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五劫の切れ端(ごこうのきれはし)

仏教の支流と源流のつまみ食い

オウムの謎は解けない 其の壱

2006-03-16 17:01:55 | 迷いのエッセイ
■『週刊朝日』3月24日号に「独占 三女アーチャリーが初めて語った」というインタヴュー記事が掲載されました。麻原裁判が東京高裁で精神鑑定を巡って紛糾している今になって、「アーチャリー」という名で顔を隠してのインタヴューです。娘の立場から父を気遣う痛々しい言葉が並ぶ、遅過ぎた記事でしかありませんが、4頁の記事を読み通すと何処かで読んだ事の有る、一種の既視感に襲われます。 「サティアンにいたころ、 . . . 本文を読む

鉄道投身自殺を考える

2005-10-22 13:31:26 | 迷いのエッセイ
■景気が回復して消費者物価も上昇に転ずるかと言われながら、実際には残酷な馘首を続けてコストという名目で人件費を削って企業は生き残った後ですから、サービス残業が連日続く職場が増えているようです。給金無しで、手に職を付けるまでは丁稚や弟子として働いていた昔の日本人は、一人前になると資本を親方に出して貰って「暖簾分け」という独立を果たしたのだそうです。しかし、将来の独立を約束されていない近代の労働者は、 . . . 本文を読む

日本人の心の危機

2005-10-15 17:28:15 | 迷いのエッセイ
玄奘さんの御仕事を楽しみにしておられる読者の皆様には、大変に御迷惑をお掛けしておりますが、間も無く再会いたします。その代わりというわけでもございませんが、小さな話題を取り上げてみたいと存じます。 ■毎日国内のニュースには必ず「殺人」事件が含まれています。積年の恨みを晴らした話はほとんどなく、行きずりの殺人や盗みに関連する殺害事件が多いようです。「かっとなって殺した」という犯人の言葉が報道される . . . 本文を読む

生命のアンバランス

2005-10-08 01:09:39 | 迷いのエッセイ
■暫く中断している拙ブログにも、毎日読者の皆様がお立ち寄りになっている事に心苦しいものを感じております。玄奘ファンや、唯識思想に興味を持たれている方には、何度も不快な落胆の気分を味わわせてしまっているに違いなく、誠に申し訳ありません。でも、『玄奘さんの御仕事』はもう少しお待ち下さい。近々、再開しますが、唯識と中観という第一のクライマックスに入ってしまったものですから、少々慎重になっております。お詫 . . . 本文を読む

日本の夏祭り

2005-09-28 22:02:16 | 迷いのエッセイ
今回は玄奘さんをお休みし、日本のお祭りについてお話します。少々古いネタなのですが、折角書いた文章ですので載せることにします。 ■8月23日の朝日新聞に、東北の夏祭りに関する記事が掲載されました。もっぱら観光資源としてのお祭の話なのですが、ちょっと違和感を覚えました。 ねぶた祭り (青森市・8月1~7日)   334万人(1万人減) 八戸三社大祭(八戸市・7月31日~8月4日)109万人(16万 . . . 本文を読む

生命の扱い方

2005-08-24 21:09:00 | 迷いのエッセイ
今回は玄奘さんから横道に反れることにします。 ■1977年に『あらいぐまラスカル』というアニメ番組がフジテレビで放送されていました。おっとりした少年と少しばかりやんちゃなアライグマとの生活を描いた作品でした。まだ物珍しかった動物でしたから、縫いぐるみ人形が沢山売れたようです。その後、1983年4月TBSテレビが『わくわく動物ランド』を放送を開始しました。関口宏さんの司会で動物の生態などに関するク . . . 本文を読む

ちょっとヨガを考える

2005-08-07 00:54:55 | 迷いのエッセイ
■町田宗鳳さんの『狂いと信仰』を読もうかと思っていたら、興味深いニュースを見つけました。 ノルウェー:受刑者向けのヨガ教室、思わぬ効果が…   ノルウェーの刑務所が、瞑想(めいそう)と呼吸訓練に怒りを抑制させる効果があるとして、受刑者向けにヨガ教室を始めた。ところが、狙いとは逆に、以前より攻撃的になったり興奮したりする受刑者が続出。刑務所の関係者は「呼吸訓練は受刑者の普段ため込んでいる感情 . . . 本文を読む

お葬式の値段

2005-07-28 13:13:59 | 迷いのエッセイ
■人生の節目に執り行われる儀式を「冠婚葬祭」と一口で言いますが、これを切り離すと「元服」「結婚」「葬式」「祖霊の祭り」になります。誕生時と「御七夜」「お宮参り」の祝い事が盛んになる一方で、「元服」はほとんど忘れられて宗教的な意味がまったく無い「成人式」が、戦後の民主化を喜ぶ熱気の中で一気に全国的に広まりました。しかし、元々、選挙権を持つ事と「成人」する事とを同価値と見るのが無理だったようで、壇上に . . . 本文を読む

ウラジオストクの小さな石碑

2005-07-18 17:31:33 | 迷いのエッセイ
■ウラジオストクの丘をとことこ登って行きますと、極東大学の立派な建物が有ります。その敷地内に誰にも気付かれずに小さな石碑が建っています。「浦潮西本願寺跡」と刻まれています。明治時代に西本願寺は海外にどんどん出向いて布教活動を展開しました。その宗教活動も「侵略」の一言で片付けるのならば、日本の歴史など学ぶ価値は無いでしょうが、キリスト教各派の布教が盛んになった明治の日本から、逆に押し出して行った西本 . . . 本文を読む

小さな「幸福」論

2005-07-12 17:08:57 | 迷いのエッセイ
■誰でも災厄を逃れて安穏(あんのん)に暮らしたいものです。大病せず飢えたり渇したりすることもなく、家庭円満で周囲とも仲良く暮らせれば言う事は無いのですが、なかなかそれが上手く行きません。人間がひ弱な動物としてうろうろしていた時代が終わって、集落を作り定住を始め、部族集団が成長する頃から、自分達を守ってくれる大いなる力を共有するようになったようです。それを忘れないように物語が作られ、力を象徴する物 . . . 本文を読む