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音の世界

「ノリのいい音楽」をテーマに、CDやライブの感想を綴ります。

ちんどん前夜祭(3)~寄り道

2007-09-06 23:46:20 | チンドン
日本の大道芸~チンドン屋
小一堂宣伝社社中,万宣社社中ほか
キングレコード


いつまで経っても全国ちんどん博覧会の感想に
辿りつきませんが、前回の続きです。

さて、ようやく探し当てた「効果音大全集」の正体にして
「チンドン大行進」こと「日本の大道芸 チンドン屋」は、
ナレーション込みで21曲収録という豪華盤。

一聴して驚いたのが、「音がいい」こと。
デジタルリマスタリングを施してあるのか、
大昔の録音といえども楽器の音の粒立ちがよく、
以前聴いていたバージョンとはまるで違う印象がある。
いかにも昔風の演奏スタイルなのに新鮮で、力強い。
これが、この音源の本来のパワーなのだろう。

元気のよい鉦の音から始まる超ファンキーな「たけす」
(↑猫山イチオシ。ファンク好きの方にオススメ)、
同じくファンキーでノリのいい「千鳥」、
リズミカルですっとぼけた味わいの「きぬた」、
クラリネットの名調子がなんともいえない「美しき天然」、
どこかで聞いた覚えのある声色の「口上」、
一緒に踊りたくなるような調子のいい「恋の季節」。
チャンチャンという三味線の音色が各曲に厚みを加えている。

・・ああ、どれも名曲・名演揃いです!
その方面から教えて頂いた情報によると、演者のひとつ・
小一堂宣伝社とは、東京の複数のチンドン屋さんの総称とか。
親方達の演奏集としても聴き応えがあるのではないでしょうか。

昔ほそぼそと聴いていた音源を、
今こうしてご紹介できる幸運を喜びつつ。

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ちんどん前夜祭(2)~幻のレコードを追う

2007-09-06 00:33:02 | チンドン

【↑幻のジャケットを再現】

幼い頃からチンドン屋さんが好きだった。
自分の住む団地に時たま忽然と現れるチンドン屋さんは
小さな子供には白昼夢のような、摩訶不思議な存在だった。

そんなチンドン屋さんのビジュアル的な魅力とは別に、
中学生の頃にサウンド面で夢中にさせてくれたレコードがある。
キングレコードの「効果音大全集【風物】チンドン屋」だ。
「たけす」や「千鳥」といった定番曲が収録された
20分足らずの短いアルバムだが、この演奏がすごくイイ。
疾走感あふれるドドドンという太鼓やシャカシャカという
にぎやかな鉦の音に強烈な「ファンクネス」を感じた私は、
愛聴するR&Bやファンクのレコードと共に
この「効果音大全集」を繰り返し聴いていた。

・・これ、誰が演奏していたんだろう?
このレコードの一部がCD化されて「効果音大全集 風物」に
収められているのは突きとめたが、アーティスト表記がない。
肝心のレコードも失くした今、残された道はただ一つ、
ちんどん屋さんに直接聞いてみることだ。
そして、そんな自分に千載一遇のチャンスが訪れた!

・・ところ変わって浅草ヨーロー堂。
「貴重音源聴きくらべ会」が終了すると同時に、
持参したCD「効果音大全集」を手におそるおそる前に出て
「誰が演奏しているか知りたい」と尋ねてみる。
すると、居合わせた親方衆が即座に答えてくださった。

「それは、”ちんどん大行進”に入っているのと同じです」

(あ、ありがとうございます親方!)

ついについに探し当てたぞ「ちんどん大行進」!
ところが売場に「ちんどん大行進」なるCDは存在せず、
「日本の大道芸 チンドン屋」があるのみだ。
このCDか?このCDに入っているのか??
慎重に慎重を期して何度も店員さんに確かめ、
ン十年かけてようやく辿りついた幻のアーティストの名前は
「小一堂宣伝社社中」だった。
・・ああよかった、アーティスト名がやっとわかった。
先ほどまでの不調はどこへやら、購入したCDを手に
意気ヨーローと帰途についたのでありました。

小一堂宣伝社社中御中
どんな方々かは存じませんが、ファンです!

