出現の空

油絵とり途中

マイケル・サンデル 『それをお金で買いますか 市場主義の限界』

何にでも市場的価値をつけようとする現代の風潮に警鐘を鳴らす本。理路整然と反対へ行き着く。
つまり市場的価値観を付加することによって、そのものが持つ本来の意味が貶められ腐敗が起こるということ。
道徳的で堅苦しい？いや、これをないがしろにすると持続可能な社会は音なく崩れ去るほどの重要な問題である。そしてそれはもういろんな分野ですでに起こっている。
「人間活動の一つの領域で利他精神が衰えれば、ほかの領域でも、態度、動機、人間関係に同じような変化が生じることになる」

詩2275「孫の手さすり」

雪が降るかもしれないね。
孫の手さすりつぶやいた。
爺は今まで生きてきた。
暗い日明るい日があった。
見るものは変わったと見る。
かつての爺と。
自分では変わらないと感じる。
昔から知らないことだらけよ。
空見上げるだけでおもしれえ。
分からんからおもしれえのよ。
おろおろするのがなあ。
かじかんだ手さすりさすり。
孫に説く。
聡い孫は。
じっと聴いてる。
言葉は解らぬ歳だとしても。
爺が爺であることは分かるのだ。