IPSO FACTO

アメリカの首都ワシントンで活動するジャーナリストの独り言を活字化してみました。気軽に読んでください。

レイチェル・ワイズの新作映画、二重マルでしたよん

2006-02-07 13:29:09 | エンターテーメント・カルチャー
大学院の同窓会事務所から、「新しい卒業者名簿を作るので住所と電話番号をチェックさせてください」と連絡があった。住所などの確認を終えると、「卒業者名簿は本がいいですか、それともCDの方で?」と聞かれたので、そんなに高くはないだろうと思った僕は何も考えずに「じゃあ、両方ください」と言った。「送料込みで160ドルです」と電話の向う側から聞こえた言葉に腰を抜かし、値段を2度聞きなおしたけれど、それで何か変わったわけではなく、仕方なく本だけを注文する事にした。母校に文句言っても仕方ないけれど、ボッタクリだよなぁ。さて、今日は「メガチャーチ」という教会が増えてきたという話を、6日のクリスチャン・サイエンス・モニターの記事から。大きな量販店なんかが「メガストア」って呼ばれることがあるけど、それと同じ感覚で、とにかくデッカイ教会の事を「メガチャーチ」と呼ぶらしい。フィリピンのセブ島で地元のカトリック教会のミサに出席した時、1000人近くいた出席者に驚いた事があったけど、これよりも大きな規模の教会がアメリカには1000ヶ所以上あって、今も増え続けているんだとか…。ではでは、そのメガチャーチの話をどうぞ。

個人の信仰心がいたる所で議論の対象となる最近のアメリカでは、2000人以上の信者を収容する大型教会も増加しており、これらの教会は「メガチャーチ」と呼ばれている。若手カリスマ伝道師として知られるジョエル・オスティーンは、2005年7月からテキサス州ヒューストンにあるコンパック・センター(NBAのヒューストン・ロケッツが過去に本拠地にしていたアリーナ)と長期リース契約を結んでおり、毎週そこで3万人の信者を前にして説教を行っている。オスティーンのような例は稀だが、1週間に2000人以上が参加するメガチャーチの数は過去5年で倍増しており、今では全国各地に存在している。コネチカット州の宗教データ調査機関「ハートフォード・セミナリー」などの報告書によると、現在アメリカ国内ではメガチャーチと判断される施設が1210ヶ所あり、毎週平均で3612人が集会に参加している。それらの多くは南部に集中しているが、全国的な広がりを見せているのも最近の傾向だ。

これまで地元の小さな教会でミサなどに参加してきたキリスト教信者達がメガチャーチに移るケースは少なくなく、アリゾナ大学のマーク・チャベス教授はクリスチャン・サイエンス・モニター紙の取材に対し、「現在も理由ははっきりしないのですが、小さな教会から大きな教会に移動する信者は今も確実に増えています」と語っている。チャベス教授の調査では、南部バプティスト教会の信者の15パーセントが、教会の数としては1パーセント程度にしかすぎないメガチャーチを利用している。メガチャーチ人気の理由には様々な説があるが、教会を対象にしたコンサルティング業を行う「リーダーシップ・ネットワーク」のデーヴィッド・トラビス氏は、「信者の求めるものが過去とは大きく違うのではないでしょうか」と語っている。信者は集会のクオリティや雰囲気にも高い期待を寄せているが、小さな教会では音楽や映像に資金を回せない現実がある。

メガチャーチの規模も様々で、信者数が2000~3000人という規模の教会が全体の54パーセントを占めるが、1万人以上の信者を抱える教会も4パーセント存在する。90年代に入ってから作られた教会も多いが、60年以上前に作られた教会がメガチャーチ全体の3分の1を占めているのも事実だ。9割以上のメガチャーチでエレキギターやドラムといった楽器による現代音楽が演奏されていて、ほぼ全ての教会でプロジェクターやスクリーンが使われている。ビジュアルや音響効果に力を入れたメガチャーチ人気は若い世代にも広がりを見せているが、同時に多くのメガチャーチがビジネスライクな運営を行っていると批判もされている。前出のオスティーン氏も100万ドル以上する家に住んでおり、伝道師としての適正を疑問視する声が後を絶たない。

週末の早朝と昨日の晩、借りてきたDVDで2本の映画を見た。1つは友人と彼の奥さんが絶賛していた「ザ・コンスタント・ガーデナー」で、昨日の夜中に見た2本目がドキュメンタリー作品の「ウォルマート:低価格に隠されたハイコスト」だった。「ナイロビの蜂」という邦題で原作の小説が日本でも売られている「コンスタント・ガーデナー」は、有名なスパイ小説家ジョン・ル・カレが2001年に発表した犯罪スリラーで、映画ではレイチェル・ワイズとレイフ・ファインズが主役を演じている。アフリカのケニアを舞台に、ヨーロッパの製薬会社の陰謀が描かれていて、比較的ゆっくりとした展開の中に新鮮さを感じた作品だった。日本ではまだ公開されていないのかな?2本目のドキュメンタリーはアメリカ最大の大型小売店の内部にメスを入れたもので、男女差別や想像を絶する低賃金、地方都市で地元コミュニティが崩壊する姿などが紹介されている。ウォルマートについて書きたいことは山ほどあるんだけど、とりあえず今日はこの辺で。


写真:2005年7月16日、コンパックセンターにオープンした「レイクウッド教会」に集まった信者達。 (AP通信より)