銀河夜想曲   ~Fantastic Ballades~

月が蒼く囁くと、人はいつしか海に浮かぶ舟に揺られ、
そして彼方、海原ワインのコルクに触れるを夢見、また、眠りにつく……

午前零時の子守唄

2007年09月21日 22時31分30秒 | 散文(覚書)
あなたが結婚すると知ってから

私はどこで泣こうか

そればかり考えていました

友達の家

夜の公園

喧騒とタバコの煙が渦巻く

場末の居酒屋

淫靡な c l u b

思いつく限り試してみたけれど

ちっとも悔しくなれませんでした



何が悲しいかって

あなたの祝い日が近付く程に

お酒が美味しくなるの

そう

負け惜しみなんかじゃないわ

だって

こんなにも夜を透かして

グラスの中の酒に見惚れ

その艶色で化粧をしたことなんてなかったもの



いつかきっと泣けるだろうだなんて気休めは

もっと早く気付いていれば良かったという酒の肴にもならないと

午前零時の子守唄

あなたはいつも口遊む



だから私は

気付かぬ内に枕を抱いて

今宵も独りで夢を歌うわ

明日会うあなたは

誰知らぬ今

この逆さに映った頬紅の中にいると

二人だけの

ねじれた逢瀬軸を

掌で

さすりながら





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