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ニュースウォッチ24日:湘南鎌倉総合病院に入院してー①畜尿を取りに来ない②食後の薬を支給忘れする…

2015-12-24 22:18:17 | 日記

 

●「許しません!! 暴言 暴力 迷惑行為(院長)」

ある入院患者の階のスタッフセンターには「許しません!! 暴言 暴力 迷惑行為(湘南鎌倉総合院院長)」と黄色をバックに太いゴチックで書かれていたポスターが貼ってあった。

実際ここでの10日に及ぶ入院生活はいろいろあった。①畜尿を取りに来ない②朝食後の薬の支給を忘れた③紛失物を探すのに消極的ーーなどだ。いづれもこの階にしかいなかったのであくまでこの階での出来事で、すべての階でそのようだということではない。

●置いてけぼりのし尿瓶に溜まったまんまの畜尿

①「おしっこを貯めてください」というから、慣れぬ手つきでし尿瓶におしっこを貯めた。ところがいつ取りに来るのかわからない。勿論トイレに貯尿はおいてあるがこぼしてはいけないし、早く始末したいので、ナースに頼まず自分で処理しようと思った。聞いたところ、そのおしっこを測り捨てると言う。こんなことに余計な手間をかけさせては申し訳ないと、捨て方と測り方を教わった。計測計が壊れていて、測れなかった。これは任せた方が良いと判断。数日後からナースを呼ぶことにした。早朝音がしておしっこを持っていくようだった。いつも朝一番にするルーティンの仕事のようだった。ところがナースと言っても誰が担当者なのか、その日は誰も来ない。おしっこでし尿瓶はいっぱいだ。でも来ない。し尿を測るのは欠かせない筈なのに。どうしたことか。し尿量をチェックしていないのかどうか。いずれにしても、口で言うほど重視してはいないのだろう。そのままにしておいた。

●昼食時も過ぎた2時過ぎに「おーい 朝食後の薬が来ないぞ」

②朝食を食べて透析に行き、帰ってきたらもう昼過ぎの2時前。遅い昼食を摂っている最中に気づいた。朝食後の薬を飲んでいないのだ。これはまずいーーと慌ててナースを呼んだ。「朝食後の薬を貰っていないよ」とマイク越しに大声で叫んだ。これが初めてではなく2度目だからだ。1度目は朝食が済んでも、いつまでたっても薬が来ない。とうとう1時間たってしまった。「どうしたんだろう」と思う半面、「どうするか様子を見てやろうか」という気持ちもあったが、こんなことをしているうちに当人が飲むことを忘れてはお話にならない。コールしたら、すぐ持ってきた。あのままコールしなかったらどうなっていただろうという懸念は去らなかった。2度目が今度だった。慌てて看護師が来たのだが、薬を出しているというチェックがなされていて、担当看護婦が夜勤明けで居ないから連絡を待っていると言う。「そんな筈はないから、そのチェックが間違っているのだ。オレは飲んでいない。追跡してくれ早くしてくれ」と急かした。そんなにも急かすのは理由がある。

●すでに脳梗塞を3回、3回目は脳幹梗塞でバイアスピリンは命綱

GGはこれまで数度、脳梗塞を起こしており、3度目はバイアスピリンを飲まないで1週間目に起こった経験があるからだ。飲まない日にちを数えていたら7日目に深夜の仕事明けに来た。以来、バイアスピリンは毎朝欠かさず飲んでおり、残りが数粒になると不安を覚えるほど、いまやバイアスピリンは神様なのだ。3度目は脳幹梗塞で次は命にかかわること間違いない。そんな事情から、他の内臓の薬は時を争うほどではないだろうが、GGにとっては特別な神経を使っている。出来ることなら看護婦の管理ではなく、自分で管理した方が間違いが起こらないーーから、自分で管理したいと何度も伝えていた。その結果がこの始末だ。30分ほどして「分かりました分かりました。薬はまだです」と薬を持って看護師が現れた。「重大な職務怠慢だ」と不安の怒りをぶつけた。

●期待しないのが一番なのか

総じて、この階は”学級崩壊状態”だなあーと思う。「ハイ、わかりました」と言っておきながら、履行しない。同じ過ちを繰り返す。改善しないのだ。担当が違うとまるで通じない。数分後には言われたことを忘れる習性があるのだろうかーーと疑いたくなるような有様だ。子供のお使いと言うかーーともかく子供なのだ。怠けていることは無いだろうが、患者に責任を負う体制が確立されていないのか、患者は毎日ストレスがたまり、GGは期待しないのが一番と考えた。看護婦からいろいろ言われたら「はい、分かりました」と応じて、履行しないのがイラツかない方法だ。相手は次に「約束を守ってください」などとは言わない。忘れているからだろう。とっくに忘れているのかもしれない。ともかく腹を立てないことーーに自制する。誤解があってはいけないので念のために申し添えれば、すべての看護婦、看護師がそのようではない。なかには誠実に仕事をこなしている看護婦、看護師も少なくない。のではあるが…。GGはすでに多くの病院に入院しているが、ここの食事は塩気が6グラム未満だが塩気はほどよい。甘さも少しあって満足できる。また、小林修三副院長の監修した『透析療法の実際』は心配りが行き届いていて、分かり易い。副院長は毎週火曜日にはすべての腎臓患者を回診するらしい。これも頭が下がる思いではあるが…。


 こうしている間にもキンキンバタバタベッドの柵の鉄筋と板を叩く音がする「すいません、すいません、おーい」。数分やっている。近くの部屋でお婆さんがナースを呼んでいる。ずと聞いていると悲しくなると言うより笑いがこみ上げてしまう。根競べーーか?!患者と看護婦の。毎日なにかがある。些細なことだが、なかには重要なこともある。受け流せば流せないことは無いが、それじゃあいけないと気を取り直す。近くのベッドの後期高齢者は朝から「お手数おかけします。ありがとうございます」と、頭を下げながら。1日5度では済まない回数を、感謝の言葉で表す。「そんなものかなあ、世間は…」と、どうも合点がいかない。卑しすぎ無いかーーと。たぶんGGの過ちで納得するのが妥協点だろう。世の中は妥協して、揉み手して卑屈なお世辞を並べてくすぐる。そういう対抗手段もありだーーと知っていながら。「冗談じゃあない」と堅物なもう一人のGGが胡坐をかいて居すわる。

●色川武大と井上ひさしの文庫本を持って入院

ついでだから書くがGGは入院するにあたり2冊の文庫本を買った。色川武大の作品集と井上ひさしの『宮澤憲治に聞く』だ。色川武大の「たすけておくれ」は、胆汁手術をする色川の痛さと、痛さに耐えながらの心境と先生・病院の様子が描かれていて会話がいきいきしている面白さがあった。重くない病床で読むには向いているかも知れない。井上ひさしは、さながら宮沢賢治交響楽団の多彩さとかなしさ、しかし切なくはない、宇宙との合体と死滅を自然体で迎えている終末の賢治に、井上ひさしの意外なニヒリズムを見た気がした。吉里吉里人で感じた賑わいの裏側に感じたものだ。


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