月と鳶

藤原辰史 『食べること考えること』

日本において世界において食べるということがどういう風に捉えられてきたのかの歴史的観点や、トラクターなどの物から推論するなどの具体的論考やいろいろ。

「人間は、不思議なことに、七分の一の住人が飢えている街には住みたくないと感じるが、七分の一の住人が飢えている星には平然と住めるのだ。」
「みんなで一緒に作って、食べて、片づけることは、実に楽しく、美しい。その時間を惜しんで成長に邁進する社会こそが「最暗黒」であったことに、光の世界の住人たちは、そのとき初めて気づくはずである。」
「チェーン店の牛丼屋やハンバーガー屋は、見方によっては、こうした「機械化」や「液状化」という恐怖体験の娯楽施設でもある。」
「この中華料理屋が給油的料理店と異なるのは、カウンターに座る人びとの顔の筋肉がいつもゆるんでいることである。」

板絵途中

詩2353「おじいちゃん」

白髪とお髭の。
おじいちゃん。
お辞儀は丁寧。
言葉も丁寧。
ほんとは曲者。
ギターをジャンジャカ。
世の理を。
知っている。
世の成り立ちを。
知っている。
さみしみを。
奥に秘め。
ふざけてセクハラ。
おこられる。
死ぬことが。
近くなったら。
こわいものは。
あんまりないんじゃ。
その顔の。
哀しみは。
自分のためじゃ。
ないのです。