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ちんどん前夜祭~下町の音風景(1)

2007-09-03 22:21:27 | チンドン
さて、全国ちんどん博覧会の前夜祭は
浅草のレコード店・ヨーロー堂2階で行われる
ちんどん屋の貴重録音聴き比べ会である。
題して「超マニアック!~下町の音風景~」。

ところが、昨夜のちんどんプレライブでハシャギ過ぎて
知恵熱でも出たか、どうにも体調がよくない。
しかし、レア音源に加えてチンドン屋さんに訊ねたいこともある。
今回を逃すと、恐らく二度と訊ねる機会はないだろう。
やはりどうしても行きたい!!

というわけで、ヨロヨロと向かいましたは浅草ヨーロー堂。
道中モーローとしながらも、先人の格言が甦る。
意志あるところに道あり。全ての道はヨーロー堂に通ず!

さて、先週ヨーロー堂のご主人に聞いておいた混み具合
(「そんなに混まないと思いますよ~」)とは裏腹に、
ヨーロー堂2Fのイベントホールは先客で一杯だ。
席を確保し一旦外に出て時間ぎりぎりに戻ってくると、
なななんと、既に会が始まっているではないか!!
え、何、「ちんどんとチョッパーベースの融合」?
うわ~~貴重な1曲目を聞き逃した!猫山一生の不覚!!

思わぬ事態にうろたえながらも気持ちを落ち着かせ、
2曲目からはレア音源に集中する。司会者の言葉を
聞き漏らすまいと、持参したメモにペンを走らせながら。

ホスト進行はちんどん通信社の林幸治郎親方だ。
現存する最古のチンドン音源である昭和初期のSP盤や、
彼が若き日に今は亡き師匠の演奏をコッソリ録音したテープ、
大昔の「徹子の部屋」にチンドン屋がゲスト出演したときの
テレビ(にカセットデッキを近づけてエア録音したもの)など、
想像を遙かに超えるディープな世界が展開される。

また、「スーパーマニアックチンドンコレクター」である
ジンタらムータの大熊ワタルさんや東京ちんどん倶楽部の高田さん、
そして九州の河内家の若親方(お二人とも素顔で登場。ビックリ!)らが
持参のレア音源を流し、とうとうとウンチクを語っていく。
演奏が始まると自分も目を閉じて耳を澄ませる。
わんわんいう道端の犬の声、張りのある見事な口上・・
昔どこかの街角で実際に採取された、リアルな音の風景だ。

林親方自身が語っていたように、チンドン屋さんの真髄は
音楽だけではなく、実際に見なければ分かりにくい側面がある。
次回(←ぜひ開催して下さい!)は映像付きでやりたい、
とのことだが、音だけを手がかりにあれこれ想像するのも
とても楽しいものだった。

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全国ちんどん博覧会前々夜祭

2007-09-03 18:07:24 | チンドン


ライブハウス、浅草KURAWOODで行われる
全国ちんどん博覧会記念プレライブ。
大熊ワタルさん率いるジンタらムータや
大阪のちんどん通信社の林幸治郎親方、
そして福岡のアダチ宣伝社など、ちんどん界の
豪華メンバーが勢ぞろいするらしい。
さて、一体どんなライブなのか?まるで想像がつかない。

トップバッターは福岡のアダチ宣伝社。
イカ天で活躍していた「たけのうちカルテット」の
リーダー・安達ひでやさん率いるチンドン屋さんで、
安達さんは執筆やラジオもこなす、地元では有名な方だと思われる。
お得意の替え歌や一輪車に乗っての演奏など、
短いながらも充実したパフォーマンスをみせてくれた。

