引き続きアジア&アラブ映画祭(オシアン's シネファン映画祭)で映画三昧の日々。
会場では記者会見&ディスカッションも。
興業としての動員数、観客の反応、スポンサーの顔色を伺うなんぞこれっぽっちのかけらもない、言葉は悪いが正真正銘の映画バカの秀作。圧倒され、勝負を挑まれるのは観客の方、そんな感じ。
映画にはさまざまカテゴリーがある。記念上映作品、インド・アジア初演作品、コンペ(アニメ、ショートフィルム、インド、アジア&アラブ)作品などなど。コンペ作品は上映後に観客に用紙が渡されスコアをつけて投票箱に入れる。
作品の上映前後には監督、主演俳優、プロデューサーから挨拶あり、QAなど観客と(とっちらかった質問含め)の双方向のセッションがある。監督の思いや撮影秘話なども聞く事ができるそれはそれは貴重な体験。有名無名含めた監督たちの話は、私には英知溢れる人生の教えのようにも聞こえる。
作品ひとつ観ると明日も明後日もと連日連夜通うことに…中毒状態。
今日の一本目は、スイス拠点に活動するモロッコ人監督 Mohcine BesriのLes mécréants(悪党)。
モロッコの男女若者グループと彼らを拉致したイスラム原理主義の男たちとの6日間の話。監督が言う「資金が潤沢ではなかったもので…」モロッコの田舎の廃墟が舞台で大きな仕掛けも何もない作り手の技とそれを演じる俳優の演技がギンギン輝く作品だった。
多くのハリウッドやボリウッド映画に見る白黒はっきりつけたエンディングとは異なる、あなた次第、というフランス映画チックな結末。観客から「で、監督結末はどういうことなんですかね」(アホなことを聞くな!)という質問に監督苦笑。「It's all up to you and your imagination, hahaha...」
二本目はBandit Queen (邦題 女盗賊プーラン)。実在の人物プーラン・ラヴィの凄絶な半生を描いた1994年の作品。監督とプーランを演じた主演女優、プロデューサーが登場し、当時の撮影秘話を語る。
1997年に発行された日本語訳を以前に読んだのだが映画は初。凄惨な場面に胸をつぶされる。プーランの人生=インドの陰:カースト、貧困、女性、子供(年齢での)結婚が語られる。
************参考までに******
女子の最低結婚年齢は法律で18歳と決められているが貧困州ではいまだに18歳未満の結婚が多い。
平均年齢(都市部:農村部)22.4歳:20.5歳 全既婚者のうち18歳以下で結婚した人が占める割合は、ジャールカンド州13%を筆頭にラジャスタン州、西ベンガル州、ビハール州、オリッサ州と続く(2010−2011 SRS調査)。
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ま、そんなことで団体競技が苦手な私が一人で没頭できる旅行、料理、走りと横並び映画好きな我としてはこの上なく幸せな時間を送っているのだ。
インド映画史100年で飾られていたレトロなポスター。"Love in Tokyo"これYou Tubeがうまくうめこめないのだけれど1968年に何と!昭和まっただ中の東京で撮影されたインド映画。東京駅を背景に丸の内を歌いながらおどるというすごい展開の映画。むちゃくちゃ面白い。