音楽の森とタイニーハウス

茨城県山間部のログハウス&音楽研修施設

月食+陰翳礼讃=クラウス・オガーマン

2018-01-31 | オーディオ
皆既月食の夜。
マンションのベランダから見上げるとそこは谷崎潤一郎の世界。
巷に広がるLED照明とは真逆のまさに陰翳礼讃の耽美な夜。

「障子が、薄明かりの中でその向こうの人や風景を見えるような、
見えないような曖昧さの中に感じることが出来るのと同じように、
内でもなければ外でもないという縁側に、空間を仕切る意識が希薄な
日本家屋空間独特の曖昧さの構造を見るという文化論も語られる。」
(ウィキペディアより)

縁側とは「家の中=人間の世界」そして「家の外=神の世界」
その曖昧な場所が縁側。マンションのベランダも「モダン縁側」
人と自然の神世界との「縁を結ぶ」交歓の場所なのでしょう。

そんなロマンティックでスピリチュアルな夜にはクラウス・オガーマン。
ストリングスの複雑なハーモニーは陰翳礼讃と癒しの縁側。
「音楽のトランキライザー」でしょうか。

※Claus Ogerman - The Man Behind The Music

故人となったクラウス・オガーマンのベスト盤。
4枚組CDと豪華ブックレットが付いた企画ものですが、
プレス数が少なく、貴重盤になっているようです。
Amazonなんかでたまに中古を見ますが、ん万円???

オガーマン関連はLP.CDほぼ持ってますが、オーディオが
「陰翳礼讃」で鳴るかどうかの自分のリファレンス音源になってます。

CDのほうがうまく空気感が出ることが多いですが、アナログで
上手く行くと「桃源郷=うっとり恍惚」状態になりますよ。

パワー感のあるアンプや真空管はNGかな。英国のArcamは
そもそもが「陰翳礼讃」系統の鳴り方なんで適役かと思います。