次に登場したのは、ちんどん太鼓にサックスや
チューバの演奏が本格的な、ちんどんブラス金魚。
ジャズっぽく迫力ある演奏にノリノリになっていると、
強烈な個性のボーカルが忽然と現れた!
ふわふわモヘア調の半袖セーターにメロン状の網柄パンタロン。
グループサウンズのアイドルふうの華奢なオニイサンだ。
この人がなんともスゴイ!超ハイテンションにクルクル踊りながら
「越路吹雪さんの”ラストダンスは私に”のB面」とか、
昔のシャンソン風の歌謡曲を自在に歌いまくる。これがまたウマイのだ!
当初驚きのあまりボー然としていた私も
彼の猛烈なステージパフォーマンスにのせられ、
いつしか夢中で一緒に大きな手拍子を送る。
どうやらこのオニイサン、「ソワレさん」といって
新宿ゴールデン街のママさん(?)らしい。流石だ!

ちんどんブラス金魚のすごい演奏に毒気を抜かれていると、
ニコニコピンピンフィルハーモニックオーケストラが登場した。
十名以上からなる大きな吹奏楽団で、大昔(大正時代!)の
歌謡曲や童謡などをまったりと演奏していく。続いて
喜楽家扇太郎親方の旅芝居と軍艦マーチの演奏があり、
いよいよジンタらムータの出番である。

大熊ワタルさんのお名前は知っていたものの、音を聴くのは初めてだ。
大熊さんのクラリネットとチンドン太鼓の女性の激烈に高速な鉦の音、
先ほどのニコニコピンピンフィルハーモニックオーケストラでも
ソウルフルな演奏を披露していた中尾さんのドラムや
チューバの低音などが渾然一体となって耳に飛び込んでくる。
日本のお囃子やネパールの結婚式の歌、さらに中東の音楽など
どれもノリがよく、独自の音楽に昇華されている。
金魚のように艶やかな衣装の2名のベリーダンサーも登場し、
巨大な扇子を振ったり「剣の舞」などアクロバティックな芸を披露する。
一瞬でライブハウスがなんとも妖しげな異空間に変わった。素晴らしい!

他にもちんどん界の重鎮、瀧の家一二三親方の飛び入りや
林幸治郎親方のプライベート話、カラフルな大黒様の口上や
全員揃ってのスペシャルセッションなどもあり、
濃厚極まりない約3時間のステージだった。
今まで接したことのないジャンルの音楽だが、特に
ジンタらムータのライブには是非また行きたいと思う。

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全国ちんどん博覧会前夜祭(とり急ぎ)

2007-09-02 00:16:53 | チンドン


浅草の老舗レコード店、ヨーロー堂で行われた
ちんどん屋の貴重録音聴きくらべ会に行ってきました。
これから行われる本編に勝るとも劣らない、
いや、実をいうと本編よりむしろ期待をかけていた
超ド級のスペシャルイベントです。

体調不良の折、参加が危ぶまれましたが(私の中で)、

いや~、ほんとに行ってよかった!

「貴重録音」の看板に偽りなし、空前絶後、
二度と聴くことはできないであろう
激レア音源の数々を堪能させて頂きました。

さらに、中学生のときにレコードで出会って以来
ずっと探していたチンドン音源の出どころも明らかになり、
個人的にとても嬉しい一日となりました。

詳細は改めて書きたいと思います。
(嗚呼、書いていないレポが溜まっていく・・)

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全国ちんどん博覧会プレライブ(とり急ぎ)

2007-09-01 01:11:20 | チンドン
ライブハウス・浅草KURAWOODで行われた
全国ちんどん博覧会記念プレライブに行ってまいりました。
福岡からきたアダチ宣伝社の生オッペケペー節に感激!

結果、頭の中がオッペケペー節で占領されております。
おっぺけぺー、おっぺけぺー・・
クールダウンには暫らく時間がかかりそうです。

ちなみに浅草ヨーロー堂のちんどんレア音源鑑賞会は50人、
本編である全国ちんどん博覧会のキャパは2000人程度で、
2000人を超えると入場制限がかかるかも、とのこと。(!)
会場まで行って入れなかったら泣きます・・
いったい何時までに行けば間に合うのか?
その場になってみないとわからない!

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全国ちんどん博覧会いよいよ!

