Kameの独り言

思いついたことをありのままに

愛別離苦

2007年10月13日 13時23分40秒 | 仏教

 人生では、生老病死の四苦(しく)の他に、まだ四つの苦があります。愛別離苦(あいべつりく)、怨憎(おんぞう)会苦(えく)、求(ぐ)不得苦(ふとくく)、五蘊(ごうん)(五陰(ごおん))盛苦(じょうく)といわれますこの四つと前の四苦を合わせて四苦(しく)八苦(はっく)と呼んでいます。
 愛別離苦とは、愛する人と別れる苦しみです。生別もあれば死別もあります。肉親に死別することも、友人や愛人に死別することもみんな悲しく苦しいことです。また老人が死ぬのは順縁(じゅんえん)といってあきらめもつきますが、自分より若い子供や孫に死なれるのは逆縁(ぎゃくえん)といって、これほど辛いことはありません。
 逆縁にあった母親が気が狂うほど嘆(なげ)き悲しむのは、慰めようもありません。もっと辛いのは、愛する人に自殺されることです。また愛するものが殺されることです。不況のためか年に三万人が自殺している昨今です。残された家族の苦痛はどんなに深いことか。
 北朝鮮の理不尽な拉致によって、家族が引き裂かれ、別れなければならなかった悲劇は、まだ解決を見ないまま、私たちの前に存在しています。生きていれば、いつ、私たちにふりかかってくるかわからない愛別離苦です。
 怨憎会苦(おんぞうえく)は、それと反対に、怨み憎む(うら にくむ)ものとこの世で会わなければならない苦しみです。
 どうしても好きになれない横暴な上司や、生意気な部下と毎日顔を合わせ、厭々(いやいや)仕事をしなければならない場合もあります。
しまいにはいやな気持ちが嵩(こう)じてノイローゼになってしまいます。
 子供の不登校なども、いじめっ子に会うのが原因という場合も多いのです。
 求不得苦(ぐふとくく)というくるしみもあります。これは欲しいものが手に入らないという苦しみです。
 自分はあの人が好きで、こんなに需(もと)めているのに、相手は自分の方をちっとも向いてくれず、他の女と仲良くなってしまったというのも求不得苦です。
 もっと大きな家が欲しい。車を買い替えたい。ブランドのハンドバックが欲しい。ダイヤが欲しい。あの豪華な着物が欲しい。しかし、お金がなくて、何も買えない
 そんな物をプレゼントをしてくれる男が欲しい。しかし一向にあらわれない。人間の欲望は限りなくあるので、欲しいものも限りなくあります。そのほとんどが手に入らないのが、現実の世の中です。それが、苦しい。

欲望が敵(かな)えられない苦しみ

 五蘊盛苦(ごうんじょうく)という苦しみが残っています。五蘊とは人間の体を構成
している五つの要素をさします。つまり、人間の体や心の中で欲望
が燃えさかり、それが敵(かな)えられないので苦しむことです。
 体のかもしだす苦しみといえます。過食(かしょく)、アルコールの依存症(いぞんしょう)、薬物(やくぶつ)依存(いぞん)、セックスの苦しみ、すべて五蘊(ごうん)盛苦(じょうく)です。
 この四つを、前の四苦(しく)と合わせて四苦(しく)八苦(はっく)というのです。
 生きているかぎりついて廻(まわ)るこの世の苦から逃れるには、仏(ぶつ)、法(ぽう)、
僧(そう)の三法(さんぽう)に帰依(きえ)して、八正道(はっしょうどう)を実践するしかないと仏教は教えています。


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