村上作品の特徴
すらすらと読めるのに内容を理解するのは、難しい村上世界観。
あっちとこっちの世界
壁を通り抜けたあっちの世界、陰のない世界
なかなかイメージが難しいけど、異次元の世界での夢読み生活
現実と非現実
17歳の時の初恋の16歳の彼女に会いにあっちの世界へ
40歳過ぎても初恋の彼女を忘れられないで引きずっている図書館長中年男
幽霊となった前館長LGBTでありながら人格者との会話がなかなか良いです。
現実の世界での恋愛、喫茶店の店主とのプラトニックな恋愛が美しい描写ですね。
ぼっちキャンプしながら読んだ一番好きな箇所です。
現実世界では生ききれないピア過ぎる少年Mは、あっちの世界で夢読み人として
役割を見つける、なんか救われた思いになります。
こっちの世界には戻れませんが。
コロナ禍で疎外された世界の中で、あっちとこっちを行き来し、より深く自分を
掘っていきながら、魂が成長していくことの意義を感じる作品だと思います。
いま私の力量ではこの作品の総括はできませんが、何回も読み返したい本です。
まとまりのない「街その不確かな壁」読後の感想でした。