インドで昨年からはじまったフォーミュラ1(F1)レースの後夜祭としてカルロス・サンタナコンサート開催。
"待望の!"とは新聞記事で書かれている割にはインド的段取りで開催が発表されたのがわずか3週間前。
デリーの前に南のバンガロールでライブ開催という情報を聞いて飛行機に乗って行こうかしら、とも思っていたところ車で飛ばしていける距離で開催されるなら当然それ、と最悪はドタキャンも覚悟の上でチケット買った。ドタキャン?そう、昨年のMetalicaは開演数時間前にBryan Adamsも当日キャンセル、という恐ろしいインド、というよりデリー。何があっても驚かない。
コンサート会場は、F1サーキットから20キロと離れていないノイダの大学敷地内に野外ステージを組んで行われた。だけどチケットがそんな段取りで発売されていたし、宣伝も当然十分ではなかったし、どうやらチケットの売れ行きはサッパリだった様子。あろうことか当日ネットで20%オフになっていた。
会場には私の年代40代後半~50代のおじさんグループと10代-開催された大学の在校生が招待されたよう(うちの娘の世代)で20代~30代抜きの不思議な層の観客。1000人居たかな?という空き具合。大学生達は当然ながらサンタナについては全く無知であり、ビートが聞いてる音楽なら「シンバルの猿」のように踊り狂う衆なので(死ぬほど長くクドかった)前座バンドですでに発射状態。…おいおい。
シビレを半分切らしたところカルロス登場!!!!!!
1曲目演奏中にシンバルの猿たちの動きが止まっているので振り向くと一列になって口をポカーンと開けたまま呆然。こ、これは何だあああ!
そしてグングン盛り上がるのは私ら世代のおっちゃんグループ。目の前に居たハナ丸博士のような学者風のおじさんは体をよじってエアギター。チョーキングまでしちゃって大暴れ。
ベストアルバムのようなセトリ。私も踊りまくりの2時間。酔いしれる…まさにそんな夜だった。
私がサンタナの音楽に出会ったのは高校時代の1970年後半。
うちの母は、ほんとイカした音楽センスをしていて幼い頃から異常なほどホットな音楽を聞いて育った。例えばマンボ、例えばモータウンミュージック、例えばハワイアン…ソウル。ビートルズもイーグルスもバンマッコイもスティービーワンダーも確か母がレコードを買った。かと思うとモーツァルトのバイオリンコンチェルト。
「ちょっとママさんバレーの練習へ行ってくるわ」と行って夕方から出かけた母の行き先は何とアースウィンド&ファイヤーのコンサート。あれも1970年代のことだった。日曜日の夕方には大響音でマンボ・ファイブかけて「さあ、自由に体で表現しよう」踊り出す母と幼稚園児の私。ビートルズのヘイジュードの歌詞にカタカナふってほぼ強制的に歌わされた(当時小学生低学年)お陰で今も流れてくると歌詞が出て来る。
情操教育なんて学術的なことを意図したとは思えない母の本能の教育。まあ、あえて言うならと遊び盛りが戦争中だったから、多分それを取り戻したかったのかも(が、そんなお母さんは周囲には居なかった)。
コンサートの最後にカルロスが「マービン・ゲイがWhat's going on で歌ったようにジョン・レノンがImagineで歌ったように人々が殺し合いをしない地球の平和を祈ろう。ピースだ。」母の口癖「戦争だけはあかん、絶対にあかん」…カルロスの言葉とシンクロして聞こえてきた。
それにしてもシビれた。