七里ＧＧウオッチ６／20⑴：朝日世論調査＝個々評価で支持しないがフワッとした支持の安倍・自民45％の脆弱

【世論調査―質問と回答〈連続調査第２回〉　　　朝日2016年6月19日23時32分
    　（数字は％。小数点以下は四捨五入。質問文と回答は一部省略。丸カッコ内の数字は６月４、５日の調査結果）
比例投票先「自民３８％民進１５％」　朝日連続世論調査
　①◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
　支持する４５（４５）
　支持しない３６（３４）
　②◆今、どの政党を支持していますか。政党名でお答えください。
　自民３２（３８）▽民進７（８）▽公明５（４）▽共産３（３）▽おおさか維新２（１）▽社民１（１）▽生活０（０）▽日本のこころ０（０）▽元気０（０）▽新党改革０（０）▽その他の政党１（２）▽支持政党なし３７（３３）▽答えない・分からない１２（１０）
　③◆今年の夏に、参議院選挙があります。仮にいま投票するとしたら、比例区ではどの政党、またはどの政党の候補者に投票したいと思いますか。（択一）
　自民３８（３９）▽民進１５（１２）▽公明７（７）▽共産６（７）▽おおさか維新４（６）▽社民２（１）▽生活１（１）▽日本のこころ０（０）▽元気０（０）▽新党改革０（０）▽その他の政党２（２）▽答えない・分からない２５（２５）
④◆国会は自民党が多くの議席をしめています。自民党だけが強い勢力を持つ、今の状況はよいことだと思いますか。よくないことだと思いますか。
　よいことだ２３
　よくないことだ５９
⑤◆いまの野党が、自民党に対抗できる勢力になることを期待しますか。期待しませんか。
　期待する５９
　期待しない３２
⑥◆この夏の参議院選挙から、１８歳と１９歳の人も投票できるようになります。１８歳と１９歳の人が政治に参加することで、日本の政治が変わると思いますか。変わらないと思いますか。
　変わる３９
　変わらない５０
⑦◆参議院の選挙区はこれまで都道府県単位でしたが、いわゆる「一票の格差」を小さくするため、二つの県を一つにした選挙区ができました。二つの県を一つにした選挙区があってもよいと思いますか。それとも、選挙区は都道府県単位がよいと思いますか。
　二つの県を一つにした選挙区があってもよい３９
　選挙区は都道府県単位がよい４６
⑧◆安倍政権がこれまで取り組んできた政策についてうかがいます。安倍政権のもとで、賃金や雇用の改善がどの程度進んだと思いますか。（択一）
　大いに進んだ２
　ある程度進んだ２６
　あまり進んでいない５０
　まったく進んでいない１９
⑨◆安倍政権のもとで、国の財政再建に向けた取り組みがどの程度進んだと思いますか。（択一）
　大いに進んだ１
　ある程度進んだ１８
　あまり進んでいない５６
　まったく進んでいない２０
⑩◆安倍政権のもとで、子育て支援がどの程度進んだと思いますか。（択一）　　　
　大いに進んだ１
　ある程度進んだ１８
　あまり進んでいない４７
　まったく進んでいない２８
⑪◆安倍政権のもとで、地方の活性化がどの程度進んだと思いますか。（択一）
　大いに進んだ１
　ある程度進んだ１９
　あまり進んでいない５０
　まったく進んでいない２４
⑫◆安倍政権のもとで、沖縄県のアメリカ軍の基地負担を減らす取り組みが、どの程度進んだと思いますか。（択一）
　大いに進んだ１
　ある程度進んだ９
　あまり進んでいない４１
　まったく進んでいない４１
⑬◆東京都の舛添要一知事は、政治資金をめぐる問題で辞職を表明しました。この問題で政治に対する不信感がどの程度高まりましたか。（択一）
　大いに高まった３７
　ある程度高まった２６
　あまり高まっていない２１
　まったく高まっていない１２】

●①②③④⑤を最後の設問にしたならば支持政党結果は変わっていた！
  （ＧＧ：世論調査で常に思うのは設問が適切で的を射ているか、ある種の答えを期待した設問になっていないかだ。ここには「国民怒りの声」が取り上げられていないのは公平を欠く。他にも取り上げられていない政党が有り、その点大雑把だ。結果はともかく設問では取り上げるべきだろう。
　自民は相変わらず40％台を維持している。常にマスメディアをリードできる政権政党はこの数字を維持できる。それがそのまま選挙に繋がるかと言えばそうでもないらしい。参院選での投票は民進党が７（通常支持者）→15が目立つが選挙が近くなって露出が増えたことからだろう。）
　注目点は⑤だ。野党が自民に拮抗することを「期待する５９」に対し「期待しない３２」だ。3分の２は野党の伸長を期待している。④と表裏関係だ。野党統一候補の圧倒的な強みの土壌がここにある。個々の政策では「進んでいない」が「進んでいる」より差を付けて評価していないことと同じトーンだ。
　朝日の別記事「比例投票先『自民３８％民進１５％』（2016年6月19日23時32分）では自民支持者と無党派層の回答も見ている。それによると④の設問で「自民党だけが強い勢力を持つ」ことには「自民支持層では『よいことだ』４６％、『よくないことだ』３８％。無党派層では『よいことだ』９％に対し、『よくないことだ』は６９％に上った。今の野党が自民党に対抗できる勢力になることを期待するか尋ねると、（略）自民支持層では、『期待する』４７％に対し、『期待しない』４６％と見方が割れた。無党派層では『期待する』６２％が『期待しない』２６％を上回った。」と自民関係者にとっては背筋が寒くなる結果が出ている。自民支持者ですら自民強力化を忌避している。自民離れが激しく進んでいて自民支持層は流動化している。
　さらに個々の政策では沖縄の「基地負担軽減」では82が進んでいないと見ている。⑩「子育て支援」では「進んでいる19」に対し「進んでいない75」と５６ポイントの大差だ。これらの項目を⑤の前で設問するなら、⑤はもっと鮮明な結果になっていただろう。そして③の今回の参議院選での投票政党の質問も以上の質問の後で答えるなら結果は違っていたのではないか？この設問順位は軽視できない。回答者は回答後に自分の答えにシックリこない感じを抱いたかもしれない。
　ＧＧが最も注目しているのは公明党支持率だ。朝日の世論調査には公明党を共産党との比較で低減しないよう忖度している風が窺えるからだ。この点が世論調査で各社最も異なる点だ。共同はどちらかと言えば共産党が公明党を引き離す結果が出ているように見受けられる。どちらがより正確に世論を現しているかは選挙結果で明らかになるだろうが…。質問項目の①～⑬の番号は便宜上ＧＧが付けた）