奈良散策 第1056弾
1月27日は平城宮跡歴史公園で開かれた「奈良ちとせ祝ぐ寿ぐまつり」を見に行ったのですが、近くで奈良文化財研究所(奈文研)の平城京発掘調査の現地説明会があったので、ついでに見てきました。実は、テレビで現地説明会があることは知っていたのですが、すっかり忘れていました。平城京いざない館の南で立札を持っている人を見て、初め、不動産屋さんの現地案内かなと思ったのですが、その先に人がいっぱいいるのを見てやっと思い出しました。
場所は「平城京左京三条一坊二坪」というのですが、いざない館のすぐ南です。こんな柵で囲まれた中で説明会が行われていました。
案内板です。
その奥にテントが見えますが、そこで説明会資料をいただきました。
中はこんな感じで、遺跡の上を人が通れるような橋が作られていました。見物客はかなり多くて、それぞれの場所で奈文研の方が説明をされ、質問に応じておられました。
中にはこんな石がごろごろしていました。これは近くで用いられた礎石を後世に捨てたものだという説明でした。
建物跡は紐で示されていました。今回の発掘場所に建物跡は6つ見られ、写真に写っているのはそのうち建物5と4です。この場所は朱雀大路に面していて、また、二条大路とも近いので、重要な場所だったと思われています。
これは発掘で出てきた出土品の展示です。年代はどうやって調べるのかと聞いてみたのですが、皿は形状から分かるのだが、こういう壺は見ただけでは難しいとのことでした。
発掘場所の東端に行ってみました。ここに並んでいる穴は南北塀の跡で、これら建物が南北塀と東西塀で囲まれていたということを示しています。
これは地層です。後世になって埋められていったので、こんな地層が見えるようになったそうです。
一か所の穴には石がまとまって捨てられていました。今回の発掘場所だけで、礎石とみられる石は全部で18個も見つかったそうです。おそらく、付近に複数棟の礎石建物があったのではないかと考えられています。
現地説明会は今回初めて行ったのですが、発掘現場を目の当たりに見ることができ、さらに、質問もできるので大変面白かったです。説明会は11時から15時までの4時間開かれていました。それにしても、発掘するたびにこんなに多くの職員の方が長い時間動員されるのはたいへんだろうなぁと思いました。奈文研の方、本当にご苦労様でした。