2007-08-27 23:47:43 | チンドン

【↑浅草の老舗レコード店、ヨーロー堂店頭にて】

9月2日(日)に上野水上音楽堂で行われる
第5回全国ちんどん博覧会。(←pdf)
テーマは「東京チンドン~その大いなる継承」。
全国から名うてのチンドン屋さんが集結し、
ベテランから若手へと受け継がれる伝統芸の数々を
ステージショウ形式で見せてくれるそうです。
宣伝のプロ、チンドン屋さんが企画するだけに
舞台の楽しさは折り紙つきだと思われます。
口上の素晴らしいチーム、チンドン太鼓の素晴らしいチーム、
ユーモアセンスの卓越したチーム・・
普段なかなか一箇所では見ることのできない
個性あふれる全国のチンドン屋さんが一同に会します。

さらに、ちんどん装束のファッションショーもあるとか。
これは見逃せません!

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全国ちんどん博覧会・続報

2007-07-08 02:12:44 | チンドン
【先日の続き】

先日、「ちんどん博覧会の続報を待つ」と書いたところ
待ちに待った続報が出ましたので、ご紹介。

↓ちんどん通信社さんのサイトよりご覧ください。
http://www.tozaiya.co.jp/
(フライヤーなのでしょうか?ナイスなイラストです)

なんでも大ベテランから若手まで勢ぞろいで
ちんどん文化を紹介する・・という内容らしく、
ちんどん装束のファッションショーもあるとか。

さらに詳細が待たれます。

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ちんどんミニ情報

2007-07-05 00:25:19 | チンドン
【前々回の続き?】
アダチ宣伝社さんのサイトを覗いたら、
九州の健康情報誌に安達社長のインタビューが
掲載され、HP上でも見られるとのこと。↓
http://www.e-shizenkan.com/tanpopo/special/200707/index.asp

何気なく見てみると、予想以上の充実ぶり!
チンドン屋結成のいきさつを語るロングインタビューから
一枚ごとに丁寧な解説の付いたフォトアルバム、
そして昨年の富山チンドンコンクール決勝の動画まで
アップされているではありませんか!
なかなか観る機会がないだけに、これは嬉しい。
安達さんの見事な口上を堪能させて頂きました。

インタビューで特に印象に残ったのが、(チンドン屋は)
「華やかで、楽しそうに見えなければ仕事にならない」というひと言。
先日観た富山チンドンコンクールの会場で、
大変なハードスケジュールの中でも徹頭徹尾
観客を楽しませてくれた安達さんの姿が思い出されます。

・・さらに「取材こぼれ話」のページも必見です。
  ちんどんファンの皆様、お見落とし無きよう。

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楽しいチンドン むかしのうた

2007-06-30 00:51:45 | チンドン


9月2日(日)に上野水上音楽堂で開催される
第五回全国ちんどん博覧会。
その「ちん博」に九州チンドン界の若手ホープ、
アダチ宣伝社(通称”アダ宣”)も参加されるようです!!

やったーーーー!!!!

4月に富山で行われたチンドンコンクールでは
軽妙な替え歌で会場を沸かせていた強豪チーム。
今度のちん博にも来て欲しいと念を送り続けたのが
通じたのでしょうか!?

ということで、お祝いのBGMは
アダチ宣伝社2005年発売のアルバム、
【楽しいチンドン むかしのうた】。

「千鳥」や「米洗い」、「四丁目」といった
思わず踊りだしたくなる定番のお囃子の数々から
口上のリズムが秀逸な「オッペケペー節」、
バンジョーの音色が冴える「ハイカラ節」など
明治~大正時代の名曲・民謡まで、確かな演奏力で
濃厚に、かつサラリと聴かせる名盤です。

クラリネットの美しいメロディが哀愁を漂わせつつも
アルバム全体が明るく軽やかなトーンで貫かれ、
タイトル通りなんとも楽しい気分になります。

さて、今度の「生・あだせん」は
どんな演奏を聴かせてくれるでしょうか?
ちんどん博覧会の続報を待つ!

