ピカソのオブジェ写真集。
一目見たときから「雄牛」が好きだったけれど、他のもいいなぁ。
見るたびに、これもいいなぁというのが増える。
瓶の中に油が入っている。
隅っこに10年前の大蒜が転がっている。
今日買ったマンガが水で濡れている。
流しのボウルの中に計量カップがある。
空き箱が溜まっている。
ビニール袋に三日分の生ゴミ。
人には見えない棚の隙間にゴキブリの死体。
食器はほんの少しずつ端が欠けていく。
レンジには往年の傷。
と汚れ。
自分の身体にも往年の傷。
と汚れ。
自分の心にも往年の傷。
と汚れ。
埃交じりの空気が。
拡散する湯気で温まっていく。
土から何を読み取るべきか。
土は何を語っているのか。
土が阻むものは何なのか。
土が受け入れるものは何なのか。
土とはそもそも何なのか。
モグラは土で哲学をする。
魚は水で哲学をする。
蛙は雲で哲学をする。
鳥は風で哲学をする。
くだらない。
脳みそなんか使わずに。
くだらない。
言葉なんか使わずに。
アルセーニエフ・作。パヴリーシン・絵。岡田和也・訳。の絵本仕様。絵が実直でいい。
なんとなく引っかかって見かけると気になる言葉がある。そのひとつが「デルス・ウザーラ」だった。この本は原著のエッセンスを抜き取っただけの絵本なので、内容は箸にも棒にもかからないものですが、少なくとも「デルス・ウザーラ」がなんであるかは解りました。
よし、次は本のを読んでみよう。