笑う 七色 福来たる

盲導犬の訓練を終え、どうも犬となって帰ってきた七色。そんな七色と隊長のぐ~たらで楽しい訓練生活。 

桜咲く

2010-04-26 | 七色の日常
七色地方の桜が、満開になりました~!




ここは、家の近所にある個人病院の桜の古木。

この桜の木を見ると2年前のことを思い出す。


七色がまだパピーだった頃、

社会化の為に、車や騒音に慣れさせようと、この道をよく散歩した。

ところが七色は、車の音、側溝、自転車、子ども、全ての物に過敏に反応して、

数メートルおきにぶっ飛んでグルグル回った。

狭い舗道から車道に飛び出さないように、いつもリードを固く握りしめ、ヒヤヒヤしていた。

こんな七色でも、日々、色んな体験を積むことで、いつかは普通に歩ける日がくるはずだと信じていた。

そして、「 ぶっ飛ぶ前にシットで防ぐ! 」 作戦が功を奏してきた頃、

七色の様子を見た訓練士さんから、こう言われた。

七色は極端に神経質な性格なので、無理に社会化をしなくていいです。

散歩は家の近所だけにして、いつも同じ場所にした方がいいと思います。


ショックだった。七色が不憫だった。

こんなに頑張ってここまでにしたのに、これから新しい経験をいっぱいさせて、大人の階段を1段ずつ上っていくはずだったのに・・・・


この桜を見ると、あの頃の七色を思い出す。




あの頃の七色を考えたら、今の七色はかなりの成長を遂げたんだな~と思ったら、

この薄い胸が熱くなった。



 「 ななタン そつぎょう おめでとうでしゅ 」 



・・・・・・いつ卒業した??



成長した七色隊員は、

スーパーのペットパークに連れて行かれた。

ペットパークの前に着くと、初めて七色が自分の意思を表した。

ここで待つのは嫌だと言った。




 「 こわいひとが いっぱいくるでしゅ。 」 



どう考えても、よっぽどの犬好きでない限り、

ここに犬がいることもわからないし、( 吠えないし保護色になってるし )

触ったりする人もいないと思っていた。






 「 ななタンは そんざいを けしていましゅ。 とうめいななタンでしゅ  」 



戻ったら、ラブ好きだと言うおばさんが近づいてきて、こう言った。

「 とてもお利口さんに待ってたわよ~。 話しかけても全然、動かないし、本当におとなしい子なのね~。男の人がね、触ろうとしたら、後ずさりしたのよ。あ この子は男嫌いだな~って言って、帰って言ったわよ。 それにしても良い子すぎてビックリよ。訓練したの?? もしかして、盲導犬関係の子?? 」 





 「 ななタンは たいちょうのくんれんをうけた ただの どうもけん でしゅ 」 



そう言うと、

ラブ好きのおばさんに、吠えて飛んだ。

「 あらあら、ママが来たら安心してやっと本当の姿を見せたわね~。」 

おばさんは嬉しそうにそう言った。





隊長は七色に、「 お前にワンという言葉はない。吠えるのは1回まで。」 と言いきかせている。それが今日はこのおばさんに珍しく3回も吠えた。それだけペットパークで我慢していたのだと思う。
七色にとって、ペットパークは、病院の診察室と同じくらい嫌な場所であることが今日、判明した。そんな七色に 励ましのワンパンチ 

              にほんブログ村 犬ブログ ラブラドールへにほんブログ村