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富山ちんどん紀行:総括

2007-04-11 01:10:42 | チンドン

全日本ちんどんコンクールのパンフレット。
 昨年優勝したアダチ宣伝社の安達さんのコラムが、
 トーナメントの魅力を伝えてくれる。

さて、今回ちんどんコンクールを観戦し、
3年前とはまた違った印象を受けた。
あくまで個人的な感想だが、ここに付記しておきたい。

総括:ちんどんコンクールはパワーアップしている!

53年にわたり行われてきたコンクールの歴史の中でも
2年前からトーナメント戦になったことは
かなりドラスティックな変化なのではないかと思う。
勝負的な要素が強まったことで、近年増えているという
若手のチンドン屋さんの生き生きとした活躍が一層際立つ。
彼らの芸達者ぶりや丁々発止のスピード感あふれる試合をみると、
チンドン屋さんという宣伝業への理解が深まるように感じられる。

また、トーナメントという形態は
「ご贔屓のチームでも来年はどうなるかわからない」
という緊張感と共に、リピーター(=私)の獲得が期待できる。
ちんどんコンクールは毎年同じ古色蒼然とした祭りではなく、
現在進行形の”生きた”イベントなのだと改めて実感した。

いっぽう気になったのは、やはり観客の年齢層の高さだ。
以前も書いたが、出演者に20代、30代の若手が多いにもかかわらず
見ているのは地元のお年寄りが多かった。もっと若い人達にも
このイベントの面白さが伝わるといいのにな、と心から思う。

また、もう一つ気になったのはチンドン屋さん達の忙しさだ。
前夜祭から始まり開会式、開幕パレード、予選、余興、
審査員、路上ライブ、そして本選に閉幕パレード・・
拘束時間の長さもさることながら、この忙しさの中でトーナメント戦で
観客をうならせるアドリブ演技をいくつも考えるのは、
本当にプレッシャーが大きいのではなかろうか。
見ている側は、より一層面白くなったと楽しんでいられるが、
準備するほうは以前より格段に厳しい状況なのではないかと心配だ。
くれぐれも、ご無理のないように・・と観客ながら気をもんでしまう。

それでも「他のチームの演技を見ることは勉強になります」と、
笑顔で徹底的に私達を楽しませてくれるチンドン屋さんには頭が下がる。
宣伝業というエンターテイメントの真髄をみると同時に
彼らのコンクールにかける熱意を肌で感じた3日間だった。

「見に行くのは今回だけ」のつもりが、またもやクセになりそうな気配だ・・

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富山ちんどん紀行:3日目

2007-04-09 19:15:56 | チンドン

決戦は日曜日。

さて、全日本ちんどんコンクールのハイライトは
なんといっても日曜日に行われる本選だ。
昨日の予選を勝ち抜いた8チームによるトーナメント戦は
観客の数も最高潮に達し、活気と期待に満ちている。
激戦をくぐりぬけた各チームのレベルは高く、
磨きぬかれた「プロの宣伝技」を楽しむことができる。
先攻赤組・後攻白組それぞれ3分間の演技の後、
11名の審査員が掲げる旗の数の多さで勝ちが決まる。
口上のテーマは、協賛スポンサー各社の宣伝だ。
県外の人間には何を扱う会社なのか分からない時もあり、
チンドン屋さんの宣伝を聞きながら「何の業種の宣伝なのか」を
逆に推測する、というある種の”ねじれ”を体験した。

*-------------------------------------------------*
【一回戦:お題は「新鮮市場」】
東京チンドン倶楽部 VS ちんどん通信社年丸

東京が僅差で勝つかと思われたが、結果は年丸だった。

*-------------------------------------------------*
【一回戦:お題は「北日本新聞」】
アダチ宣伝社カズミ VS 菊乃家遊組

どちらも好きなチーム。遊組は演劇系の方々らしく、
ノリのよいパーカッシブな演奏が光る。
カズミは新聞沙汰になったもろもろの事件を替え歌にし、
グループサウンズにうまく乗せて勝利。

*-------------------------------------------------*
【一回戦:お題は「大阪屋ショップ(スーパー)」】
ちんどん通信社政丸 VS ちんどん通信社囃子座

同部屋対決で注目を集める。林幸治郎親方率いる
「囃子座」は旅芝居風の芸風で、さすがの貫禄あるステージ。
いっぽう「政丸」は若手3人の生きのいい演目で、林師匠に勝つ。
「福の神様」が踊りだす操り人形のパフォーマンスは圧巻!

