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大阪ダブル選挙:維新の偽装が成功して、自民の液状化が露呈した

2015-11-23 05:47:12 | 日記


  ●”橋下完勝”の文字が躍るだろう各紙の社説
  大阪のダブル選挙は反維新が敗北した。西成区で辛うじて対抗勢力として拮抗したが、淀川区では反維新は半数程度の”完敗”だった。各紙は”完敗”の文字が見出しに並ぶだろう。今度の選挙は安倍補完勢力である「おおさか維新」が総力を挙げて戦った選挙で、ここで敗北させられるか、橋下を勢いづかせるかは、その程度ではあるが、勢いを挫くかどうかで重要な選挙だった。
結果論になるが「自民が自民票の取り込みに失敗した」と産経などからは窺える。自民が果たして総力を挙げて取り組んだのだろうか?

●自民はすでに液状化し選挙能力の低下は疑いない一方、反自民・反安倍エネルギーは大潮のようにうねり始めた
すでに自民は液状化しており、陣営を築くには程遠い実力ではなかったのか?そんな気がして泣かない。ここでの対立構図は反維新がメーンだった。その反維新に自民からは有力勢力が生まれないことが分かった―ーと言うべきだろうか。自民支持勢力はいわば「ふわっとした」勢力で動員力は無いことが露呈した。反維新より反自民の方が強かったかもしれない、いや反自民の方が府民・市民感情には近かったのではないか。公明がどれほど動員したかも関心はあるが、現時点では明らかではない。要は反自民・反維新の第三の勢力が未だ育っていないことが、最大の反自民・反安倍勢力の弱点だ。反安倍エネルギーは維新に吸収されてしまう構図が最大の危機だ。維新と言うあたかも反自民勢力であるかのような偽装勢力が橋下のお笑い芸人トリックで掠め取られてしまったということだろう。

●森田氏の視点にはズレがある。下世話が勝ったのがダブル選挙
先日『月刊日本』が届いたので開けて、森田実氏
の「なぜ橋下徹氏は維新の党を割ったのか」を読んで、森田氏が選挙民に「理念を失なった日本政治は、今、ポピュリズムとニヒリズムに毒されている」「必要なのは理性をとりもどすことです」と訴えていることに、大阪のダブル選挙が水を開けられているのを感じたが、同時に「理性」を訴えるのに、言い過ぎを承知で言うなら「負け犬の遠吠え」にも似たものを聞いた思いがした。橋下の手法の手ごたえを感じた。これは大差で橋下維新が勝つだろうと感じたのだった。森田実氏の分析「維新の党分裂は、安倍政権の攻略だ」「橋下徹は政治家にあらず」「真の政治改革とは何か」などの分析は、すべて同意する。しかし、どうも選挙民の感性とは離れて、あまりに高尚すぎはしないか。下世話な庶民の政治選択がポピュリズムと言う一言で切り捨てられてはいないか気になるのだ。「オバチャン」「オジチャン」に単純化して訴えることが出来るかどうかだ。いくら分析的で真実を衝いていても、高尚な論文を開陳されたのでは、庶民はついていけない。
も一点感じたことがある。10日ほど前、中央リニア新幹線に反対する集会が甲府あった。友人の家や畑はリニア計画のすぐわきに有り、強制執行されたら大変だと言うので、一緒に行ってみた。まだ運動は序の口でこれから本格化するに違いないが、運動指導者に会場の後方から疑問や感想が提示された。指導者はそれに答えていたのだが、対応が「被害者の仲間」という意識がどうも感じられず、「あんたらは知らないだろうが、オレは知っている」という指導者ぶった対応に驚いた。大学の先生だったらしいが、指導者気取りには胡散臭いものを感じた。

●反対運動の偽装 その指導者ズラした輩の裏切りの歴史だった
話は飛躍するが、反対運動はその運動の指導者から崩れてきたのがこれまでの歴史だとの、筆者は思いが強い。もう一つ運動の経営についてだ。行政は役人が時間やカネをふんだんにパソコンなど什器や会場を使う一方、反対運動する側はすべて手弁当で出費になる。このお金は大変な額になる筈で、運動の経営には多大な困難があり、ご苦労が支えている。そのご苦労を気遣うでもなく、言うなれば経験者が胡坐をかいてエラそうにいろいろ言うのは、庶民は腹が立つというものだ。
反対運動する振りして、自身の保身、反対運動での位置を確保しようとする輩が巣食っていやしないか? と猜疑心が働くのだ。指導者ズラはマッピラゴメンに願いたいものだ。これはご老人に多い。ご老人は確かに経験が豊富だろうことは疑いないが、出しゃばってはならぬ自制心もある筈だ。運動が若者に支えられないなら、体制側は痛くも痒くも無い。「バカを死ぬまでやっていろ!」となる。話が老人臭くなって恐縮だから止める。誤解してほしくないから強調するが、筆者は森田氏は反権力の硬骨漢だと敬意を抱いている一人だ。ただ大阪ダブル選挙では「理性」を求めるのは、本筋ではあるが誠に教科書的であって、そうしている間に時代は先に進んでしまう―ーと言う懸念をぬぐえない。橋下のタレント性を超えるタレント性と素養、太い政治性を備えた人物を擁立できるかどうかが重要なのではないか。時代はますますスピードを上げて、反安倍エネルギーは高まるに違いないのだから。”安手で下品で裏表満載の橋下劇場”を見せつけられたくないのだ。

●若手にバトンタッチできるかが運動のカギ、老残の醜態は曝すべきではない。維新の偽装が成功した
繰り返す。反自民エネルギーは大きな潮のようにうねり始めている。それは若手がバトンタッチする以外に無い。維新はそのエネルギーを掠め取ることに成功したのだ。投票率の低さは多くの選挙民が意欲をなくすか、逡巡している様子の表れだ。これは傾向としては前からあったが特に最近の選挙の特徴で、選挙にエネルギーが集中し切れていないことと、運動が先頭と後方との隔たりが大きいことを示しているように思える。維新は若者を捕まえているか?魅力あるように映っている偽装に成功したのだ。維新がまだまだ力を持っていることに警戒すべきだろう。


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