五劫の切れ端(ごこうのきれはし)

仏教の支流と源流のつまみ食い

★旅限無デビュー!『チベット語になった『坊っちゃん』』出版

2006-12-31 00:00:00 | お奨めの本
この度、旅限無は『チベット語になった『坊っちゃん』』という本を山と渓谷社より出版することになりました。

旅限無は1998年から2000年まで中国・青海省でチベット語を学び、2001年の1年間はチベット人学生にチベット語で日本語を教えておりました。この本はその時の体験・思索をまとめたものです。

■本の概要

本の最初はチベット留学の動機から始まります。奇縁で入学したのが、パンチェン・ラマが設立した中国青海省の民族学校で、その内部で起こっている諸問題のレポート部分が続きます。

「チベット語の蘇生」の試みについて可能な限り詳細に述べましたが、鍵となるのが仮名文字と文法です。作中の授業を一緒に受けて頂きますと、実際に生徒達が体験した興奮を共有できます。さだまさし氏の歌が、冒頭と最後に登場して重要な役を演じます。チベット語と日本語の共通性が「奇跡」の種なのですが、授業内容・教授法を詳細に記述してその種明かしをしまして、後は一気に『坊っちゃん』翻訳の山場へと向います。

日本人にとっての夏目漱石が、今のチベット人にとっても重要な人物になって行く物語は、教育や日本語に危機感を持っている方々に訴えるものが有ると思います。チベットと日本の「近さと遠さ」を考える様々なエピソードは、今までに無かった視点から、チベットやアジアを考える多くのヒントになるでしょう。チベット人を大いに助けた「振り仮名」の効用を再確認しようと、多めにルビが振られているのも特徴です。

■章立て

巻頭 チベットの海
序章 拝啓、さだまさし様
第一章 チベットとの出会い
第二章 チベット留学
第三章 チベット語の可能性
第四章 チベットの坊っちゃん先生
第五章 息を吹き返したチベット語
第六章 別れの時
巻末  膠着語回廊

■宣伝

・どうしてチベット人学生達は日本語を学習して半年『坊っちゃん』翻訳できるようになったのか――チベット文化圏の青海省の山奥で起こった「奇跡」の物語!

チベットの歴史・文化,仏教,中国の少数民族政策,膠着語(日本語,チベット語,朝鮮語,トルコ語,モンゴル語等)に興味のある方必読の書!

『チベット語になった『坊っちゃん』』(定価:1600円)山と渓谷社より11月末に発売予定

どうぞ宜しくお願いいたします。

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