*-------------------------------------------------*
【一回戦:お題は「ダイワハウス」】
桜小路陽炎 VS かわち家

地元富山の桜小路陽炎はいい演技だったが、
超実力派のかわち家には勝てず。でも、どちらも個性が光り、
「ダイワハウス」のよい宣伝になっていたと思う。

*-------------------------------------------------*
【準決勝:お題は「富山大和(百貨店)」】
ちんどん通信社年丸 VS アダチ通信社カズミ

アダチ社長の「死んでも大和でお買い物~♪」には
笑ってしまった。完璧な替え歌で勝利!

*-------------------------------------------------*
【準決勝:お題は「ますのすし」】
かわち家 VS ちんどん通信社政丸

かわち家さんのチンドン太鼓は低音でファンキーで大好きだ。
彼ら3人の、リズミカルで一糸乱れぬ力強い口上には感動のひと言。
どちらにも決勝に進んで欲しかったが、政丸の勝ち。
両チームのすごい口上を聞き、慌てて「ますのすし」を買いに走る。
チンドン屋さんの宣伝効果を身をもって実感した。

*-------------------------------------------------*
【決勝:お題は「ファボーレ(ショッピングセンターと温泉施設)」】
アダチ宣伝社カズミ VS ちんどん通信社政丸

頂上決戦は昨年の優勝チーム・アダチ宣伝社と
ちんどん通信社の新進気鋭チーム・政丸。
アダチ宣伝社はさすがの替え歌で勝負。
「若大将のテーマ」をもじってライバル企業を皮肉った
”ぼかあ、品薄だなア”には激笑しましたが、
政丸の元気いっぱいリズム感抜群の「ファボウレッ!」という
耳に残るフレーズが会場の大きな拍手を誘い、三連覇ならず。

政丸さん、優勝おめでとうございます!

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富山ちんどん紀行:2日目 その2

2007-04-09 19:13:23 | チンドン


ちんどんコンクールの予選終了後、
弁当でも食べようかとうろうろしていると
舞台ではチンドンマンにお祝いしてもらいたい人が
続々とステージに上がっている。
中には「私の20代最後を記念して祝って欲しい」とか
チンドン屋さんもお祝いの仕方に困るような
なかなかユニークな方達も登場して、目が離せない(笑)

【素人チンドンコンクール】
プロの予選に引き続き、午後からは全国から集まった
30ものアマチュアチームのコンクールが行われた。
プロと違い1チームの人数や口上のテーマ、
時間等に制限はないため、その内容は本当に多種多様だ。
華麗な衣装や演奏内容等、とても見応えのあるチームも多い。
親子3代のファミリーチームや大学のチンドンサークル、
企業内のサークルなど、構成メンバーも多岐にわたる。

審査員の先生方の真摯な講評には特に感銘を受けた。
ちんどん通信社の林幸治郎親方やアダチ宣伝社の安達社長らが
1チームずつ、かなりの時間をかけて演技を講評していく。
今朝の予選を戦った後での3時間以上にわたる審査である。
イベントの出演者兼オーガナイザーでもある、
この方達の大変さはいかばかりかと思う。
親方達の愛情あふれるアドバイスを聞くにつけ、
単なる一観客ではあるが本当に頭が下がる思いだった。

