香川県丸亀市の猪熊源一郎美術館に行った。
写真家杉本博司の一年越しの展覧会『アートの起源 第3期 歴史』をやっていたから観た。
かなりコンセプト色が強い現代アート寄り、というか現代アートそのものの展覧会だな。
杉本博司というとバカみたいに法外な値段のつく世界的な写真家っていうイメージが強いけれど、理論や価値を抜きにして見てみると、割合好きな部類なのです。
見ているとかっちりとつくりこまれた職人的な画面の中になぜかあるユーモアも感じるのです。
まあまあ面白かったです。
ゴミ置き場に。
取り残された。
プラスチックの押し車。
鮮やかな色も。
今はなく。
擦れて割れている。
収集車がやってきても。
持って行かず。
一つ残され。
強い日差しに晒されて。
色は擦れていく。
押し車の中に。
小石がある。
かつて入れられた。
小石がふたつ。
入っている。
ゴミ置き場の隅っこに。
色褪せた。
プラスチックの押し車。
一つ。
取り残されている。
中学生か高校生のときに面白がって読んだ記憶があるが、読み返してみるとこれは中高生には理解できないことも多いやろうなーと思った。
おもろい。は、は、は。
ヒグラシいななく夜明け前。
人間の声はなく清潔な道。
新聞配達のバイクが家々の。
ポストに世間をぶちこんでいく。
なんでそんなに途切れないの。
15紙くらい来てんじゃねえの。
ニュータウンは家の街。
行きはよいよい帰りはこわい。
父さんぼく引越したいよ。
この2年で仕事3つ目の父に言えず。
沈黙と微妙な表情筋でやり過ごす。
自転車押す黄昏の坂道。
角度は多分45度くらい。
気を抜けば一番下まで転げ落ち。
また最初からやり直し。
ヒグラシがいなないている。
夕日は家間に沈む。
ああ黄昏ニュータウン。