日本会議唐津支部 事務局ブログ

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【中学歴史教科書8社を比べる】674 30 国連・国際関係(主に冷戦終了後~現在)-8- ■まとめと考察 ⑵国際関係 2/2

2019年01月28日 | 中学歴史教科書比較(2)h28-令和2年度使用

30 国連・国際関係(主に冷戦終了後~現在)-8- 

 ※日朝:201~ /日中:337~ /日露:400~ /核兵器・原子力  414~ /日米:663~の各関係は既述したので、この項では省く。

■まとめと考察  ⑵ 国際関係 2/2



 

■歴史科と公民科の関係

 中学公民科の目標を一言に縮めると、「国民主権を担う公民として必要な基礎的教養を培う」ということになるだろう。そのために、「内容」として、「私たちと現代社会」「私たちと経済」「私たちと政治」「私たちと国際社会の諸課題」の4領域がある。言い換えれば、《現代日本人がこれから生きていくための教養・知識・心構えを教える》ということになる。当然のこととして、現在(現代)の世界についての”現実認識”が土台・前提になる。

 一方、歴史科の目標は、現代日本人に必要な歴史知識・認識を教えることだ。そして、それを教えるさまざまな理由のうち、もっとも現実的で重要な理由は、《現在の現実は、過去からのどのような因果関係を経て実現しているのか?》という、”歴史認識を含んだ現実認識” を持たせることだろう。

 つまり、歴史学習は公民学習の前提になっている、あるいは、2つの教科の内容は、時間的に連続している、ということだ。

 では、過去のいつまでが歴史科の範囲で、いつからが公民科の範囲なのか? ・・・すぐに分かるように、単純に機械的に、〇〇年から、と区切ることはできない。

 おおまかには《公民科の時間的範囲は、限りなく現在に近い現代と、近い未来》とは言える。あえてめんどくさく言えば、《現在の個々の現実事象それぞれについて、直接の因果関係が明確になっている歴史事象があったときから、現在のその事象が続いていくであろうときまで》ということになるのだろうか。

 したがって、公民教科書の内容が書き換えられるのは、上記:「現在のその事象」が、消滅などにより変わってしまったときだろう。ついでに言えば、歴史教科書の内容が書き換えられるのは、国民(あるいは、政府、文科省、執筆者、教科書会社など)の歴史認識(あるいは、歴史認識に対する態度)が変わったときになる。

 

■「歴史教科書における現在の事象の描き方」についての評価

 現在の事象については、歴史科でも公民科でも扱われる。したがって、「歴史科での描き方」だけで評価するのは適切ではないだろう。しかし、個々の中学生が、主に1・2学年で習う歴史科と、3学年で習う公民科を ”統合的”に理解するかどうか不明なので、同じ事象(内容)であっても、大事なことは歴史科でも扱っておくべきだと考える。したがって、大事な事象の無記は△とする。(※自由社は、歴史科と公民科の役割を”きっちりと分担”したのだろう。)

 

1 「多国間関係」の描き方

●無記 → △ 自由社。

2 「グローバル化に関する全体状況・情報化」の描き方 

●無記 → △ 自由社。

 

3 「南北格差」の描き方

●南北格差について言及している。 → 〇 育鵬社、教育出版、清水書院。

●無記 → △ 5社:自由社、東京書籍、帝国書院、日本文教、学び舎。 

 ※「南北格差」は、ほとんどの国際問題に大きな影響を与えている。

 

4 「地球温暖化」の描き方

地球温暖化について言及している。 → 〇 5社:育鵬社、東京書籍、帝国書院、教育出版、日本文教。

●無記 → △ 自由社、清水書院、学び舎。 

 ※最近、この問題の重要性(=人類への多大な影響)について認識を改めた・・・大気と海水温は、20世紀中葉から2000年ごろまではかなりの上昇率を示した、200年以後はあまり上昇しなかったので、主な要因は、「ガス」ではなく「太陽の状況」の可能性が大きいのだろう、と数年前までは思っていた。
 しかし、2010年ごろから、再び上昇率が高くなってその傾向は2019年現在も続いている。つまり、2000年からの(10年間ではなく)20年間を見れば、温暖化がはっきりとグラフにも現れるようになった。
 したがって、主な要因が「ガス」である可能性がとても高くなったと考え直した。急激に増えたガスの多くが人類の活動の結果らしいので、この異変(※地球史上では急変)は”人類の自業自得の一大事”だということになる。

 

~次回から、⑶「今後の課題や考え方」の描き方 

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者:松永正紀  教育評論家 /h22年度 唐津市・玄海町:小中学校校長会長》※記事の不備等に関するお願い…《ブログ「やおよろずの神々の棲む国で」の記事》が原典。他に2つのサイトに同時に投稿中。不備等の後日修正は原典のみで実施中ですが、事情により原典ブログではコメント機能を止めています。ブログの内容に疑問がある場合は、投稿中の2つのサイト<または >へのコメントで教えてください。 


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