【チンドン熱血ライブ(九州編)】:富山駅前等
いよいよ私が今回一番楽しみにしていたイベントだ。
この地域は若手実力派のチンドン屋さんが多いようだが、
九州以外で彼らの演奏を聴ける機会はまずない。
あいにくの小雨がぱらつく中、かわち屋さんの見事な口上と
合同チームの力強い太鼓が印象的な「たけす」でライブが始まった。
ビー玉本舗の「おっちゃん」によるバナナの叩き売りの口上は、
ラップ顔負けの迫力に満ちている。日本的なラップのリズムは
「4,4,5」なのだなあ、と感心しつつ、南京玉すだれや
アダチ宣伝社さんの唄と木琴演奏、そしてかわち屋さんの
「無法松の一生」など、かずかずの昭和歌謡を楽しんだ。
その後彼らは夜の富山城址公園に移動し松川べりでもライブを行い、
大勢の観客を沸かせていた。

路上ライブも素晴らしいが、3年前に行われた
特別企画「チンドンスーパーライブ」のように本格的な
ステージ構成でも、彼らの演奏をじっくり聴いてみたいと思う。


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富山ちんどん紀行:2日目 その1

2007-04-09 18:56:25 | チンドン


4月7日土曜日。いよいよチンドンコンクールの開幕である。
日差しが眩しいほどに晴れ渡り、絶好のチンドン日和だ。

【オープニングセレモニー】富山市役所前にて。

プロ30組のチンドンマンが、コンクールの出演順をクジで決めつつ
市役所前広場に登場する。強豪チームが何番目に登場するのか、
そして1番を引いてしまうのはどのチームか、興味は尽きない。
こういうコンテストでは、出場順序は非常に大事な要素なのだ。

クジ引きが終わり全チーム出揃ったところで、富山市長らが開幕の挨拶を行った。
なんと市長自らがサックスの腕前を披露し、
チンドンマンと「たけす」を合奏して喝采を浴びる。
このコンクールにかける富山市の並々ならぬ意気込みが感じられる。
その後、全チームがコンテスト会場へとパレードを行った。

【全日本チンドンコンクール(予選)】県庁前公園にて。

全国から集結したプロ30組のチンドンチームによる予選で、
上位8チームのみが翌日の決勝に進出できる。
クジ引きの順番どおり登場する3人ひと組のチンドンマンが
「富山のよいところ」をテーマに、鳴り物や口上を披露する。
ステージは大相撲の土俵よろしく全方位にむいており、
どの位置からも楽しめるよう、演者にはダイナミックな動きが要求される。
1チームに与えられる時間は3分間。演技終了後は
8名の審査員が速やかに点数をつけ、総合点で上位8組を選出する。

・・いやあ、シビアだ!だけど面白い!
3年前に見たときは、全てのチームの演技が終わった後
いくつかの賞が発表される形式だったが、今回のコンクールは
1チームごとの絶対評価で、自分にとっても緊張感がまるで違う。
自分がお気に入りの強豪チームがいくつかあるのだが、
必ずしも彼らが常に高得点とは限らない。
ご贔屓のチームが決勝に進めるのか、事態は刻一刻と変化し、
かたときも目が離せない。

見ていて感じたのは、チンドンは何よりも「宣伝」が第一目的だということだ。
いかに「コンテスト」といえども、それは変わらない。
ベテラン勢が繰り出す鳴り物や口上のワザは、失礼ながら
ときとして「やりすぎ」に感じられるときもある。
逆に「富山のよいところ」を3分間素朴に力強くアピールしきった
新興チームのほうが好印象で高得点ということもままあった。
宣伝するのはあくまで「富山のよいところ」であり、
自分達をPRするのではない。しかし同時に彼ら自身の個性を
アピールできなければ高得点には結びつかない。
双方のバランスを要求される、難しいところだ。

しかも面白いことに、1点を争うコンテストなのに
得点の集計がけっこう適当(笑)
審査員が掲げる点数を、可愛い小学生2人の暗算で集計し、
発表すると双方いってることがバラバラ(笑)
計算結果に「ものいい」がつくこともままあって、
これはこれでユルくて面白い。

チンドンマンにとってはこのコンクールの結果は
彼らの翌年の売り上げをも左右する、大事な機会だそうだ。
しかしこんなユルさを含めて会場の雰囲気はあくまで楽しく和やかで、
緩急のバランスがうまくとれていると思う。
そしてその楽しさは、コンテストではあっても
チンドン屋さん達がオーディエンスを楽しませることを第一に、
常に気を配っているからではないだろうか。

