶屋で出されるお茶はやはりほうじ茶です。

 

魏山にある昔ながらのお茶屋さん。将棋やトランプをする人も多い。無論将棋等もしないでおしゃべりを楽しむ人も多い。一杯1.5元でお茶を飲むことが出来る所は、今や雲南でも少ないと思います。

 

魏山県にはこの様なお茶屋さんが相変わらず健在です。

 

魏山のお茶屋のちゃぶ台は竹で作った物、椅子は稲藁で出来た物でとても座り心地がいいです。この稲藁で作られたクッションは魏山県周辺の特産品でもあり、最近はお土産品としても人気があります。

 雲南省ならではの屋外のお茶屋さん。雲南省大理は一年中を通して気候も良いのでこのように屋外で営業するお茶も多い。私が以前住んでいた貴州省では屋外で営業と言うわけには行きません。貴州は冬はとても寒いし、一年を通して雨も多いので。雲南省ならでは光景です。

 

屋外のお茶屋でお茶を飲みながらおしゃべりする人達。一月ですが、昼は屋外でも結構暖かい。

 一月ですが、雨が降らなければ外でも十分暖かい、暖房が無くても過ごせるのに十分な気温。

 魏山県城には、このような御茶屋が沢山ありますが、この様な光景を見る事が出来るのは雲南省でも魏山だけかもしれません。今の所他の土地では、このような光景は見ていません。

また、「永恒的黒井白塩」と云う本に拠れば、 楚雄市黒井鎮には、「塩茶」を飲ませる茶館があるそうです。実は私も、楚雄市黒井鎮には行ったのですが、残念ながらその茶館を見つける事が出来ませんでした。で有名な黒井鎮産の塩を使った、黒井鎮の「塩茶」を、残念ながら味わっていません。

この「永恒的黒井白塩」と云う本に拠れば、雲南省の山岳地帯に住む少数民族には、この「塩茶」を愛飲する習慣が広く存在するとの事です。雲南省の怒江地区に住む怒族という少数民族も「塩茶」を毎日飲む習慣があるそうです。

これは魏山県のある道教のお寺で見かけた炒米。たまたま訪れた道教のお寺で、改修の為の費用を募っていたので、いくばくかの寄進をした所、お寺の人が、この炒米を「美味しいから」と言って分けてくれたのです。ここのお寺で飲んでいたお茶もやはりほうじ茶でした。

 



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