浄めの儀式は1時間半ほどで一旦終了。
しかし、焚かれた火は別場所へ移され、消えるまで一晩中祈祷される。その晩は、被祈祷者は部屋を出ることができないらしくお線香の煙が充満した部屋でルームサービスで食事をとることになる。
(そもそも、被祈祷者は血族を伴ってこの巡礼に来てはいけないくらいで、ましてや”ガールフレンド”などとベッドの上でTV観ながら飯食ってていいのか、と疑問に思うのだが…)
あたりが寝静まった真夜中1時すぎ。
ドンドンとドアを叩いて祈祷師が現れ、被祈祷者を別部屋に誘導する。祈祷の続き、続いてガンジス河に連立ち河辺で最後の儀式(が執り行われたらしい)。
午前4時前だったか、物音がして目を覚ますとスッキリした顔をした奴が立ていて「オイ、全て終わったよ。一人の影もない、一つの魂も流れていないガンガは信じられない光景だったよ」無事儀式が完了したことにこっちまで安堵して深い眠りに落ちる。
それから数時間後、日の出直後の散歩へ一人出かける。
ムンダンという儀式。子供の頭を剃ってガンガの聖水で頭を洗うと長生き、悪魔から子供を守ることができると信じられている。子供がピーピー泣いていた…
茶屋で休憩してから目指すはガンガを見下ろす小高い山に立つマンサ・デヴィ寺院。
ロープウェイもあるのだけれどここは自分の足で上がる。ヒンドゥー教信者の人々と共に参拝。
見下ろすハリドワールの町、ガンジス河の美しかったこと。リシケシとはまた違う滔々と流れる河。
そして昨日の何十万のSinはすっかり流れてしまい、また新たな一日になり人々はSinを一つ一つが笹の小舟のように流し始める…この旅の深さをしみじみ思う。
ま、帰途につく頃は、奴と売言葉に買言葉で互いの弁慶の泣所に蹴りを入て犬も食わない恒例の「戦」あり。とてもガンガで浄化されたとは思えぬ淀んだムカつく5時間…「次回はアンタのお母さん*と一緒じゃなきゃ、私は来ないわよ」と断言。さらに、「まあさ、アンタが自身を変えない限り、人生何も変わらないってことよ」と言ってやりたかったが、それはさすがにヤメた。
帰り道に道端で買ったとれたてのマンゴー、ジャムーン、枇杷、モモ。甘いだの酸っぱいだの色々あるんだよなあ。