<そして予選が終わり>
なんと、8位(89点)が3チームもあり、同点決勝となった。

・アダチ宣伝社 ヒサエ (福岡)
・こんぺい党        (福岡)
・ちんどん通信社 年丸  (大阪)

「ヒサエ」は音楽性豊かで好きなチームだが、
「こんぺい党」は新幹線のカブリモノで”北陸新幹線”を
元気よくアピールし、今回一番私のツボにはまった。
どちらも勝って欲しいが、そういう訳にもいかない。
1分半というさらに短い時間でのアドリブ決戦の結果、
「ちんどん通信社 年丸」が決勝進出と相成った。
う~ん、こんぺい党とヒサエ惜しい!でも楽しかったです。

さて明日の本選はどうなるのか、ハイレベルな闘いが期待される。

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富山ちんどん紀行:1日目

2007-04-09 01:37:29 | チンドン


戦後の富山の街の復興を祈念して昭和30年に始まり
今年で53回目を迎えた、全日本ちんどんコンクール。
全国からプロ・アマあわせて60組ものちんどん屋さんが集結する
年に一度のビッグイベントだ。

このイベントを観に初めて富山を訪れたのは3年前。
(→そのときの様子はチンドンコンクールの思い出其の一其のニ
後にも先にも見るのは一度きり、のつもりだったが
その後チンドンコンクールの形式が大幅に変わったと知り、
いてもたってもいられなくなった。

以前はプロ・アマ各部門の出場チームが順番に演目を披露し
最後に審査員より最優秀賞その他各賞が発表される、
文字通りのコンクールだった。しかし、第51回目以降は
プロ部門が予選・本選のトーナメント方式に変わり、
よりシビアな戦いが繰り広げられているという。

屋号をかけての全国勝ち抜きチンドンバトル。これは見たい!

・・というわけで、3年ぶりにやってきました富山駅前。
金曜の午後に到着し、向かった先はチンドンファンの聖地
(と自分が勝手に決めている)、富山物産館のあるCICビル。
物産館の一角にチンドンミュージアムが入っており、
本物のちんどん太鼓を叩くことができるのだ。
定番のお囃子・「たけす」のメロディに合わせてチンドン叩くこと数分間、
チンドン好きには堪らないひとときだ。

「聖地参り」を済ませた後は、
同じフロアで毎年開催されている「富山の酒フェア」へ。
会場の入り口で200円のお猪口を買うと
富山の銘酒が試飲し放題の、大変素敵な催しである。
旨くて格安な地酒の量り売りもあり、目が離せない。
「ちょっと試飲」のつもりがへべれけになり、かなりイイ調子で
本日のメインイベント、「幽玄ちんどん夜桜流し」へ向かう。

【幽玄ちんどん夜桜流し】:富山城址公園(松川沿い)にて。

これはちんどんコンクールの「前夜祭」的な位置付けで、
公園界隈の花見客の間をチンドン屋さんが練り歩き
ときにはチンドン屋さん自ら遊覧船に乗って
ライトアップされた松川沿いを歌い流す、という粋なイベントだ。
九州のアダチ宣伝社を中心とする数チームが、
肌寒さの残る夜の公園を景気づけに廻っていく。
ノリのいい酔客とはグループサウンズで盛り上がり、楽しそう。
流しの途中で私の好きな「きぬた」の演奏が聴けたのも嬉しい。
哀愁を帯びたクラリネットのコブシの効いた音色が川べりに響き、
なんともいい雰囲気である。

つかず離れずのスタンスで彼らについて川沿いを往復すること30分、
皆で輪になってひとしきり合奏を行ったあと、
アダチ宣伝社社長の「明日からご声援よろしく」の挨拶とともに
「夜桜流し」はお開きとなった。

それにしても、4月の富山の夜はまだまだ寒い。
川べりのステージで演歌歌手の方の営業タイムが入っていたが、
この寒空に肩も露わなノースリーブの白いドレス姿!
彼女はさぞかし寒かったのではないでしょうか・・

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