
早くも3回目をむかえるブラジルフェスティバル@代々木公園。
日伯交流年の今年もビッグアーティストが来日する。
本日はその1日目、オロドゥン(Olodum)のステージだ。
午後よい頃合いで代々木公園につくと・・あれあれ?
心なしか肉を焼く煙が少ないような。煙で燻されそうだった昨年に比べ、
今年は屋台がバラエティに富んだぶん(?)肉々しさが若干減だ。
それでもしつこく肉に食らいつき、ピンガカクテル各種に
ビール

会場は日伯入り乱れてカオス状態、
そこかしこで小グループのサンバヘギも聞こえてくる。
猫山はサンバヘギが聞こえるたび自動的に後をついていくので大変だ。
嬌声の中ついに登場した生オロドゥンは予想どおり約14名の
バンドオロドゥンだ。本場ではおそらく数百名の大集団だが、
世界各地をまわるツアーメンバーは別建てなのだろう。
一聴して少し違和感があったのが、ステージ演奏なだけに
当然PAが入っていること。左側スピーカー後方にいたせいか、
スルド(ドラム)音が必要以上に増幅されてしまう。
やはりオロドゥンはストリートが一番似合うのではないか。
ほんの少しでよいから、会場をパレードしてくれると嬉しかったなあ。
しかしそんな違和感もすぐに消え、ステージオロドゥンに没入だ!
彼らはとにかくエネルギッシュ、実にエネルギッシュ!!
蛍光ピンク&蛍光ミドリ頭のファンキーな方がマレットを空高くブン投げ、
天井ぎりぎりからクルクル落ちてくるのを受けとめる。
Youtubeで観たときは稀に出るスペシャル技かと思ったが、
驚いたことに彼はこの奏法をステージの間ずっと続けているのだ!
オロドゥンのリズムパターンは常に一定の印象で、
ドドンパ・ドドンパ・ドロドロドロドロという分厚い低音に
バンバラバラバラとパーカッションの高速なオカズが入る。
曲によりスピードの違いはあるが、基本は変わらない。
打楽器隊は片時も休むことなく片手をピッと直角に立てて、
顔と身体を左右にふりきってマレットを振りおろす。
さぞかし体力を使う奏法だと思うが、キレのある動きがカッコイイ。
後半ではメンバー揃ってユーモラスなダンスを披露したりと
楽器を聴かせるだけでなく、彼らは「見せる」演奏を徹底している。
このリズムにのせてボーカル2名が歌うのはブラジルならではの
底抜けに明るい歌謡曲あり(こういうのがB-POP?)
ジョルジ・ベン・ジョールへのトリビュートあり、
ジョン・レノンのカバーあり、サンバの名曲ありと様々だ。
歌のジャンルが多岐にわたるので、同じバックながら
観衆のノリも微妙に変わってくる。歌謡曲では縦ノリでジャンプ!
レゲエのときは気持ちよくゆらゆらと。どんな風に踊ったって構わない。
ブラジル人も日本人も、思い思いにオロドゥンのリズムを楽しんでいる。
彼らの生演奏を聴いて気づいたことがある。
サンバへギ(サンバレゲエ)のリズムは大好きだが、
今までどうしてもレゲエルーツのリズムだと思えなかった。
ところが今日はレゲエの名曲も多く、演奏を聴いて初めて分かった。
う~ん、これは確かにレゲエですね!よい体験をしました。
40分程度かと予想したステージだが、彼らは常に全力投球!
なんと2時間近くも怒濤の演奏は続き、あろうことか
自分のほうが酔いもまわり途中で疲れてきてしまった。
そろそろジャンプも苦しくなったところでついにプチリタイア、
アンコールはステージ後方でまったり聴かせて頂いた。
できれば歌抜きのバツカーダも聴きたかったが、贅沢はいうまい。
やはりブラジルパワーはすさまじい!
いやあしかし、観客も含めてブラジリアン・パワーはすごい。体温が低いと言われている日本人もブラジルにいけば、あんな風にパワフルになれるのかな?
>曲目もバンドステージ用のポップ仕様ということだったのでしょうか。
おそらくそうだと思います。彼らは歌入りのCDもいろいろ出しているようですが、ステージでの選曲はレゲエも含めて完全に海外向け仕様のような気がしました。現地のステージなら別の歌をやりそうです。
>確かにダカダカは結構ワンパターンですけど、あれは全然飽きないですね
ダカダカは本当に最高ですね!あのダカダカだけでパレードするのが本来のオロドゥンなのではないでしょうか。あのリズムはレゲエ由来だといいますが、自分にはアフロファンクの香りがします。いつかバイーアの道端でずっと聴いてみたいものです。
しかしブラジルパワーは凄いですね。日系の方でもサンバの指導者は多いですし、リズム感や国民性を育むのは人種じゃなくて土地なのかな、なんて思いました。(何代もかかるのかもしれませんが 笑)
おお、同じ疑問を持たれた方にお会いできて嬉しいです。サンバヘギとの出会いが数年前の浅草サンバでのバハヴェントだったという初心者マークの私も、当時から「これのどこがレゲエ?むしろファンクじゃないの?」と不思議で仕方ありませんでした。
オロドゥンは70年代後半に設立された文化団体で、アフロにレゲエをミックスしたリズムを生みだしたそうです。最近下記のサイトでサンバへギのリズム理論を読み一度は納得したのですが、最近また揺らいでいます。この説明はいかがですか?
桜丘町音楽夜噺(第10夜)
http://ongakuyobanashi.jp/past_events/010/talk01.htm
初期の頃はあのリズムに泥臭い民謡をのっけて歌っていたようですが(硬派路線?)、そのうちポップ路線に転向し、音楽面での近年のオロドゥンは評価が分かれるらしい・・です。
一昨日のブラジルフェスでは選曲に違和感が残りましたが、その辺りは中原仁さん(リンク先をどうぞ)のブログにも書かれていますので、よろしければご覧になってみてください。
ただ、さんざ踊り狂っておいて今更何ですが、僕もあのステージには100%満足という感じではなくて、やっぱりもっと泥臭いものを期待してました。ここいらの体の素直な反応みたいのは大切にしたいというか、やっぱり体の音感?鍛えるためにも現地の空気に触れてみたいですね~
ところで、ブログに“ご多聞にもれずポール・サイモンで…”などと書きましたが、オロドゥンはマイケルとも共演していたのですね(笑)。お見逸れしました(どっちを?)。
ジミクリのサンバレゲエ?・・そういえば聴いたことがあるなと調べましたら93年産、どうやらブラジルインスパイアの歌みたいです。それにしても「ブラジル音楽の咀嚼力」とは名言ですね!ブラジルのポップやソウルには、単なるアメリカの真似などではありえない強烈なオリジナリティを感じます。
ところでオロドゥンですが、
>やっぱりもっと泥臭いものを期待してました。
まったく同感です。逆説的ですが、浅草で観たバハヴェントのほうが泥臭さがあって好みでした。バハヴェントはブラジルフェスでも道端で盛りあげてくれましたが、昨年のアザ・ヂ・アーギアのようにオロドゥンと共演するかもと期待していたので、少し残念でした。
恥ずかしながらポール・サイモンとの共演も知らず、90年代の世界癒し系マイケルもスルーしていたので最近まで共演曲をまともに聴いていませんでした・・顔洗って出直してきます(恥)