NARAYA CAFE のできるまで

歴史あるリゾート、箱根宮ノ下駅前で、古い建物を利用したカフェ&ゲストハウスをオープンするため、改装にはげむ日々を綴る

セルフビルドはもうすこしおあずけ、、、

2016-01-23 14:10:53 | 2016休業中
「ぜんぶ自分で作ったんですか?」

NARAYA CAFEの工事について良くお客さんから言われる質問なのですが、答えは「No」です。

足湯一つとっても、温泉・水道水・給湯器からの温水などの配管が必要ですし、板金工事も必要です。
カフェのほうだって、床張りは水平にレベルをとらないといけないので大工さんの仕事だし、石膏ボード張りも凸凹に貼るわけにはいかないので大工さんにやってもらっています。
ただ、できる限り自分たちで関われる部分は関わろうという方針で、壁を塗ったり、塗装をしたり、棚や取っ手を加えてみたりした、、、それがNARAYA CAFEの建設時の実態です。
なので、いわゆる「セルフビルド」というカテゴリーには入らないのかもしれません。
とはいえ、最後の仕上げのところで自分たちが関わることによって、最終的なデザインをやわらかくするというか、いうなれば「手作り感の演出」が出来たように思います。

このブログ「NARAYA CAFEのできるまで」を書き始めてかれこれ10年が経過しました。
当然10年前のことは忘れているので、最近だと「あそこの工事したのいつだっけ」なんて時にこのブログを辿ると分かって、「ああ、じゃあ丸8年経過してるんだね、、、」なんていうふうに備忘録的な役割も担っています。

この10年の間に「セルフビルドでゲストハウスを作る」というのはすっかりスタイルになりました。
我々もそうでしたが、カフェあるいはゲストハウスを作ろう、、、と思い立ったオーナーは、ネットで調べた全国の面白そうな事例を巡礼する場合が多いと思われます。
現在、あちこちに出来ているカフェやゲストハウスのオーナーとも、この8年のあいだに、知らず知らずにNARAYA CAFEでお客さんとして接してきたのかもしれません。

「ゲストハウス」と「セルフビルド」の相性が良いのは、我々(というかもうちょっと下かな、、、)世代の世界観にマッチしているからなのではないでしょうか。
設計・施工・オーナーといった区分、さらにはお客さんとスタッフという区分、すなわち「境界」を崩すことによって、ボーダーレスな世界を表現したい、、、言うなればその表現のツールがカフェであったりゲストハウスであったりするわけです。
近年、アトリエ設計事務所の作品事例のなかにゲストハウスが登場する頻度が増えているのも、その表現のツールとしての効果が認知されてきているからではないかと思います。
その背景には境界を渡り歩いた経験、おもに海外自由旅行の経験がある人が増えたと言うこともあるでしょう。


、、、となんだか研究者目線になってしまいましたが、他人事ではなく我々は当事者です。
NARAYA拡張計画においても、客室とラウンジ、従業員の休憩室と宿泊者用のキッチン、、、などっといった「境界」を崩す試みを随所に仕込んでいきます。
そういったスタイルでお客さんやスタッフが自然と動けるように、やわらかいデザインの空間を作っていかないといけません。
「ここで靴を脱いでください」とか「満席の時はここに並んでください」というふうに最初に空間を決めて、そこに人間を沿わせるのではなく、なんとなくこう動くのが自然だから、そこに待合のためのベンチを置いてみよう、、、というような形で徐々に空間作りを進めていきたいと思っています。
そのためにはやはり、自分の手を動かして作るステージがどうしても必要になってきます。

思えば初期の足湯もあまり作り込みすぎない状態からスタートしました。


2007年10月のブログより

そこからテーブルが着いて、屋根が着いて、、、とお客さんの動きなども見ながら徐々に空間が出来てきました。
そういうマイナーチェンジの部分こそ、セルフビルドの活躍できるところになると思います。
テラス棟のほうもカフェと繋がって足場が良くなってから、いろいろとやり始めることにします。


現在、足湯のデッキ剥がしと接続部分の解体作業がほぼ終わり、来週から開口部の外壁工事や建具工事、トイレの新設工事などが始まります。
このあたりはいわば「境界」を作る工事で、雨仕舞いなども考えるとキッチリやらないといけない部分です。
設計という面でも僕の手には負えないので、ここは友人であり建築士のNaotoにきちんと図面を書いてもらうことにしました。
最近、自身の店「Morimeshi Odawara」が開店したり、2月竣工の現場を抱えていたりと非常に忙しいNaotoですが、一肌脱いでくれました。ありがとう。



さて、僕らは近々材木屋さんの製材所に行ってデッキの塗装作業をする予定ですが、その後しばらくはデッキ下の鉄骨の塗装作業や、コンクリート打ちなど僕の関与できない工事が続きます。
セルフビルドはしばらくおあずけです。
このタイミングに乗じて、一週間ほど境界(国境)を越えてこようかと思っています。
「今年は遠くへは行けないかも、、、」と言っていたのはどこ吹く風か、、(笑)、行き先は南インドです。

最近会う人会う人に「今年は何処行くの?なんだかんだ行くんでしょ、、、」と言われていたので、ブログ読者の方には「やっぱりね」と思われているかもしれませんね。

また恒例の旅ブログ更新します。
(最近、アクセスランキングを見ると昨年のミャンマー旅行記が上位を占めています、、、名実ともに旅ブログになっちゃってますね)
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